空気を読んで、主張すべきことを主張しないというのは、わりと日本人に多いらしいです。
自分は日本人でその環境が普通なので、どこまで主張するのが正しいのかはわかりませんが。
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日本人は自分の主義主張を控えめにしがちです。
「出る杭は打たれる」といわれるくらいですから、そうなってしまうのも仕方がないのかもしれません。
しかし世界で仕事をするうえにおいて、自分の考えをはっきりと述べるということはとても重要です。
その意見が正しいか否かは、気にする必要はありません。よくないのは、自分の意見を持っていないということだからです。
岩瀬大輔(著) 『入社10年目の羅針盤』
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たしかに、「自分の意見が言えない」というのは、ちょっと見下される場面も想定されます。
ただ、政治的見解みたいなものは、持つのはかまいませんが、仕事の場でそれを明らかにするのはいかがなものでしょうか?
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いろいろと障害はあるでしょう。
その最大の壁となるのは言葉に違いありませんが、恐れることはありません。
前にも書いたように、共通語となる英語のスキルは、時間をかければ誰でも身につきます。アジア人の英語はネイティブイングリッシュではなく、外国人が話す下手な英語なので心配いりません。
語学に加えて大事なことをもうひとつ挙げておくと、世界状勢と課題について、自分なりに考えて、自分なりに意見を持っているということです。
海外にいると、そういうことを突然聞かれることが結構あります。「僕はこの問題についてこう考えているけど、君はどう思うんだい?」と。
日本にいると、社会問題について議論することは避けたがる、あるいはほかの人の意見に同調するようなことが多いのですが、海外では目の前の相手と意見が真っ向から対立しても構わないのです。
むしろそこで自分の意見が言えるかどうかを見られています。
岩瀬大輔(著) 『入社10年目の羅針盤』
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欧米ならその可能性はありますが、中国・韓国などアジア圏で働いた経験からすると、これはタブーです。
社会問題に対する政治的見解というのは、それそのものは問題がありませんが、民族的な自尊心や地域の自尊心につながっていることがあります。
もちろん、それが会社の業務と深く関わっているのであれば議論せざるを得ませんが、たとえば何かを生産している工場や開発現場で、社会問題(たとえば失業問題とその対策)を議論しても生産性は変わりませんよね。
自分の主張をちゃんとするのは、相手を論理的に説得できる課題だけにするのがいいです。
つまり、仕事をする上で必要なことは自分の立場を明確にしないといけませんが、それ以外のことは曖昧にしておかないと、無用ないざこざに巻き込まれます。
相手の自尊心や自尊心に繋がる事柄を論議すれば、感情的になります。
もちろん、欧米だけでなくアジア地域でも、日本よりもはっきりモノを言うことを良しとする環境ではあると思います。主張するべきことは主張する、と。
だからといって、日本人がそこへ行って、その地域社会の問題について意見すれば、面倒なことになります。
相手の意見に対して、反対も賛成も同調もしないのが一番かと。
※「同調」というのは曖昧にするために、「まあ、そんな感じ」と答えることです。
※これには大きな落とし穴があります。
「それについては、自分は議論する気はない」
というのがベターかと。
■参考図書 『入社10年目の羅針盤』
右肩上がりの時代なら、一流企業に就職し、順調に出世して、経済的にもゆとりのある暮らしを築くことが、共通した幸せの概念だったかもしれない。しかし人々の間で物質的な豊かさよりも精神的な豊かさが求められている昨今、若い人たちも、上を目指すだけでは自分の幸せにたどり着くことができないことに気づき始めている。よく「最近の若者は出世欲がない」などと言われるが、出世の先に自分の目的とする場所があるわけではないということを、感覚として分かっているからではないだろうか。
入社10年目というと、30歳前後の若手ビジネスパーソンにあたる。経験を重ね、スキルも身についている頃だが、責任も与えられ、部下を束ねている人もいる。私生活でも結婚や出産を意識するなど、考えることの多い年代だ。若い頃はただがむしゃらに進めばよかったかもしれないが、30代以降はしっかりと方向を定めて進んでいかなくては目的地にたどり着けない。
うまくいかない時、つまらない仕事をしなければならない時もあるだろう。しかし自分の目標が定まっているのであれば、それを平然と乗り越えていく術も必要だ。
失意泰然(しついたいぜん)、得意淡然(とくいたんぜん)。
うまくいっていない時こそどっしりと構えよ、うまくいっている時こそ謙虚であれ、といった意味合いの言葉だ。この本でも紹介している。
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