知識とは「何かを変えるもの」




ドラッカーは『新訳:新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)』の中で、以下のように述べています。




★P285〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

知識とは、個人や組織が何らかの成果をもたらすような行動を可能にし、何かあるいは誰かを変えるものである。知識とは何かを変えるものであることを認識するだけでも、何かが変わっていく。

P.F.ドラッカー(著) 『新訳:新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)
――――――――――――――――――――――――――――★


知識を得るには、人の知識をもらうことが最も簡単な方法です。

それはセミナーに行くのでもいいし、知識人にインタビューに行くでもいいです。識者から直接話を聞くことは、非常にインパクトのある方法ですが、逆に移動やコストなどの制約を受けます。

これに比べて読書は最も少ないコストで幅広く、自分の理解速度に合わせてできる最良の手段だと思っています。もちろん、実際に人から話を聞くほどのインパクトもありませんので、これだけで十分というわけではありませんが。




■成果には行動が必要


ただ、どんなに読書をしたとしても、どんなにいろんな人の話を聞いたとしても、仕事や生活上で成果が上がるわけではないのは、おおくのビジネス書や多くの人が言うとおりです。知識が単なる情報の集合体のままでは、結果は変わりませんよ、行動が必要ですよ、って言うことですね。

つまり、例えば得た知識を文章にするとか誰かに話すだけでも、その行動によって評価がされたり、自分の知識が深まったりすることで、情報が知識に変わり、価値を生むということです。その知識を本来の業務に使えばよりいいのでしょうけど。

出典は忘れてしまいましたが、「知識は電気のような一種のエネルギーである」という説明がされている本がありました。普段はその存在は無意味なものではあるが、使われるときになって初めて、その存在がわかり、そのパワーの大きさがわかる、ということが書いてありました。

ここで問題になるのは、エネルギーの総量と利用効率です。
どんな分野の知識がどれくらいあるか、その知識をいかに効果的に行動に結び付けられるかということです。

ドラッカーは知識を価値や成果に結びつける行動の力のことを「成果を上げる能力」とよび、『経営者の条件』で、次の5つだと述べています。

★――――――――――――――――――――――――――
1.時間を管理すること
2.貢献に焦点をあわせること
3.強みを活かすこと
4.重要な事に集中すること
5.成果を上げる意思決定をすること
――――――――――――――――――――――――――★


それぞれがとっても深いですし、ドラッカーの説明が1行1行がとっても含蓄があるので、時間のあるときにじっくり読んでみてください。

■知識とは変えること


しかし、ドラッカーは知識の定義自体を、「知っていること」ではなく、「変えるものであること」と定義しています。

こういうところはすごいですね。

知識を使って何をなすのか?
それは「変えること=変革」でなければ成果には成り得ないと書いています。

今までやられていた方法を、その背景から説明ができたとしても、結果は出せません。その背景を知った上で、より良く(「良い」の定義もまた難しいですが)変えていくことで初めて、「知識が使えた」と言える、という意味だと考えてます。

東芝のような「チャレンジ」は別物として、何かを変えていくために、今までやっていなかった、あるいはやれていなかったことにチャレンジし続けていくと、その経験が知識を深め、より多くの情報が集まり、その情報の集合体がドラッカーの言うところの「知識」になるのかもしれません。
※ちょっと強引だったか…

■何を習慣にしてますか?


実践するドラッカー:思考編』という本に、この「5つの成果を上げる能力」それぞれについて、「何を習慣にしていますか?」という設問があります。

あなたなら、どう応えるでしょうか?
考えてみてください。





■参考図書 『経営者の条件





立ち読みできます立ち読み可
ドラッカー・エターナル・コレクション第一弾。
絶大な人気を誇る不朽の名著。成果をあげるためにいかなる行動をとるべきか。己の強みを知り、時間を知り、なすべきこととなさざるべきことを知る。すべての知識労働者に必須の書。






◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

経営者の条件
著者 :ピーター・ファーディナンド・ドラッカー

経営者の条件
検索 :最安値検索

経営者の条件
検索 :商品検索する



●関連 Web
 ビジネスリーダー講座-日経ビジネス
 3分間ドラッカー―ダイヤモンド・オンライン
 経営者のバイブル ドラッカーを学べ―WizBiz
 ピーター・ドラッカー - Wikipedia
 3分間でわかるドラッカー−「経営学の巨人」の名言・至言

●本書を引用した記事
 貢献をしない
 確証のワナ
 段取りがよくなる段取りシート
 面接質問「どんな貢献ができますか?」
 ドラッカー:リーダーシップ力診断
 ダラダラ癖から抜け出すための10の法則:時間を記録し分析しなさい
 時間を測定する
 仕事とは書類を作ることとみたり
 スケジュールを見なおしてはいけない
 ManicTime

●このテーマの関連図書


ドラッカー名著集2現代の経営[上]

ドラッカー名著集3現代の経営[下]

小説でわかる名著『
経営者の条件』人生を変えるドラッカー―――自分をマ…

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか(はじめて読むド…

創造する経営者(ドラッカー名著集6)

イノベーションと企業家精神(ドラッカー名著集)






■参考図書 『実践するドラッカー:思考編





立ち読みできます立ち読み可
時間管理、意思決定、目標管理、計画…成果につながる「行動原理」を身につける。ドラッカー教授の教えを「理解する」「使いこなす」「習慣化する」、成果をあげる人のワークブック。巻末綴じ込み付録・1週間の成果がひと目でわかる時間管理シート付き。






◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

実践するドラッカー:思考編
著者 :佐藤等
楽天では見つかりませんでした
実践するドラッカー:思考編
検索 :商品検索する



●関連 Web
 佐藤等 著作図書
 上田惇生 著作図書
 ドラッカー 関連図書
 実践するドラッカー:ダイヤモンド社書籍オンライン
 実践するドラッカー思考編-第2章まとめ

●本書を引用した記事
 イノベーションとは
 仕事をするための知識はなんですか?
 計画を振り返りましたか?
 ドラッカー:ワーク・ライフ・バランスを整える
 好き嫌いで仕事をしてはいけない
 コンセプト化・一般化の効用
 知識とは「何かを変えるもの」
 知識とは「何かを変えるもの」
 自らをマネジメントする
 陳腐化のリスク


●関連図書
 実践するドラッカー:行動編
 実践するドラッカー:チーム編
 実践するドラッカー:事業編
●このテーマの関連図書


実践するドラッカー行動編

実践するドラッカーチーム編

実践するドラッカー事業編

実践するドラッカー利益とは何か

ドラッカー入門新版---未来を見通す力を手にするために

ドラッカーを読んだら会社が変わった!






■参考図書 『新訳:新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)





立ち読みできます立ち読み可
今日、明らかに日本は、経済、技術、政治組織、そしておそらく教育についても、世界の最先端に位置しており、したがって自ら革新を行なわなければならない状況におかれている。世紀の転換をまえにいま時代のトレンドが見えてきた。
15年前のドラッカーの予測が、いまや世界の流れになった!意思決定のヒントを与える洞察の書。







◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

新訳:新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)
著者 :P.F.ドラッカー

新訳:新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)
検索 :最安値検索

新訳:新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 識者を探す
 学習成果を出すたった2つの方法2
 意思決定をする
 ポストモダンの時代
 継続的学習の方法を身につける
 コンセプト化・一般化の効用
 意思決定回避のリスク
 明日を支配するもの:知識労働者には自律性と責任がともなう
 ドラッカー:意思決定の前提とすべきものが「すでに起こった未来」である、って本当?
 ドラッカー:マネジメントは一般教養である

●このテーマの関連図書


明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命

すでに起こった未来―変化を読む眼

ネクスト・ソサエティ―歴史が見たことのない未来がはじまる

ドラッカー名著集4非営利組織の経営

ドラッカー名著集8ポスト資本主義社会

実践する経営者―成果をあげる知恵と行動





■同じテーマの記事

社長は君のどこを見て評価を決めているのか1

本日は、久しぶりにビジネス書のご紹介です。過去記事でも幾つかネタにしたものがありまして、実際経験としてこういったテクニックは役に立ちます。おそらくサラリーマン経験が長くなると、皮膚感覚としてわかるのでしょうが、なかなか文章にするのは難しいですし、それをこれだけ体系的に取りまとめるのも難しいので、今後会社の中であるレベル以上を目指そうとする方には、若いうちに知っておいて欲しい内容です。さすがに筆者が実際にコンサルタントをして得た会社社長の社員を見る傾向なので、かなり客観..

論理的資料作成術:見出しをつけると整理されて見える

ビジネスメールなどで、論点を一言にまとめて見出し化している人ってあまり見かけませんが、これを心がけると2ついいことがあります。・要約する力がつく・読みやすくなる簡潔に表現する力重要な部分を自分の言葉で言い換えてみる「ここは重要だ」と引っかかりを感じる部分は、自分なりの言葉で言い換えてみましょう。あるいは、その部分の見出しを自分でつけ直してみるのも有..

トラブルを上司に報告する前にするべきこと

よく、「問題が起きたらすぐに上司に報告しなさい」っていうビジネス書やネットの記事を信じて、速攻で報告に来る人がいたり、「自分でなんとかしよう」と頑張り続けている人がいたり、まあいろいろなのですが、どちらも上司からすると期待するものではありません。というか、「報告の仕方がなってない」っていらないところで減点をくらいます。上司の力を利用するトラブル解決の方法何か問題が起きたらとりあえず上司に報告するのがいいのですが、い..

社長は君のどこを見て評価を決めているのか2

本日は昨日のの紹介の続き。過去記事でも幾つかネタにしたものがありまして、実際経験としてこういったテクニックは役に立ちます。おそらくサラリーマン経験が長くなると、皮膚感覚としてわかるのでしょうが、なかなか文章にするのは難しいですし、それをこれだけ体系的に取りまとめるのも難しいので、今後会社の中であるレベル以上を目指そうとする方には、若いうちに知っておいて欲しい内容です。さすがに筆者が実際にコンサルタントをして得た会社社..

読書ジャンルごとにアプリを用意する

並行読書読書術で、多読のすすめの中に、並行読書を勧めているものが少なくありません。ようは、時と場合に応じて読む本を変えてやると、都合よく読むことができる、という方法。ビジネス書のように仕事に活かす読書は、忙しい人が、走りながら、時間の合間を縫ってするものです。通勤中はもちろん、昼休み、外出時の空き時間、入浴・食事中など、聖域を設けず読んでいきましょう。..

意思がうまく伝わらない人に足らないもの

よく「話題をひとつに絞る」と良い結果が得られると言われます。話したいことがいくつもあって、それを全部話そうとするとひとつも伝わらない、みたいな。これは経験的にも実感があります。意図を伝えられない普段の会議なんかでも、よく喋ってるけど、言語明瞭意味不明なひとがいます。しばらく聞いていないと、何について話をしているのかがさっぱり見えない。ひどい場合には最後まで何がいいたいのかわからないときも…こういう人は、技術スキルは..




posted by 管理人 at 05:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 知的生産術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック