「その話知ってる」
「……だと思った」
「ああ、それそれ」
「そんなの普通じゃん」
「そりゃ、そうなるだろ」
「当たり前だろ」
人から話を聞いている時に、こんなセリフを言ったことがありませんか?
私は結構使ってしまいます。
まあ、本はいろいろ読んでますし、年齢相応に経験もあるので、同じ分野の人と話すときにはわりと既知の情報というのが多いんですよ。
ただ、これ逆に言われる立場になってみると、明確に意識しないまでも、ちょっと「なにコイツ」みたいに感じるかもしれません。
だって知っていたなら最初から言えばよかったし、結果論ならなんとでも言えるものです。
それを人の発言を奪うように後付で知識を披露するのは、その知識が活用できる状態になっていないわけです。
■「死に知識」「ゾンビ知識」
持って入るけど使えない知識や情報を「死に知識」と呼んでます。
そして、それを誰かが使った後に知ったかぶりするのがゾンビ知識。死んでるものを使うから「ゾンビ」です。
ちなみに私が勝手に命名しているだけなので、他でつかってもきっと通じません。
せっかく手に入れたものでも、しまいこんでしまって必要なときに取り出せない状態。これを「死蔵」といいます。知識でも同じことがいえます。
■ゾンビ知識は信頼をなくすだけ
人が提示した知識に対して、なんら新しい情報を加えることなく、トレースしたような知識を披露することは、された方は気分が悪いですし、それを見ている第三者からみても見苦しいだけです。特に地位がある人がこれをやると、一気にショボく見られます。
こうした行為は、した側は案外すぐに忘れますが、された側や見ていた人は、正確には覚えていなくても、信頼の低下という形で記憶されてしまいます。
相手がどんなに目下の人であっても、こういう行為はしないように注意しないといけません。
逆に知っていても使えなかった自分を振り返って反省し、自分の知らないことを知っているかもしれないと考えて、元の発言者に「もっと詳しく教えて」といえるようになりたいものですね。謙虚さは権威を損なうものではありませんから。
もし「ゾンビ知識」を使ってしまったら、今日の日誌にはバツをひとつつけておくようにしてます。
いつか、バツが1か月以上にわたってなくなりますように…(祈)。