大抵の人間には、「否定的な反応をしてしまう言葉」というのがあります。
たとえば私なら、「検討します」「考えておきます」という言葉。本来は、「ゴールをプロセスを明確にする」ということが目的で、こういう言葉に引っかかっていたのですが、いまでは、「その言葉は使用禁止!」としちゃってます。
あなたの上司が嫌いな言葉というのはありますでしょうか?
多分あるはずです。それが強く表に出る人と出ない人がいるだけだと思ってます。
私の上司は、(具体的な言葉ではありませんが)、「数字にならない目標」にはかなり激しく反応します。
ところが、それがわかっているだろうに、そういう発言をする人がいるんですよね。
「あんなこと言ったら、ダメって言われるのわかってるだろうに…」「もうちょっといい方を工夫すれば…」と内心思いながら聞いてたりしますが…
※「助けてあげろよ」と言われるかもしれませんが…
■信頼されるようになる
上司と部下には大体5段階の関係があります。
レベル1:否定:やることなすこと気に入らない
レベル2:疑問:何をするにしても、とっても心配。
レベル3:普通:肯定的でも否定的でもない
レベル4:肯定:まあそここそ信用してる。時々不安になる
レベル5:信頼:まあほっておいても大丈夫だろう
だいたい、人数比で 1:2:5:2:1 くらいの比率でしょうか。2:6:2 くらいの感じかも。
一番ありがたいのが、「レベル5:信頼」されている人。
この人は、たいてい上司に対して気軽に話しかけますが、首記のような、「言葉遣い」にはすごく慎重に対応してます(見た目にはわからないかもしれませんが)。上司が悪いイメージを抱く言葉を一切言いません。これを使うと上司が否定的な反応をしてしまうことがわかっているから。
一番下の「レベル1:否定」の人はその逆ですね。
たとえ、結果をちゃんと出していても、人事評価になると「あいつはな〜。結果はそこそこいいんだけどな…」みたいに、高い評価を付けたがりません。
その否定的評価の根っこは上司に迎合していないことなのかもしれません。
「迎合」とは言葉が悪いですが、基本的には、上司のいやがることをちゃんと判断して、オブラートに包むか、上司から見えなくすることです。自分のやりたいことをやるのかやらないのかではなく、「どう表現するか」だけの場合が少なくありません。
こうしたことの繰り返しが上司からの信頼につながる、とおもってたりします。
会社という組織が、上司の評価によって、その人の価値を測っている以上、上司の評価基準を満たさないかぎり、高い評価は得られようがありませんね。もちろん、恣意の入り込む余地のないほどすごい結果が出せるのなら別なのかもしれませんが。
上司の評価基準の基本は、普段の上司の見えるところでの言動です。
■否定的な言葉を言い換えて報告する
上司の嫌いな言葉や表現方法がわかったら、それを別の言葉に置き換えます。
特にこれが発揮できるのは、上司への報告です。多分、上司と話す機会は雑談は別にすれば、これが一番多いでしょう。
そこそこの頻度で、進捗状態を報告していれば、上司は、「仕事してるな」と安心します。
ただし、仕事の状況は「上司が否定的なイメージを持たない言葉で書かれている」ことが重要。上司が読んだ時に否定的なイメージを持ってしまうと、上司は注意深く読むようになります。とくに過去にそういう実績のある人。
注意深く読まれると、いろいろアラもありますので、そこを突っ込まれます。
一度突っ込み始めると、その人の行動が気になるようになります。
これでレベルは1ランクダウン。探す気になれば、問題なんていくらでも見つかりますから。
「レベル5:信頼」のレベルにある人は「先日の進捗メールにも書きました、××の件ですが…」と言われれば、ほんの一言だけしか書いてなくても、「おお、そうだったな。それでいいよ、進めてくれ」という反応になります(心中は「しまった。書いてあったっけ?」でも)。
これが下位レベルのひとだと、「そんな大事なことメールじゃダメだろう。詳しく報告しなさい」という反応になって、いろいろ茶々を入れられて、「もう一度やり直し!」。
で、結局、上司の承認を得るのに時間を取られてしまって、結果が出るのが遅くなると、上司は「アイツは仕事が遅い!」と思っちゃうわけ。悪循環ですね。
言葉や表現方法は、たかが言葉、たかが表現方法なのであって、本質ではないのすが…。
サラリーマンの仕事ができる、できないの差は、こういうところから出発しているのかもしれません。