上司の評価は部下が決めている




あなたの上司の評価って、どう決まっているかご存じですか?

過去記事で自分の評価を上げるコツについては色々書いてきましたが、自分を評価してくれる人、すなわちあなたの上司の評価が低いと、会社全体としては、相対的にあなたの評価は低くなります。

単純な話、あなたの会社の利益がマイナスなら、あなたがどれほどがんばっても、どれほど利益をあげていたとしても、給料やボーナスが上がるわけではないんです。

一般的に行って、上司の評価というのは、その組織の評価でもあります。
たとえば、あなたの評価点が 1.0 だったとしても、組織としての評価点が 0.8 であれば、会社内のあなたの評価は

 1.0 * 0.8 = 0.8

です。

一方で、あなたの評価点が 0.8 でも、組織としての評価点が 1.4 あれば

 0.8 * 1.4 = 1.12

の評価点が貰え、ボーナスは高くなります。

もちろん、組織としての評価点をどの程度を給料やボーナスに影響させるかは、職位によります。
職位が高くなるほど影響は大きくなりますので、ここまで単純ではありませんが、究極的に考えると、儲かっていない会社で給料がふえることはないので、イメージはわかってもらえると思います。

■上司の評価を知る


では、上司は何によって評価されているかというと、

 ・マネジメント能力
 ・専門能力
 ・経営への影響度

の3つです。一般職は主に専門能力で評価されますが、管理職はその名の通り、マネジメント能力のほうがより高く評価されます。さらに職位が上がると、「経営への影響度」のほうがポイントが高くなりますが、一般職の上司なら課長・係長クラスなので、重要視されるのはマネジメント能力です。

「専門能力」は、上司の専門能力ではなく、上司の管轄する部署の専門能力の総合値です。もちろん、上司自身の専門能力も問われますが。

では、マネジメント能力は何によって測られるとかというと、わかりやすいのは、この2つ。

 ・より経営への貢献度の高い目標を持っているか
 ・リスクマネジメントができているか
 ・目標以上の成果が出せているか

です。「リスクマネジメント」は、成果を出すプロセスがきちんとコントロールできているかを問うものであり、その結果として「成果」が問われます。

■上司の評価を下げない方法


だからといって、自分だけで会社や自分の部門の評価を上げることはできません。しょせん歯車のひとつでしかないので。

ただ、上司の評価を下げないことは可能です。

上司のマネジメント能力にバツがつかないようにすることです。

簡単に言うと

 チクる

ことです。

マネジメント能力というのは、業務やプロジェクトが順調に進んでいる時には、実際に業務をする部下に任せて放置しておいても問題にはなりません
つまり、順調に進んでいるものばかりなら、上司(マネジメントする人)はヒマで仕方がないんですよ。

ただ、現実問題はこんなことはありません。次々とトラブルが起きます。

このときに、どのように対処して、計画通りに進めていくかがマネジメントの出番です。
あるいは、一歩進んで、トラブルを芽の段階で摘み取ることで、外見的には順調にコトもなく進んでいるかのように見せること、すなわちリスクマネジメントが管理職には重要なんです。

しかし、管理職は実際に業務をしているわけではないので、状況は部下におしえてもらえないと何もわかりません

ところが、部下は「順調です」「計画は達成できます」はスラスラ言えるけど、「トラブってます」「問題がおきました」はなかなか言えないんですね。
ココらへんは、

 どうして問題を抱え込むのか

に書きましたので、ご参照を。

いずれにしても、部下が問題を隠すと、最後に発覚するか、自分の部下以外から指摘されます。ばれない問題ならいいですが。

これが、上司の評価を下げる一番の原因です。

 問題が起きているのに直接の上司がしらない

これは、上司の上司から、「オマエはマネジメントしているのか!?」と言われても反論できないんですね。事実が目の前にあるので。

逆に言えば、上司の評価を下げないためには、問題は早く、芽のうちに報告することが必要なんです。

■組織のためにチクる


「チクる」という言葉自体はあまり印象のいい言葉ではありませんが、自分の状況だけでなく、組織全体の状況について、悪い情報を発見したら、なるべく早く上司に報告するという意味で「チクる」と書いてます。

たとえば、「同僚の××さんと○○さんが感情的に反目している」あるいは、「○○さんがお客さんを怒らせた」みたいな情報。

これを第三者が上司に言いに行くのは、かなり気が引けますよね。
なんか、足を引っ張ってるみたいで。

でも、これを本人がもし報告しなかったら、別部門から上司の上司に「××さんと○○さん、なんとかなりませんか?」とかクレームがはいったり、○○さんが××さん主導のプロジェクトでサボタージュを決めて、期限になってそれが発覚したりしたら、直接の上司はどんな評価をされるかは想像に難くないですよね。

もうそうなったらアウト。

もちろん、同僚や先輩・後輩の足を引っ張る目的で「チクる」のは人間的にも、上司から見た評価的にもダメです。
しかし、「組織のために」という意識で、組織のためになるような行動をすること自体は、組織人としては必要なことなんです。

事実だけ見たら同じなのかもしれませんし、線引きは難しいですが。

それは、結果として上司のマネジメント能力を上げる事にもなりますし、組織としての目標を達成するのに必要なことだと考えてます。




posted by 管理人 at 14:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | キャリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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