管理職にある上司は、自分と同じ考え方をする部下を高く評価します。
イマドキの会社なら、建前として「グローバリズム」だの「多様性」だのとお題目を述べますが、所詮人間です。自分の考え方と似た考え方をする部下は「よく考えている」と評価し、自分と異なった考え方をする部下は「まだまだ…」と評価します。
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●「姿勢反響」で楽に上司から信頼を得る
管理職についている人間は、部下に自分と同じ行動や考え方を持っことを求める傾向にあります。自分の言うことを聞かずに勝手に動いている人間は、たとえその人が優秀でも矯正や排除をしたくなりますし、自分のやり方に従う部下は、とくに取り柄がなくても高い評価を与えてしまいがちです。
ですから、会社をはじめとする集団に所属する多くの人間は、自分が逸脱しないようにその場の空気に合わせる「同調行動」を取ろうとします。
これは、アメリカに亡命したポーランド生まれの心理学者ソロモン・アッシュが実証したもので、人は複数の人間がいる集団のなかでは、多数意見の影響を受けやすく、多数派と同じ行動や主張を意識的、無意識的かを問わずに行なってしまうのです。
この同調行動を利用して、上司からの信頼を得る方法があります。
やり方は簡単です。上司と一緒に昼食に行って、相手が選んだメニューと同じものをオーダーするのです。
上司がトンカツ定食を頼んだら、あなたも同じものをオーダーします。「油ものは控えたくて…」などと違うものを頼んでは効果がありません。
これは「姿勢反響」という同調行動のひとつを利用したテクニックです。
人は他人と打ち解けることによって信頼関係ができると、しぐさや表情、行動などがお互いに似通ってきます。仲のよい友人や恋人間によく見られる現象で、鏡のようにお互いが似た行動をとることから心理学ではミラーリングとも呼ばれています。
相手の話す速度や口調などが似てくるペーシングもその一種です。この姿勢反響を意図的に起こせば、あなたが自分(上司)と同じような価値観を持っている「評価するべき人間」だと錯覚させることができるわけです。
マルコ社(編集)(著) 『他人を支配する黒すぎる心理術』
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心理学の実験で、論理的に考えればだれでも正解が出せるようなことでも、被験者一人、サクラ複数人などの環境で、サクラが間違った答えを言うと、被験者もそれにつられて不正解とわかっていながら間違った答えを言うそうです。
たとえば、
12+23は?
と聞かれて、その前のサクラが「45」と答えると、釣られる人がでてくるんだそうな。
これが同調行動です。
これを意図的に起こすと、その集団の中のひとりとして認められるようになるんですね。
で、その集団の方向性を決定しているのは、リーダー。すなわち上司です。
上司と同調行動を取ることによって、上司から認められやすくなります。
「これが自分の個性です」などと個性を主張するのは、集団の一員としては実はあまり好ましくありません。
もちろん、必要性があると判断されるときには目立つようにしないと、その他大勢に埋もれてしまいます。ですが、どちらをとっても結果に大した影響がないときには、積極的に同調行動をしましょう。
「反同調行動」は戦略的に使わないと損をします。
■参考図書 『他人を支配する黒すぎる心理術』
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「人を操る」とは「良好な人間関係を築くこと」につながるのです。
人間関係の悩みを解決して、円滑なコミュニケーションを行なう方法のひとつに、心理学をベースにしたコミュニケーション法が存在します。
心理学的見地から、相手の表情やしぐさ、行動を分析して心理状態を把握し、コミュニケーションに役立てる心理術のなかでも、相手を「支配する」(=操る)心理術にフォーカスしたのが本書です。
コミュニケーションとは言い換えれば「操り合い」のこと。心理学をベースにした心理誘導に役に立つ考え方や具体的なテクニックを学ぶことで、コミュニケーションスキルは大きく向上することでしょう。そう、「人を操る」とは「相手との良好な人間関係を築くこと」につながるのです。
本書では人を操るための心理学や心理テクニックを紹介するために、「心理学」「心理術」の専門家への取材を敢行。心理学の基本や相手の心を透視(見抜く)技術について紹介するとともに、メインコンテンツでは相手の行動や心理を自分の意図した方向に誘導する心理術を紹介しています。
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