人を説得するときに、いきなり本題にはいって
「××が○○なので、△△してください」
とやれると、時間が少なくてとってもいいのですが、こういうやり方は大抵うまく生きません。
徐々に相手との距離を縮めていき、相手が納得できる状態を作り出して、最後にトドメを出すのが成功確率を高めます。
ドラマなんかでも、いきなりラスボスに必殺技をぶつけても成功しませんね(というか、それで終わっちゃったらドラマにならない)。
最初は小者とバトルし、徐々に大物とのバトルに勝って、いよいよラスボス。
そこで、有利になったり、不利になったりしながら徐々に相手を弱らせていって、ここぞという場面で必殺技! ですね。
取るべきステップがあるんですよ。
で、こういうステップを終えてくれる本っていうのは、たいていは回りくどくて、ハウツー本には向きません。
■HARPの法則
本日引用する本『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』は、いろいろな仕事のワザが書かれた本ですが、それぞれにちょっとおもしろい名前(ワザ名?)がついています。★P152〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●HARPの法則
『根回し活動]の実際は、『説得活動』です。
それ故、論理的で無駄のない説得が行えるようでなければ、いくら 『ターゲット明示の原則』や、 『TEMの視点』 を持っていても何の役にも立ちません。
そこで、説得力を高めるために、正しい説得活動を行うステップと、各ステップにおいて、適切な説得ポイントを見つける視点とについて解説しようと思います。正しい説得活動のステップは、覚えやすいように
HARPの手法
と名付け…
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:
まず、 HARP の意味は次のようなものです。
H ― HURDLE (障害)
A ― ACTION (行動)
R ― REACTION (相手の行動)
P ― PUSH (最後の詰め、押し切る)
であります。
説得するための最初の課題は、相手がこちらの説得を受け入れられない理由、即ち、障害(HARDLE)となっているモノを明確にせねばなりません。それ故、第一のステッブである 『H』 では、障害をリストアップすることになります。
この時、相手の持っている障害全てを、できるだけ確実にリストアップするための視点として考えられたのが、『最新メリットで立場が反流したら押し切れ』という言葉で覚えられる六つの視点なのですが、この説明は、後に回します。
さて、 「H」のステップで障害がリストアップされますと、その障害を除去または、解除する行動(ACTION )を起こさねばなりません。
それが 「A」のステップです。どのような行動を起こせば良いかについても、実は先の六つの視点が役に立っことになります。
六つの視点に従って考えられた説得行動を起こしますと、相手がなんらかの反応(REACTION)を示すはずです。
この反応の中身を冷静に観察するのが 「R」のステップです。
この観察によって、新しい「H」即ち、障害が見えてくるかも知れません。
その時は、再び 「A」に帰り、新しい障害を除去または、解除するための説得行動を起こさねばなりません。
そして再び「P」のステップに進み、相手の反応を観察します。その反応が、好転しており、機が熟したようであれば、そこで 『P』 ( PUSH)のステップへ進みます。一気に説得してしまうべくプッシュするのであります。
小林忠嗣(著) 『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』
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最初から、説得相手の障害が全部引き出せるわけではありません。
相手と会話をしながら、相手の意図を聞き出したり、「なにがあれば応じてくれるのか」を引き出していき、それを加えながら、最終的な合意に持っていくわけですね。
そのためには、何度かの打ち合わせも必要でしょうし、一度の打ち合わせの中でもこういう、押したり引いたりが必要です。つまり、何重にも輪になった HARP があるようなイメージ。
こういうストーリーが立てられるのは、経験と知識の両方必要かもですね。
■参考図書 『知的生産性向上システムDIPS(ディップス)』
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●本書を引用した記事
自分の集中できる時間は限りがある
集中と弛緩を制御する(マックスIIの原則)
説得のための6つのポイント
HARPの法則で、説得の波を作る
●このテーマの関連図書