「仕事に役立つと思っているのになかなか覚えられなくて…」
たとえば、以前の私なら経営上の用語や略語、ROI, ROE, キャピタル・ゲイン, 401k, 経常利益, 純利益,利益率, ROA みたいな用語はすごく不得意でした。何度聞いても、やっぱり、「経常利益が〜」と言われると、「え〜っと、経常利益って、営業利益と営業外損益の合計で…」とか考えないと理解できない。
いまでも得意とは言えませんが、それなりに意味は覚えましたし、自分でも使うようになりました。
■必要ないことは覚えない
脳科学の話になるかもしれませんが、人間は自分に必要のないことは覚えないそうです。
つまり、すごく単純化していうと、あることをちゃんと覚えられないのは、本当に必要だと思わないからだそうです。
★P13〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
私たちは、自分で覚えたい事柄しか覚えられません。
なんでもかんでも、頭にとどめておくことはできないのです。
あなたが以前から気にしている異性がいるとしましょう。あなたは、偶然、その人の電話番号をちらっと盗み見るチャンスがありました。ほんの一瞬です。ですが、あなたは絶対にその番号を忘れないでしょう。
というのも、あなた自身が、その番号を「覚えたい」と思っているからです。
記憶力を高めるための、手っ取り早い方法は、「覚えたい」という動機づけをはっきりさせること。どうして「覚えたい」と願うのか。その意図を明確にすればするほど、あなたは確実に記憶を成功させることができます。
だって、自分が覚えたいんですから。
やみくもに記憶をスタートしてもダメです。本人が、本気になって「記憶したいなあ」と思わなければ、いつまでも記憶することはできません。当たり前のことだと思われるかもしれませんが、中途半端に記憶術をやろうとして、いつも失敗している人には、この視点が欠けています。
「覚えたいな」と本人が思ったことは、絶対に忘れません。
頭がよいからではなく、本人が覚えていたいからこそ、忘れられなくなるのです。
私は、人よりも記憶力があるほうだと思っていますが、普通の男性が興味を持っていることの多い、自動車とかバイクの名前をほとんど挙げられません。というのも、それらにまったく興味がないので、覚えようとしたことがないからです。
車好きな友人が、あれこれと説明してくれることもありますが、私にはさっばり記憶できません。
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:(中略)
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かりに覚えられないことがあるとすれば、それは「頭が悪い」からでなく、自分自身が覚えたくないと思っているからです。
もしパソコンの使い方がいつまでも理解できないなら、それは頭が悪いからではなく、今のところ、パソコンを覚えようという気持ちがないだけだと思ってください。
伊藤真(著) 『記憶する技術』
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「必要だ」と思っても、「本当に必要だ」まで自分の意志が強くなるかと言われると、「知ってたほうがいい」ていどにしか思っていないかもしれません(私はそういう場合が多いです)。
■環境を作る
本書『記憶する技術』の通り、自分の本気度が記憶に直接的な影響を与えているとはおもいますが、もうひとつ、必要な物が環境だと考えます。
つまり、一度頭に入れたことというのは、繰り返し出し入れしないと、脳が「重要な事だ」と認識しないそうです。
だから、覚えたことを使わざるを得ない状況に自分を追い込むことです。
ここも結局は「ほんとうに必要だ」という本気度に依存するかも知れません。
今まで覚えてないということは、使う状況になかったからです。その状況を無理やり作ろうとするのですから、やっぱり本気にならないとやれません。
たとえば、本書『記憶する技術』にあるように、「パソコンに詳しくなれない」なら、同僚のパソコンの管理担当者に手を上げてみる。
「パソコントラブルなら自分に聞いてください」
と宣言して、トラブルを解決しようとすれば、嫌でも覚えざるを得ません。手間もかかるでしょうし、それだけ業務効率が悪くなるかもしれません。それでもやろうとするところが「本気度」なんですね。
■覚えるためのテクニックを覚える
とは言え、覚えるためのテクニックもあります。
「気持ち」だけでは結果は出ません。
本書『記憶する技術』では、
・内言語法
・分解法
・意味付け
・関連付け
・パターン学習
・20秒集中法
・動作連動法
・イメージ記憶
・赤ペン大文字法
などの方法が記載されています(名称は私が勝手に名づけているものもあります)。
どれも、記憶対象にもよりますが、私にはいままで効果があった方法です。
覚えるためのテクニックというのは、どんな分野にも応用が効く、とても便利なポータブルスキルです。
■参考図書 『記憶する技術』
立ち読み可 | 記憶力は、一生、鍛えることができる。 司法試験界の「カリスマ塾長」として知られる、「伊藤塾」塾長の伊藤真氏は、こう断言する。 日本で最難関の試験といわれる司法試験に合格するためには、膨大な量の事柄を覚え、それを使いこなすことができなければならない。 60歳を過ぎてから勉強を始めて、合格する人もいる。 その人たちは特別なのかといえば、そんなことはない。 「記憶する技術」をもっているかどうかである。 それはたとえば、記憶を効果的に定着させたり呼び覚ましたりするためのコツや、記憶する対象に関心をもつといった意識のことである。 本書では、これまで多くの塾生を指導してきた中で、また著者自身が実践してきた、「記憶」を自由自在にコントロールする方法を伝授する。 |
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記憶する技術 著者 :伊藤真 | 楽天では見つかりませんでした | 記憶する技術 検索 :商品検索する |
●関連 Web
記憶力を養えばストレスフリーな生活が!伊藤真『記憶する技術』
『記憶する技術』天狼院書店
●本書を引用した記事
記憶術:赤のサインペンで書き写す
記憶術:応用を考え自分の現実に当てはめる
記憶術:凝視する
記憶術:周辺情報を追加する
記憶術:同じような問題を繰り返し考える
記憶術:休み休み、繰り返し
記憶術:意味付けをする
オフラインモードで内面刺激を受ける
記憶術:ガムを噛むと記憶力がよくなる
記憶術:バロック音楽をBGMにする
記憶術:ネットワークを作る
記憶術:イメージ記憶法で絵にする
記憶する技術:呼吸法を取り入れる
索引チェックリスト
記憶術:利き手を使わずに書く
記憶術:ブツブツ言う
読書の作業ステップ
PREP読書術
「覚えられない」は本当は必要としていない
●このテーマの関連図書
続ける力―仕事・勉強で成功する王道(幻冬舎新書)
考える訓練
夢をかなえる勉強法