発想法:連想の4法則




グループで何かを発想するときの方法として、ブレインストーミングや TRIZ 法、ブレインライティングなどいろいろありますが、その基本は連想です。

本書『発想フレームワーク55』では、この連想には4つの法則があると書かれています。




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ブレインストーミングやブレインライティングでも他の人のアイディアを聞いて、別のアイディアを連想することがとても大切です。

古代ギリシャ人はひとつの思考を他の思考へ導く能力、「連想」を大変重視したといいます。プラトンも、アリストテレスも人間の心理学の根本原理だと強調しました。

そして、連想には、「接近」「類似」「対極」「因果」の四つの法則があると言われています。

●第1法則……近接
「接近」はもともと近くにいたものを連想するというものです。
婦人用のハイヒールを見れば、それを履いている女性を想像したり、「北海道」と言われれて転勤で札幌に移り住んだ旧友のことを思い出したりするような連想です。

「これは誰のものか」「これの近くに何があるか」という質問に応えるのが接近です。

●第2法則……類似
「類似」は似ているものを発想するというものです。
類似はアナロジーとも呼ばれ、発想のフレームワークを活用する上で大変重要な手法のひとつです。

るいじにもさまざまなものがあり、形が似ている、色が似ているような類似もあれば、美しい女性から「白百合のような女性」を連想する直喩、どっちつかずの攻防が繰り広げられている時に「シーソーゲームのようだ」と想起するような隠喩も類似の仲間です。

類似は視覚からだけではありません。「におい」「音」から別の記憶がひらめくことがあります。

類似から別の記憶を引き出したい時には「これは何に似ているか」「これはあれと共通のどのような性質を持つか」「構成部分についてはどうか」という質問を設定します。

●第3法則……対極
「対極」は、類似とは逆に、対立するもの、反対のものを思い浮かべる連想方法です。

「コレは何と異なるか」「相違点は何か」「対立するものは何か」「逆はどうなるか」という質問に応えるものです。

都会的な人を見て、否かの両親を思い出したり、杜を散策している時に、浜辺をイメージしたりするような連想です。

「対極」は、類似とは逆ですが、類似と同じくらいアイディア発想には有効です。なぜなら、多くのイノベーションのアイディアは「スタイリッシュだが実用的」「高機能だがロープライス」など、対立する要素を高い次元で解消するものが多いからです。

「逆転の発想」と呼ばれるように、反対から考えることで以外な解決方法が見つかったり、思わぬ新事実を発見したりすることが良くあります。

●第4法則……因果
「因果」は、原因と想定される結果から連想する方法です。

アレックス・オズボーンは

 「古代ギリシャ人が連想の3法則を作ってから、1900年間に加えられた法則はただ一つしかない。それがヒュームの原因・結果の法則だ」

と述べています。

ヒュームは、「人間本性論」を書いたスコットランドの科学者です。
ヒュームは、人間の知覚は「印象」と「観念」の2種類しかなく、観念向上が結びついて「知覚」になると考えていました。

そして、この観念が観念を呼ぶ、いわゆる「連想」には、「類似」「時空間的近接」に加えて「因果関係」があると言ったのです。

永田豊志(著) 『発想フレームワーク55
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何かを発想するときに、手がかりもなく「う〜ん」と唸ってみてもいいアイディアなんて出てくるわけがありません。

こういう道具を使わないと手がかりも何もないところで、発想をしても時間のムダです。

連想は頭の柔らかい人ほど多く連想しやすいのですが、このような連想の法則を使うことで意図的に連想を活性化することができます。

いろいろな道具が開発されていますが、その基本として、この4法則はいつでも頭のなかから引き出せるようにしておきたいですね。








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