魚の目―フローを見る力4:貯めと開放、3つの力を活用する





前回の記事で、「魚の眼―フローの視点」を身につけるためには、「3つの作用を見るといい」と書きました。

 ・作用と反作用
 ・慣性
 ・貯めと開放

この3つが掛け合わさって、殆どの出来事が起きてます。




前回まででは「作用と反作用」「慣性」について説明しましたので、今回は最後、「貯めと開放」についてお送りします。

■貯めと開放


これは、火山の爆発と同じ。

徐々に圧力が高まってきていて、ある時臨界点を超えると、大爆発をおこして、誰の目にも明らかになるのですが、それ以前には水面下でものごとが進んでいきますので、意外と知らない人が多い。

しかし、火山の爆発がある程度予測できるように、水面下で起きていることというのは、ある特別な兆候があります。

こういうのに気がつけるかどうかが、発生した問題をスムーズに解決できるかどうか、あるいは問題の発生事態をうまく回避できるかどうかにかかっています。

「作用と反作用」「慣性」は、発生した事象を観察するものだったので、ちょっと訓練すれば理解できるようになります。
しかし、「貯めと開放」は、貯めの時期の微妙な兆候を検出しないといけないので、かなり難易度は高いです。

アンテナが高い、情報集めが上手い人というのは、かならずこういう視点を持っています。




■貯めを発見するチカラをつける方法


私は過去、ある事象・事件に出会った時には、関係者からその伏線になった出来事をなるべく聞くようにしました。

まあ、要するに、過去の「貯めの兆候」をしらべて、「こういう兆候はこういう事件に繋がるんだ」というのを経験値として収集できたわけです。
ホントのところは、単に経緯を聞くのが面白かっただけですが。大層なことを意識して聞いていたわけではありません。

いずれにしろ、

 「あぁ、あの時の、あの発言は、この状況の伏線だったんだな」

とおもえるような出来事を経験することによって、次に小さな出来事をみて、次にどんなことが起きるのかがある程度予測できるようになり、それに対して備えをすることができるようになりました。

■ヒヤリハット


「ヒヤリハット」という言葉をご存知でしょうか。

 ヒヤリハット:Wikipedia

ハインリッヒの法則とも言われますね。

これも「小さな事故は大きな事故の前ぶれ」というやつのひとつで、「貯めと開放」のひとつかもしれません。
※ただし、ハインリッヒの法則には、「時系列」というフローはありません。ランダムです。

「ヒヤリハット」にあるように、実際には予測した出来事がおきる確率は高くはありません。
ただ、そう予測させるような小さな出来事がたくさんあるときには、確率は高くなると判断した方がいいですね。

■またまた次回に続く


ようやく、フローの視点を身につける3つの力について説明できましたので、次回はそれをどう活用しているかについて、ご紹介します。



■3つの流れを利用する


単に「魚の眼」をもっても、魚が川の流れを逆に出来ないように、自分のどうにもならないことがわかっても仕方がありません。

この「3つの流れ」を見つけて(会社は存続し続けているのだから、常にいろんな流れが置きてます)、それをちょっとだけ自分の都合のいいように変えてしまう。あるいは、囲碁のように、その流れが来るであろうポイントに、自分の石をおいておくことで、自分の立ち位置にとって都合のいい出来事を作り出すことができます。

ただ、超能力者じゃないので未来が確実に分かる方法はありませんが、右に流れていたものがいきなり左に流れることはないのと同様、ある程度の確率で予測は可能になります。

その予測に基づいて、ちょっとだけ自分の石をおいておく、それも、予測の外れる確率も考え合わせてあっちこっちに。そうすると、いつの間にか結構な立ち位置に自分を持っていくことができます。

今日はちょっと曖昧な内容ですみません。
あまり具体的に書くと、色々まずいので。




■参考図書 『全脳思考





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本書で著者が公開した新概念・新理論の例(一部)

 ・知的蟹工船
 ・アトラス世代
 ・指名検索 vs 比較検索
 ・CEOがCNOになる時代
 ・営業しなくても顧客が集まる新原則 ― SSC
 ・自己投影型消費
 ・出会いの深層背景
 ・創造的問題解決法「CPS」
 ・シナリオ思考
 ・スピーチの結晶
 ・エレベーターの原理
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●本書を引用した記事
 魚の目―フローを見る力3:慣性の視点
 魚の目―フローを見る力1:3つの力を理解する
 魚の目―フローを見る力4:貯めと開放、3つの力を活用する
 魚の目―フローを見る力2:作用と反作用の視点

●このテーマの関連図書


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