キー・ドライバーに集中する




TOC では、「ボトルネック」「根本原因」と言ったりします。本書『マッキンゼー式 世界最強の仕事術』では「キー・ドライバー」と表現されています。
本ブログでも「根本原因」とか「てこの支点」という表現をしています。

これは要するに、特定の問題を解決する上で、その問題にもっとも大きな影響を与えているもののことです。

これを嗅ぎ分ける力を養うことで、より効率的に仕事が進められるようになります。


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●キー・ドライバーを探す(核心をつかむ)
 ビジネスを左右する要因はたくさんある。そのなかで最も重要なもの、すなわち「キー・ドライバー」に注意を集中すること。

マッキンゼー・チームの会議で問題解決が議題になっているときは、「キー・ドライバー」なる、いささかエレガントならざる言葉が必ずだれかの口にのぼる。

たとえば、

 「ヴィック、この問題のキー・ドライバーはこれこれだと思うんだが……」

といったふうに。

架空ナントカ社の製品ナントカの売上げに影響を及ぼす要因は、天候、消費者マインド、原材料価格、など百もあるだろうが、最も重要なのは X と Y と Z である。

それがキー・ドライバーだ。

その他は無視する

エンジニアは「二乗法則」なるものを勉強する。

これは、あるシステムの構成要素ひとつひとつについて―つまり、ある問題に方程式がひとつ増えるごとに―システムを解くために必要な計算が少なくとも方程式の数の2乗に比例して増える、という法則である。言い換えれば、問題の複雑さが二倍になれば、それを解くための時間は四倍になる―なんらかの単純化をしないかぎりは……。

たとえば、太陽系には何百万もの物体があり、すべてが互いに引力を及ぼしあっている。

ところが、天文学者が惑星の動きを計算するときには、こうした物体のほとんどを無視するところから始めるのである。

キー・ドライバーに焦点を絞るということは、問題全体をひとつひとつの部分、ひとつの層に分解するのではなく、核心に向かって掘り下げることである。

そうすれば、事実に基づいた徹底的な分析を、それが最も有効なところに加えることができる。

袋小路に迷い込まないですむのである。

キー・ドライバーは、名称のぎこちなさはともかく、非常に強力な概念である

時間の節約になる。労力の節約にもなる。海の水を全部沸かさなくてもすむようにしてくれる。

イーサン・M. ラジエル(著) 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術
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最後の「海の水を全部沸かさなくてもすむように」はすっかり気に入って、時々枝葉末節のことでドタバタしている部下に

 カップ麺を作るのに、海の水を全部沸かさなくてもいい

という言い方をするようになりました。ちょっとインパクトがあるでしょ(自画自賛)。
※まあ、塩水でカップ麺を作ったら、からくて食べられないでしょうけど。

■掘り進むときには単純化して、組み立てるときには周辺に気を配る


ある問題を解決しようと思ったら、まず問題を深掘りしないといけません。

その時には、枝葉末節の問題に目をとられると処理がしきれません。中心となる問題に向かってまっすぐに掘り進まないと工数は無限大に必要になります。

これは、TOC で現状問題構造ツリーを作る作業をしてみるとわかります。いろいろ起きている不都合なことは、たんなる問題が起きた結果にすぎないわけです。
その問題を起こしている原因を潰さないかぎり、問題は別の形で現れるだけです。

問題そのものに拘泥してはいけないんですね。問題を起こしている根本原因に着目しないと。
将棋で勝つには王将を取る作戦を考え無いといけません。歩を全部取る必用はないですし、それで勝てるとか限りません。

対策をするときには、この逆で、細かな課題をひとつづつ丁寧に対応して行かないと、全体が崩れます。

何かの改善活動をしようとしたら、活動を実施するメンバーの不満にひとつづつ応えていかないと、メンバーのモチベーションが低下して、結局改善活動自体が止まってしまいます。
腐るときには周辺から腐ります。だから、腐らないように注意するべき時には、周辺(枝葉末節)に注意をするんですね。

 分析をするときには枝葉末節にとらわれず
 実行をするときには細心の注意を払って

が注意するべきことかと。




■参考図書 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術



本書は、2つの貴重な意味を持っている。ひとつは、これまで謎に包まれていた世界的なコンサルティング会社マッキンゼーの仕事や組織、経営について、その一端を明らかにしていること。つまり、マッキンゼーそのものがテーマになった本である点だ。もうひとつは、彼らがビジネス経営問題をどのように解決するかを書いていること。つまり、世界中から集められた、きわめて優秀な「仕事師」たちの思考やテクニックを教えてくれている点だ。著者はマッキンゼーで3年間働いた元社員。そこでの経験と、同社を退職した人々へのインタビューから本書を書き起こしている。

本書の主要部分は、ビジネスの問題をどう考え、解決に向けてどんな方法をとり、そして解決策をどう売り込むかという、実際に彼らがコンサルティングを進める手順に沿って展開されている。いわゆる「マッキンゼー式」の真髄は、その最初の段階の「事実に基づき」「厳密に構造化され」「仮説主導である」という3つの柱で示されている。なかでも、問題を構造的に把握して3つの項目に集約させるテクニックや、まず仮説を立て、証明や反証を重ねながら正答に導くプロセスは、ビジネス思考の究極のモデルになるものだろう。

一方で、チームの編成、リサーチ、ブレーンストーミングの各方法や、「売り込みをしないで売り込む方法」など、すぐに応用できる実践的なテクニックも数多く紹介されている。多忙を極めるCEOに30秒でプレゼンする「エレベーター・テスト」や、毎日1つチャートを作るといったユニークなトレーニングもある。また、彼らのストレス対処法やキャリアアップの方法などもスケッチされていて、彼らの「生身」の側面をうかがい知ることができよう。

マッキンゼーの人々の仕事に対する思考やテクニックが、見事に描き出された1冊である。一読すれば、ビジネスにおける強靭な精神と、すぐれた知性の源泉に触れた気になるはずだ。






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マッキンゼー式 世界最強の仕事術
著者 :イーサン・M. ラジエル

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posted by 管理人 at 09:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 知的生産術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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