仕事を効率的にこなすために、いろいろな手段があります。
たとえば、スキマ時間の活用。
効率を上げるために定期的に今の活動を見直すことは必要です。でも実際これをやっていると、大きな無駄を見落とすこともアリます。たとえば、「通勤」を見なおしたことはあるでしょうか?
サラリーマンにとっては「通勤時間」というのは、1日の時間と消費エネルギーの中で大きな割合を占めているのではないでしょうか。
でも、これを見なおしている人は案外少ないかも。
■やめる、かえる、へらす
トヨタの効率化の考えるポイントというを3つにまとめた標語として
やめる
かえる
へらす
があります。過去記事でも取り上げてますが、効率化のためには、この順番がすごく重要。
まずは「どうしたら無駄な作業をやめられるのか」を考えることが第1です。
では、通勤時間についていうと、移動すること自体には効果がありません。つまり、どんなにがんばって満員電車に乗ったとしても、何も成果を産んでないですね。効率とは、
(出した成果)÷(かけた時間)
なので、出した成果がゼロなら、どうやっても効率がよくなることはありません。
■ファンクショナル・アプローチ
ファンクショナル・アプローチという手法があります。
これは、あるもの(手段)を一旦抽象的な目的に分解し、その目的を別の手段に置き換えてしまおうと言う手法です。
キーワードは誰のために、何のために。
何かの効率化を考えるときに、名称は知らなくても、たぶんこれで考えています。
■通勤をファンクショナル・アプローチする
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世のビジネスマンの皆さんは、毎日満員電車に押し込められて通勤されています。
特に都会の通勤事情は大変で、朝から肉体と精神の修行をしているかのような「通勤」という重労働をこなされています。
まるで、一仕事を終えたかのような達成感を感じながら会社に着き、まずはコーヒーを飲んで一息つく人も多いのではないでしょうか。
企業によっては、時差出勤、フレックスタイム制度などを取り入れ、少しでも集中的な通勤を回避しようと工夫されているところもあります。
ビジネスマンは、通勤業務によるストレスから逃れるために、音楽を聴いたり、本を読んだり、ゲームをしたりして、気を紛らしているのではないでしょうか。
「なんのために通勤するのでしようか」
「もっと他に手段はないものでしようか」
あなたなら、どのように考えますか。「会社の規定だから」とか「みんなそうしているから」などと考えていないでしようか。
「何のために、 9 時に会社に行かなければならないのでしょうか」
「9 時に出社すると、どんないいことがあるのでしようか?」
横田尚哉(著) 『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』
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わりとこういう質問って答えられないですよね。
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私たちは、初めは疑問だったことも、改善できないと脳が判断してしまうと、だんだんと疑間を持たなくなってしまいます。
長年繰り返し行っている行動は、いずれ何の疑問も持たなくなってしまうのです。
これは決していけないことではありません。ある意味、生物学や心理学でいう順応のようなもので、その環境に適応しようとする、極めて正常な反応なのです。
でも、先ほどのような質間をされたときに、思い出すのです。そういえば、どうしてだろうと。
横田尚哉(著) 『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』
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■ファンクションで考えると案が出せる
本書『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』では、
・朝の挨拶をすることで同僚とのコミュニケーションをはかる
・会社にかかってくる電話を逃さずに処理する
・部下やスタッフと仕事の分担を決めたり、指示をする
・必要な情報にアクセスできる環境にする
・お互いに相手の顔色が見えるように集合する
・自宅でのリラックスモードから、仕事モードに気分を変える
のように分解しています。
他にもいろいろあるでしょうけど、今の IT 技術なら別の手段で解決できそうなものも少なくありませんね。もし全部解決できたら(代替手段があれば)通勤しなくて良くなるかも。
もちろん、通勤自体がなくなるわけではありませんが、最近だと自宅勤務という勤務形態も広がりつつあります。
こうした、「やめる」という方法を考えるときに、
ファンクション(機能)に分解する
というのは重要な手法です。
通勤という塊で「やめる」というのは難しいかもしれませんが、分解された機能を別のものに置き換えることができれば、同等の結果は得られるわけです。それを考えるための訓練として、
誰のために、何のために
という質問は非常に効果のある方法です。そして、その答えとして
「○○を△△する」
という文章で、目的語と動詞を明らかにすることで、それをより深掘りできると本書『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』には書かれています。
当たり前だと思っている作業を分解してみませんか。
劇的な方法が見つかる場合が、経験的にですが、結構あります。
■参考図書 『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』
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●関連 Web
ファンクショナル・アプローチとは-株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所
ファンクショナル・アプローチ もしも、福島を再生させるなら - PRESIDENT Online
「問題解決のためのファンクショナルアプローチ入門」-ビジネスブックマラソン
●本書を引用した記事
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効率を上げるために通勤を考える
マニュアル・ガイドライン・モットー2
●このテーマの関連図書
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