課題について、その原因や対策をいろいろ考えてみるけど、いい策が浮かばない、考えがまとまらない、みたいなときに、課題を10歩くらい下がってみると、「なんだそんなことだったんだ」と思えるようなものが見えてくることがあります。
ちょっと煮詰まってきたら、こう考えるようにしています
ものごとは自分が考える以上にシンプルだ
■ゴールドラット博士の「ものごとはシンプルだ」
★P59〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
私たちは、ある事柄について、その存在の理由を求める時、たいていはひとつだけでなく、二つ、三つと複数の答えを見つける。あるいは、複数の要素を含んだ答えを見つける。
しかし、もし五歳の子供のように質問を続けていったら、どうなるだろう。
どうして、どうしてと、答えのそのまた理由を求める。
そんなふうに質問をどんどん続けていったら、疑問はますます増えていく。
つまり「なぜ」「どうして」を繰り返すと、ものごとはどんどん複雑になっていく
そう直感的に、人は思うんだよ。
しかし、ニュートンが言っているのは、その反対だ。ものごとは収東していと言うんだ。
深く掘り下げれば掘り下げるほど、共通の原因が現われてくる。十分深く掘り下げると、根底にはすべてに共通した少数の原因、根本的な原因しか存在していない。
原因と結果の関係を通して、これらの根本的な原因がシステム全休を支配しているというんだ。
つまり「どうして」「なぜ」を繰り返すことは、ものごとを複雑にするどころか、逆にすばらしくシンプルにしてくれると彼は言っているんだよ。
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「この自然界の事象はすべて収東する」その直感と確信がニュートンにはあったんだ。
彼が研究していた分野だけじゃない。自然界のあらゆる分野もそうだという直感と確信が、彼にはあったんだ。
いいかい、現実というものは、すばらしいまでのシンプルさの上に成り立っているんだよ。
※管理人の都合のいいように抜粋しています。
エリヤフ・ゴールドラット(著) 『ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!』
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つまり、あらゆる物事は、どんどん突き詰めていくと、たったひとつの原因にたどり着く。それがいろんな姿になって見えるから、いろんな問題があるように見えるけど、実際はたった一つの単純な法則から成り立っていると。
物理で言えば、いろんな物質がありますが、どんどん分解していくと、電子と陽子になっちゃう、みたいな。
■それは『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』から始まった
この考え方は、『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』で示されている TOC の思考プロセスで象徴的に表されています。現状問題構造ツリー
というやつは、いろんな問題の原因を探っていくと、1つないしは2つの根本原因にたどり着く、とその本には書かれています。
私もこの考え方に従って、いろいろな問題を構造ツリーで表現してきて、根本原因と対策をプレゼンしたりしてきましたし、それで実際にうまく行ったことも多いです。
でも、やっぱり時には「やたら複雑に見える問題」というものに出会って、にっちもさっちも行かなくなることもあります。
そういう時は、
これは自分の考えが足らないせいで複雑に見えてるんだ。ものごとは自分が考える以上にシンプルだ
と自分に言い聞かせて、ツリー図を書いたり、システム図をかいたりしていろいろな分析手法をつかって、本質を見るように努力しています(報われない時も少なく無いですが)
■なぜなぜ分析は使えない?
「なぜなぜ分析」をやったことがある方も多いと思います。これを原因の原因の…と掘り下げていくと、そこにはいろいろな原因が出てきて、検討を始めるとひとつの問題に対して 10 項目も 20 項目も原因があって、それをすべてコツコツと対策してくことを求められます。
直感的に言うと、この「なぜなぜ分析」はTOCの全く逆で、問題をたくさんの原因に起因させます。
なぜこうも結論の違う仕組みが、ともに重要な手法として世の中に受け入れられているのか、不思議だったりします。
これは、素人ながら、「あるひとつの問題から出発して深掘りする」か「複数の問題の共通原因を探す」かというアプローチの違いにあるのではないかと思います。小さな改善を積み重ねていくような方法が必要なときは「なぜなぜ分析」。全体の問題の中から、より効果の高い問題を抽出するのがTOCなのかと考えて使い分けています。
※もし、間違っているようでしたら、ご指摘を。
ですので、なぜなぜ分析もTOC思考プロセスも適材適所で、ゴールドラット博士のいわれるような、すべての現象がシンプルに表されるものではありませんが、少なくとも、プロセスの改革をする上では、この思考プロセスの方法論は、非常に強力なツールであることは異論ありません。
もし、知らない、まだうまく使えないと思われる方は、勉強してみてください。一生もののツールになるかもしれません。
■シンプルだから実行できる
シンプルな答えというのは、多くの人が記憶しやすいです。説得力も出しやすいです。「××は○○です。だから△△をやりましょう!」
に対して、
「××は★★において、☆☆であり、その時には▽▽をすることが必要になります。ただし、▼▼の場合には●●の対応を追加する必要があり、さらに▲▲の場合には、◎◎も必要になります」
なんていうのは、資料でも読みながら出ないと言えません。それを実際に演る人も、そんな複雑なことが実行できる訳ありません。
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物事をむずかしく考える人は、大勢います。
「むずかしいことを考える」のではなく、わざわざ「むずかしく」考えて物事を複雑化させていく、というタイプの人たちです。
