7つの習慣:社会通念という歪んだ鏡




巨人たちのお言葉シリーズをお送りします。

本日の巨人 : スティーブン・R・コヴィー
本日のお言葉: 社会通念という歪んだ鏡に惑わされてはいけない
お言葉の出典: 7つの習慣

「美人だ」「デキる人だ」みたいな曖昧な判断基準というのは、実際、時代や環境によって変わります。
こういうのに振られてはいけない、ということをスティーブン・R・コヴィーは著書『7つの習慣』で以下のように述べています。




★P80〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

私たちを取り巻く社会の通念、人々の意見や考え、あるいはパラタイムを総称して、社会の鏡と呼んでいる。

多くの人は、自分自身に対するパラダイムや考え方をこの社会の鏡から得ている。

しかし、それは遊園地にあるよくある奇妙な鏡の部屋に映っている姿と同じようなものである。

 「あなたはいつも時間に遅れて来る」
 「なぜおまえの部屋はいつも乱れているんだい」
 「芸術的なセンスがあるね」
 「本当によく食べるよね」
 「あなたが勝ったなんて、信じられない」
 「どうしてこんな簡単なことも理解できないのか」

これらの発言は、私たちの本当の姿や可能性を映し出すものではない。

これらは、発言した人のバラダイムや人格のレべルを投映しているだけである。

現代社会では、一般的に人は、条件づけや環境によって決定づけられると言われている。

生活の中で条件づけが極めて大きな影響力を持つことは当然のこととして認めるが、それによって私たちが決定づけられている、あるいは、その条件づけからの影響を全くコントロールできないとなると、それは全く違う話になってしまう。

しかながら、人はそのように決定づけられているとする3つのパラダイム(3種類の決定論)が広く浸透しており、これらは個別に、あるいは組み合わせて人間の性質や行動を説明するために使われている。

ひとつは遺伝子的決定論である。

その基本的な主張は、「おじいさんとおばあさんから受け継いだ血のせいだ」ということである。

短気な家系であり、それが自分の遣伝子に組み込まれている。だから自分は短気だわ。
これは幾世代にもわたっており、受け継がれた気質で、そういう気質なのだということである。

2つめは心理学的決定論である。
その基木的な主張は、「両親の育て方のせいだ」ということである。

育ちや幼児体験が性格や人格をつくり出しているとりつものだ。

傷つきやすく、繊細で、親の影響を受けやすい幼児期に手にれた脚本づけを心の奥底に覚えているので、間違いを犯すと、とても恥ずかしく感じる。

だから、大勢の前でしゃべるのは苦手だ。

また、親の期待に応えられなかったときの罰・拒絶・他人との比較をどこかで覚えているから、それが自分の行動を決定づけているということである。

3つめは、環境的決定論である。
その基本的な主張は、「自分の上司、妻、子供、経済、国政の方針のせいだ」というものだ。

自分を取り巻く環境の中の何かが、あるいは誰かが、今の自分の状況をつくり出す貴任を持っているとするものである。

これらの理論は、パブロフの大の実験に起因する刺激と反応のモデルに基づいている。

その埋論を簡単に言えば、私たちは、ある特定の刺激に刻して特定の反応をするように条件づけられるということである。

しかし、これらの決定論的なパラダイムは、どれだけ正確に機能的に人間の本質を描いているだろうか。それらは単なる自己達成予言になっていないだろうか?

つまり、私たちは、そうだと信じているから、そうなってしまっているということはないだろうか。

決定論というパラダイムは人間の本当の可能性を可能性を支える正しい原則と一致しているだろうか。

スティーブン・R・コヴィー(著) 『7つの習慣
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世界的には珍しいそうですが、日本人が信じる「血液型性格判断」というのも同じようなものかもしれません。

「では、どうすればいいか」という話は次回ご紹介しますが、まず、いま自分が考えていること、やろうと思っていること、正しいと思っていることは、本書『7つの習慣』でいう、3つのパラダイムに当てはまるのかもしれない、と疑ってみることが必要なのかもしれません。




■殺人は正当化できるか?


私が高校時代に、先生からこんな質問を投げつけられたことがあります。

 「人を殺すべきか否か?」

初めはクラス全員「否」でした。まあ、その後の議論は省略。

引用した最後の一文、

 「あなたの考えは、あなたのの本当の可能性を可能性を支える正しい原則と一致しているだろうか」

と置き換えてみると、ちょっと考えるヒントになるかもしれません。
そこの鏡に映っている自分の姿がゆがんで見えたとしたら、自分が歪んでいるか、鏡が歪んでいるかでしょうかね。




■参考図書 『7つの習慣




全世界3000万部(40カ国語に翻訳)以上の発行部数を誇る、自己啓発書の原典。
著者スティーブン・R・コヴィー博士は、英「エコノミスト」誌によって「世界でもっとも影響力のあるビジネス思想家」として紹介されるなど不動の評価を得ている。

本書では人が真の成功を達成し、永続的な幸福を手に入れるには「原則」に基づいたアプ口ーチが重要であるとし、「私的成功」から「公的成功」へと至るための「7つの習慣」として、
 第一の習慣:主体性を発揮する
 第ニの習慣:目的を持って始める
 第三の習慣:重要事項を優先する
 第四の習慣:Win-Win を考える
 第五の習慣:理解してから理解される
 第六の習慣:相乗効果を発揮する
 第七の習慣:刃を研ぐ
を説いている。








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著者 :スティーブン・R・コヴィー

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●本書を引用した記事
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 記憶術:視点を変えて繰り返す
 一瞬で相手を落とす! コールドリーディング入門(要約)
 一瞬で相手を落とす! コールドリーディング入門
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 新しいシステムには一番協力してほしい人の名前を入れる
 人を動かす:相手の話を聞くときには手を止めなさい
 海外出張に行くときは、その国の言葉で挨拶をしなさい
 プチ座禅をしてみる
 人を理解するなら修飾語に注目する


●関連図書
 
完訳 7つの習慣 人格主義の回復
 
まんがでわかる7つの習慣
 
7つの習慣 演習ノート―ビジネス、プライベート、家庭で、効果的な人生を送るための 成功への原則がよくわかる!
●このテーマの関連図書


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