魚の目―フローを見る力5:3つの力を活用する




前回の記事で、「魚の眼―フローの視点」を身につけるための「3つの力」について、簡単に説明してきました。

 ・作用と反作用
 ・慣性
 ・貯めと開放




この3つが掛け合わさって、殆どの出来事が起きてます。

今回は最後に、その3つの力をどう仕事に生かしていくかについて、ご紹介します。

■3つの流れを利用する


単に「魚の眼」をもっても、魚が川の流れを逆に出来ないように、自分のどうにもならないことがわかっても仕方がありません。

たとえば、「○○国が○○国を核攻撃しようとしている」なんてことが予測がついたとしても、その他大勢の私に同行できるものではありません。
※まあ、そんなことを知る情報網もないですけどね。

でも、会社や自分の部署のことなら、ちょっとは関係できるかもしれません。

つまり、未来に起きるであろう活動をピンポイントで特定はできないものの、「今後こうなっていくんだろうなあ」とわかれば、自分をそれに対して有利なポジションに持っていくことはできるのではないでしょうか。

たとえば、私の専門のIT関係で言えば、ちょっと長期的に見れば、今後は会社内に作られた様々な情報データを統合して、経営上に役立つデータを提供するような仕組みが必要になる、とか、データアナリスト・データサイエンティストみたいな技術が必要になることでしょう。

であれば、今から、データ分析の技術を勉強していくとか、データ分析基盤の構築を進言してみるとかすることで、自分の会社における存在感をアピールできるかもしれません。




■流れる先に自分置き石をする


「置き石」という言葉は、多分囲碁の用語だと思いますが、今は脈絡のない位置に石を置くことによって、将来そこが戦場になった時に、自分に有利にはたらくような事前の一手です。

流れを見ることができるようになったら、上記のデータサイエンティストみたいに、流れの先に自分のポジションを確保するような活動をすることが可能になります。

また、流れの方向を90度変えるなんてのは、イチ・サラリーマンでは難しいですが、ちょっとだけなら流れの方向は変えられます。ほんの0.5度程度、みたいに。そうすることで、ちょっとだけ自分に有利に働くような方向に帰ることができれば、会社でより活躍がしやすくなるでしょう。

流れが決まってから、後で追いかけていても、流れには追いつけません。
先回り、待ち伏せをしておくことが確実に流れを捕まえるための方策です。

超能力者じゃないので未来が確実に分かる方法はありませんが、右に流れていたものがいきなり左に流れることはないのと同様、ある程度の確率で予測は可能になります。

その予測に基づいて、ちょっとだけ自分の石をおいておく、それも、予測の外れる確率も考え合わせてあっちこっちに。そうすると、いつの間にか結構な立ち位置に自分を持っていくことができます。




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何が「好循環の人」と「悪循環の人」を分けるのか?
具体例を中心に、
きっちり現実問題に応用できるようになる本。

ビジネス、社会、組織、個人の成長や進化に役立つ究極の方法――。

それがシステム思考です。

こんな「どうして?」にため息をつく方々のための実践的処方箋。
 ・どうして努力が実らないのか?
 ・どうしてある解決策が別の新たな問題を生み出すのか?
 ・どうしてつい他人を責めてしまうのか?
 ・どうして人は思うように変わってくれないのか?
 ・どうしていつの間にか望まない状態に陥るのか?
 ・どうして部下が育たないのか?
 ・どうして「できる人」ほど伸びないのか?
 ・どうして「いい商品」なのに売れないのか?
 ・どうして景気に翻弄されるのか?
 ・どうして過当競争の泥仕合に陥るのか?
など。





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もっと使いこなす! 「システム思考」教本
著者 :枝廣淳子/小田理一郎
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●本書を引用した記事
 魚の目―フローを見る力5:3つの力を活用する
 魚の目―フローを見る力3:慣性の視点

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「学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる持続的成長の技術と…

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●本書を引用した記事
 年収1000万円の貧乏人、年収300万円のお金持ち
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 やりたいこと前編
 非常識な成功法則
 言ってはいけない言葉


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