こんなことをしていては袋小路に陥るだけで、まったくの逆効果になってしまいます。
そもそも、考えるという行為は物事を複雑化させるためにあるのではありません。
物事を単純化していくため、われわれは考えるのです。
この出発点がわかっていないと、いつまでも無駄な時間と労力を支払い続けることになります。
本田直之(著) 『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』
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考えるのも手間だし、行動にもつながらないやり方は、避けたいですね。
■参考図書 『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』
機械メーカーの工場長である主人公のアレックス・ロゴを中心に繰り広げられる工場の業務改善プロセスを主題にした小説。通常、アメリカでベストセラーとなったビジネス書は、すぐに日本語に翻訳されるものだが、本書は世界で250万部売れたにもかかわらず、17年もの間日本での出版だけが認められなかった。いわば「幻の名著」である。長引く経営の悪化、工場閉鎖までたった3か月の猶予期間、多忙な日々のなかないがしろにしてきた妻との離婚の危機…。アレックスは、あまりの危機的状況にすっかり意気消沈していた。その前に、モデルは著者と目される恩師、ジョナが現れ、彼にアドバイスを与える。工場を救うために業務改善に挑む登場人物の苦悩や目標達成の興奮が伝わってきて、ビジネスの醍醐味を感じさせるストーリーだ。
本書は小説ではあるが、その内容は恐ろしいほど実践的で、会計情報の正しい見方や落とし穴、「効率化」の陰に隠された諸問題を浮き彫りにする。魅力的なストーリーの中に複雑な業務改善のノウハウがわかりやすい形で盛り込まれており、ビジネスパーソンやマネジャー必読の内容である。
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●関連 Web
IT現場でも使える「TOC思考プロセス」 - ITpro
制約条件の理論−Wikipedia
●本書を引用した記事
時間つぶしの時間
遊び時間を作る
問題認識の手法4―現状分析2
アイディアのある人ない人
ものごとは考える以上にシンプルだ、と考える
発想法:制約条件の理論
ビジネス書名著目録(必須図書)
●関連図書
ザ・ゴール2
クリティカルチェーン
●このテーマの関連図書
ザ・ゴール2―思考プロセス
クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
チェンジ・ザ・ルール!
ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!
ザ・ゴールコミック版
ザ・クリスタルボール
■参考図書 『ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!』
複雑なソリューションなんて、うまくいくわけがない!明晰な思考を妨げる最大の障害は、人がものごとを複雑に考えすぎるっていうことだ。現実は複雑だと信じ込んでいる。だから、複雑な説明やソリューションを求めたがる。これは、とても厄介なことだ。
今日の企業は、高度に複雑化している。だが、複雑なシステムの中でも、本当に重要なことはいくつもない。「何が本当に重要か」を見極めることができれば、短期間に企業は著しいパフォーマンスの向上を成し遂げることができる。最新作『ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!』で、ゴールドラット博士は、娘のエフラットとの会話を通じ、「本来、ものごとはとてもシンプルである」という、彼の信念の根本的なあり方を説明することで、あらためて深遠な思考に基づいたアプローチを提唱している。
本当に重要なポイント、数少ないわずかなポイントを探し出し、それだけに努力を集中することでシステム全体に変化を起こすことができると主張する。その方法を学ぶことで、システムの中に存在する複雑な因果関係に対しても、シンプルなロジックを用いて最小限の努力で対応できるようになる。
収録されている事例
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●本書を引用した記事
時間つぶしの時間
遊び時間を作る
ものごとは考える以上にシンプルだ、と考える
●このテーマの関連図書
チェンジ・ザ・ルール!
クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
ザ・クリスタルボール
ザ・ゴール2―思考プロセス
ザ・キャッシュマシーン
エリヤフ・ゴールドラット何が、会社の目的を妨げるのか
■参考図書 『面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則』
ベストセラー、待望の文庫化!面倒くさいことは、ほうっておくと雪だるま式に増えていく。
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本書の内容
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●本書を引用した記事
捨てるって気持ちいい
バッグインバッグを利用する
わがままにスケジューリングする
書きやすいボールペンをたくさん用意する
変えられないものに執着しない
とにかく動き出すこと
カードは1枚づつ切りなさい
朝スッキリ起きられるコツ:自宅だけ窓際族になる
面倒くさがり屋の55の法則
ものごとは考える以上にシンプルだ、と考える
●このテーマの関連図書
なまけもののあなたがうまくいく57の法則(だいわ文庫)
7つの制約にしばられない生き方
思考をやわらかくする授業(Sanctuarybooks)
最少の時間と労力で最大の成果を出す「仕組み」仕事術
レバレッジ・リーディング
レバレッジ・シンキング無限大の成果を生み出す4つの自己投資術