ドラッカーは『新訳:新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)』の中で、以下のように述べています。
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知識とは、個人や組織が何らかの成果をもたらすような行動を可能にし、何かあるいは誰かを変えるものである。知識とは何かを変えるものであることを認識するだけでも、何かが変わっていく。
P.F.ドラッカー(著) 『新訳:新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)』
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知識を得るには、人の知識をもらうことが最も簡単な方法です。
それはセミナーに行くのでもいいし、知識人にインタビューに行くでもいいです。識者から直接話を聞くことは、非常にインパクトのある方法ですが、逆に移動やコストなどの制約を受けます。
これに比べて読書は最も少ないコストで幅広く、自分の理解速度に合わせてできる最良の手段だと思っています。もちろん、実際に人から話を聞くほどのインパクトもありませんので、これだけで十分というわけではありませんが。
■成果には行動が必要
ただ、どんなに読書をしたとしても、どんなにいろんな人の話を聞いたとしても、仕事や生活上で成果が上がるわけではないのは、おおくのビジネス書や多くの人が言うとおりです。知識が単なる情報の集合体のままでは、結果は変わりませんよ、行動が必要ですよ、って言うことですね。
つまり、例えば得た知識を文章にするとか誰かに話すだけでも、その行動によって評価がされたり、自分の知識が深まったりすることで、情報が知識に変わり、価値を生むということです。その知識を本来の業務に使えばよりいいのでしょうけど。
出典は忘れてしまいましたが、「知識は電気のような一種のエネルギーである」という説明がされている本がありました。普段はその存在は無意味なものではあるが、使われるときになって初めて、その存在がわかり、そのパワーの大きさがわかる、ということが書いてありました。
ここで問題になるのは、エネルギーの総量と利用効率です。
どんな分野の知識がどれくらいあるか、その知識をいかに効果的に行動に結び付けられるかということです。
ドラッカーは知識を価値や成果に結びつける行動の力のことを「成果を上げる能力」とよび、『経営者の条件』で、次の5つだと述べています。
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1.時間を管理すること
2.貢献に焦点をあわせること
3.強みを活かすこと
4.重要な事に集中すること
5.成果を上げる意思決定をすること
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それぞれがとっても深いですし、ドラッカーの説明が1行1行がとっても含蓄があるので、時間のあるときにじっくり読んでみてください。
■知識とは変えること
しかし、ドラッカーは知識の定義自体を、「知っていること」ではなく、「変えるものであること」と定義しています。
こういうところはすごいですね。
知識を使って何をなすのか?
それは「変えること=変革」でなければ成果には成り得ないと書いています。
今までやられていた方法を、その背景から説明ができたとしても、結果は出せません。その背景を知った上で、より良く(「良い」の定義もまた難しいですが)変えていくことで初めて、「知識が使えた」と言える、という意味だと考えてます。
東芝のような「チャレンジ」は別物として、何かを変えていくために、今までやっていなかった、あるいはやれていなかったことにチャレンジし続けていくと、その経験が知識を深め、より多くの情報が集まり、その情報の集合体がドラッカーの言うところの「知識」になるのかもしれません。
※ちょっと強引だったか…
■何を習慣にしてますか?
『実践するドラッカー:思考編』という本に、この「5つの成果を上げる能力」それぞれについて、「何を習慣にしていますか?」という設問があります。
あなたなら、どう応えるでしょうか?
考えてみてください。
■参考図書 『経営者の条件』
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