前回の記事で、「
魚の眼―フローの視点」を身につけるためには、「
3つの作用を見るといい」と書きました。
・作用と反作用 ・慣性 ・貯めと開放この3つが掛け合わさって、殆どの出来事が起きてます。
それぞれについて説明していきます。
■作用と反作用
中学だか高校だかで習う、物理の法則をそのまま借用しました。
これは、なにかをしよう(変えよう)とする力と、現状維持をしようとするちからの関係ですね。
たとえば、明治維新前夜、国のあり方を変えようとする力と、今の幕藩体制を維持しようとする力がぶつかって、内戦状態になりました。
殆どの歴史物語はこの2つの勢力の対立という形で描かれます。
会社の中でも同じことが起きます。
会社は人間の組織なので、いろんな考えをっ持った人がいます。それが似通っていたり、利害が一致したりするとグループが出来るわけですね。そのグループが離散集合を繰り返しながら、押したり引いたりを繰り返しています。
ただ、複数のグループの中で、一方が能動的に攻撃に出る場合があります。こういった時に摩擦が起きるのですが、基本的に多くの出来事はこの摩擦の一環です。
こういうのは物理の法則みたいに、直接目で見たり、測定できないのですごく厄介なのですが。
■攻撃側と反動側で分けて見る
人事異動にしても、それによってある種得をする人と損をする人がいるわけで、よくよく見てみると、ある出来事は、それ以前の出来事で損をしたグループの反撃(反作用)だったりするわけです。
こういうのがわかると、次にどんなことが起こるのかが予想しやすいです。
つまり、ある作用が働くと、反動として別の作用が働くことが予測できるわけです。
また、反作用を押さえるために、
作用の強化が行われることが予測できるわけです。
どちらがより強力に出るかは、それぞれのグループ力関係次第。
これがわかるようになるためには、ある出来事があったら、それを起こした人のメリットと、それを
起こされたことにより不利益を被った人を観察するといいです。
起こした人のグループは、その作用をより拡大しようと動きをします。
不利益を被った人のグループの人は、それを元に戻そうと動きます。
自分がどちらに与しているのかにもよりますが、たいていは「起こした側」の勝ちになることが多いですね(経験値)。
ただし、この見方では、最初の動きは発見できません。何かの動きがあった時に、次に起きること(または起きたこと)の相関関係がわかるだけなのですが、これが最も理解しやすい
フローの視点です。
●また、次回に続く
神田昌典、7年ぶりの書き下ろし本格ビジネス書!
多大な影響をビジネスに与えてきた経営コンサルタントの、10年間が凝縮された思考テクニックを遂に公開!
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500ページ近くもの大作でありながら、ページを捲るごとに・・・、脳からウロコが落ちる、快感の連続。
本書で扱っている「全脳思考モデル」は、本当にシンプルでありながら、ロジカル思考の限界を突破する発想が、特別なトレーニングをしなくても誰でも、生み出せるようになる。知識創造が決め手になるこれからの時代において、必須の方法論になるだろう。
本書で著者が公開した新概念・新理論の例(一部)
・知的蟹工船
・アトラス世代
・指名検索 vs 比較検索
・CEOがCNOになる時代
・営業しなくても顧客が集まる新原則 ― SSC
・自己投影型消費
・出会いの深層背景
・創造的問題解決法「CPS」
・シナリオ思考
・スピーチの結晶
・エレベーターの原理
・マネジメントの桃太郎理論・・・等々、多数。
●本書を引用した記事
ももたろう理論
魚の目―フローを見る力4:貯めと開放、3つの力を活用する
魚の目―フローを見る力3:慣性の視点
魚の目―フローを見る力2:作用と反作用の視点
魚の目―フローを見る力1:3つの力を理解する
●このテーマの関連図書
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