言い訳の境界は上司が決める





何かの仕事をしていれば、大なり小なり失敗をします。何かの格言ではありませんが、行動をするから失敗があるのであって、何も行動しない人は失敗もできません。

つまり、仕事をする以上は失敗を覚悟しないと行けないわけです。
問題はそれをどうリカバーするか、どのように自分の将来に活かすかということですかね。




■失敗の言い訳


失敗すれば、当然上司から「どうしてそんな失敗したんだ?」と詰問(?)されます。

上司としては、怒っている場合と、振り返ってもらって次に活かしてもらいたい場合の2通りあるのですが、この時の対応として

 ・ひたすら謝る
 ・言い訳する
 ・できなかった原因を答える
 ・話をそらす

という選択肢がありますよね。あなたならどうするでしょうか。

■謝ると話は途切れる


この選択肢の中で、「謝る」と「話をそらす」は別格。

「謝る」というのは、上司としては失敗に対して議論が前に進みません。

 上司:なんでそんな失敗をしたんだ?
 部下:大変申し訳ありません。
 上司:大事なことだからやっておけといっただろうが。
 部下:大変申し訳ありません。
 上司:今後どうしようと思うんだ?
 部下:大変申し訳ありません。

このあたりで、上司の発言は打ち止め。後は上司がネチネチ小言を言うくらいでしょう。会話以前。




■「言い訳」か否か


「言い訳する」「できなかった原因を答える」は、境目が難しいです。このどちらも「なぜ」と聞かれて、「なぜなら」と答えているからです。事実としてはどちらも変わりがない。

 上司:どうしてそんな失敗をしたんだ?
 部下:お客様に説明をしたのですが、お客様が理解してくれませんでした。

この場合、「原因はお客様にある」と言っています。

お客様とトラブルになったとしたら、どちらか、あるいは双方に原因があるので、事実としては、原因のひとつでしょう。
そう理解してもあながち間違いとはいえません。

でも、もしあなたの部下や後輩がこう答えたら、「下手な言い訳をすんな!」と言ってしまうかも、ですね。多分私も。

つまり、「言い訳」か、「分析した原因」かの境界線は上司がその場の感覚で決めているのですよ。明確な判断基準がない上に、その判断した人の個人的裁量によって決められています。
そして、さらに重要なことは、その境界線に対しては部下には反論の余地が無い、ということ。だって、他人の判断基準ですもの。

上司に「言い訳するな!」と言われて、「いいえ、これは言い訳ではなく、正しい分析です」と言い切れる部下は多分いないでしょう。

■上司の感覚合わせる


部下として「言い訳」をするときには、上司の感覚的な判断基準を超えるように言い訳しないといけません。
これは普段から探りを入れておくのがいいのですが、少なくとも、この事例のような「他責」で、その基準を超えることは難しいでしょう。

だからといって、「私の責任ですので、辞職させていただきます」とも言えないので、事前にしっかり考えておく必要があります。
かつて私が使った言い訳は、サラヒン〜サラリーマンの仕事のヒントでご紹介してますので、ここでは省略。
※相変わらず、不親切な…

■思考停止を招かない


逆に、上司・先輩としてなら、「言い訳」という反論(決めつけ)はしないほうがいいです。

自分にとっては、その判断が正しいことに思えても、失敗した当人にとっては、反論の余地のない圧迫にしか聞こえないからです。それをやられると、相手(部下・後輩)は思考停止に陥ります。

「言い訳」をするということは、部下は何らか考えて、その理由(質問への回答)をしたわけです。
何も考えず、「ひたすら謝る」だけの部下と比べると、「プレッシャーがある場面で考える力はある」わけです。

私は、その考える力は、方向さえ間違わなければ、成功に結びつくようになります。
こういう部下は成長させることができるものだと考えて対応をするようにしてます。



■同じテーマの記事

スピード段取り術2

先週紹介しました「スピード段取り術」の要約の続きです。書いてある事自体は、「すごい!」というネタではありませんが、なにか問題にぶつかっていて、どうやって自分の時間を確保しようとか、どういう習慣作りをしたらいいだろう、と悩んでいる時に、「あ、な〜るほど」と思えるヒントが満載の本です。是非時々読み返して見るために、手元においておきたい本の1冊です。これは、紹介したい内容がいっぱいあって、色々書いていたら、恐ろしくたくさん書きだしてしまいました。あまりにも長いので、ちょっと..

確証のワナ

「確証のワナ」というのは、以下の本に紹介されている言い回しです。わたしたちはみんな、世の中の流れや自分の将来、今後の経済の状況、投資先の発展、仕事の成功など、あらゆることを推測しなければならない環境に置かれている。予想せずに生活することはできない。だが、その予想があいまいであればあるほど、「確証のワナ」の影響を強く受ける。「人間はもっとも優れた生物だ」と考えて..

叱られ方7則

叱られ方の上手・下手仕事だけではなく、叱られた経験のない人は居ないでしょう。特に仕事上で何か問題があって、上司から厳しく叱られると言うのは、若い人にかぎらず、自分の成長のチャンスがやってきたと捉えるようにしてます。ただ、過去に自分が叱ったり、叱られたりした時に、上手な人(うまく受け止めて、自分の糧に出来る人)と、下手な人(叱った側、叱られたがわ双方にしこりを残すひと)がいることに気が付きました。私が勝手に叱られ方7則と呼んでいる、正しい叱られ方を紹介します。..

会社で生きることを決めた君へ_4

久しぶりにビジネス書のご紹介。『会社で生きることを決めた君へ』結構有名になった本なのでご存じの方も多いかと。相変わらず長文のコメントなので、また複数回に分けてご紹介します。本日は、要約(というには長文ですが)をお送りします。::と書いてみましたが、長すぎるので、要約を3回にわたって分割してお送りします。本日はその第3回目。要約の最後の部分をお送りします。言葉を磨く私たちは言葉を用いて、日々思考している。コミュ..

仕事効率を上げる基本ルール

仕事の効率を上げる基本ルール過去記事で、仕事を早く終わらせるためのヒントを幾つか書いてきましたが、これらに基本ルールがあります。本日はちょっと抽象的ですが、この基本ルールをご紹介します。今やっていることに集中するもし、何か気が散る要素があったら、一旦今やっていることを中断し、気になったことをリマインダに書き写しておく。書いたらすぐに元の作業に戻る期限を設ける1つのToDo(アクション)であれば「1時間で終わろう」。タスクであれば「今日中に終わろう..

自分を変える教室1

本日はビジネス書のご紹介。有名な本なのですでに読んだ方も多いのではないでしょうか。本書は「ちょっとモチベーションが下がっている」と感じた時に目次を眺めて、気になる所読んでみたりしてます。そうすると「うん、そうだよな」と思ってちょっとだけやる気が復活してきます。つまり、1回だけ読んで「ふ〜ん。ちょっとお勉強になった」と満足に浸るような種類のビジネス書ではなく、時々読み返してみて、「今自分がぶつかっている問題はこういうことなんだ」と..




posted by 管理人 at 05:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | キャリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック