私は歴史モノ、とくに戦争ものの本が好きでよく読みます。
戦争自体は好きではありませんが、そこに展開される将兵や指導者の思考のプロセス、その結果としての戦略や戦術の展開を見ていくのが好きです。
■最強の戦闘方法は変遷する
かつて、カルタゴの強さを支えた方法のひとつに「戦象」という方法があります。象を戦闘に参加させることで圧倒的な大きさと力で相手を混乱に陥れて勝利するという方法です。
しかしこれはローマによって撃破され、やがてカルタゴは滅亡。ローマの密集戦闘が最強になりましたが、それも騎馬の機動力により最強が移り変わりました。
日本でも戦国最強を誇った武田軍団が鉄砲という武器によって崩壊し、巨城を構えても大砲という武器によって大阪城は陥落しました。
戦闘の専門家、武士は明治維新で農民兵に駆逐されました。
大艦巨砲による戦術展開は、航空機で無効にされました。
もちろん、戦闘方法だけが唯一の理由ではありませんし、時代や環境にも依存はしていますので、これほど単純化しても意味が無いかもしれませんが。
しかし、ある時まで絶対無敵と考えられていた方法が、やがて別の方法によって上書きされていくということは、現在最適という方法を知っていても、やがてはそれ自体が成果をうまなくなり、新しいやり方に変えていかなければならないということを考えさせてくれます。
「永遠に通用するやり方はない」ということですね。
同じように、ビジネスの世界でもキーワードは変わり続けてます。
■仕事術を上書きする
このブログを始めたころにやっていた仕事術もいろいろ変わってまして、古いやり方はやらなくなっているものも少なくありません。
たとえばメモの方法などは、ペンとメモ帳によるものから、スマホなどに変わってますし、最近はちょくちょくメモを書くのではなく録音するようなこともしています。ノートも OneNote や EverNote みたいに電子データ+クラウドになりました。
情報の分析も、Excel から Tableau というツールに変わりつつあります。
もちろん、過去のものが全て否定されるわけではなく、それを土台としてより効率のいい方法が提案され、それをつかうことでより大きな成果が出せるようになってきている、という感じですが。
「
これをやればうまくいく」
という方法は、ある一瞬では存在しますが、それは普遍ではなく一瞬のこと。
仕事のやり方だけでなく、仕事そのものも、数年前とまったく様変わりしたという人も多いのではないでしょうか。
そういう時に、過去にやっていた成功体験が邪魔をしたりしてませんか?
過去には正解であったものが、現在では全く通用しないことも多いと認識して、新しいやり方を模索し続けるということが必要なのかもしれませんね。
新しい仕事のやり方を仕入れ続ける、というのはこの辺鄙なブログにたどりついた方には、釈迦に説法かもしれませんが。
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