この4月から管理職に昇進された方もいらっしゃると思います。
おめでとうございます。
管理職でなくともそういう業務をされている方も見えるかと思いますが、本日は予算の管理について、私が心がけていること。
■管理すること
まず「管理する」ということはどういうことかについて考えてみたいと思います。
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・ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。「品質を―する」「健康―」「―教育」
・事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと。「―の行き届いたマンション」「生産―」
・法律上、財産や施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用・改良などをはかること。
出典:Goo辞書 http://dictionary.goo.ne.jp/jn/49936/meaning/m0u/
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まあいわゆる「管理職」と言われるだけに「ある規準などから外れないよう、全体を統制すること」あたりがしっくり来ますね。
問題は「ある基準」というやつ。
だいたい1年のはじめには、計画が立てられます(立てさせられます)。
で、その計画にそって仕事を進めていくわけですが、予算もその仕事の計画にそって消費していくことが管理職には求められます。
ところが、昨今の不透明な時代だけでなくとも、予定外のことは必ず発生します。
それがいつ起きるかわからないだけで、予定外のことが予定通り起きるわけ。
年初に立てた予算は、前年年末に「来年はこれだけ必要です」と申請したものに対して、「予算削減」という名目で、一律10%削減。単に数字上の予算の削減がされてしまうなら「ある基準」なんてもはや無関係。
どうしろっちゅうんじゃ!
■予定り通りには行かない
現実に「全体を統制する」というのは、自分の力の及ぶ範囲ならまだしも、力の及ばない範囲を統制するのは不可能。
しかしながら、管理職になると、「外部要因でもっとお金が必要になりました」等と言っても、「お前の管理能力の問題だ!」と言われてしまいます。まあ、世の中いろいろ世知辛いですから…。
たとえば、自分の部下からでも予定外のことが起きます。
年度の途中で「○○をやると▲▲の効果がありそうですが、ちょっとお金が必要です」みたいに提案を受けることがあります。
「そんな予定もないし、予算もない!」
と突っぱねてしまえば簡単なのですが、そんなことばかりやっていたら、部下のモチベーションは下がりまくり。
上司としては、せっかくのアイディアなのでなんとか採用してやりたいと思うのが人情ですね。
でも、人情とお金は交換不可。
所詮、予算にしろ計画にしろ、予定は予定でしかなく、現実とは異なるものですし、予定通り行くなら倒産する会社もありません。失敗する人もいない。
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部下から「こんなことを一生懸命やりたいと思うんですけれども、どうしましょうか」という相談を受けた時に、管理職としてどうするか、ここが管理職の力量の分かれ目になるのです。
予算を管理しているということは、事前の見積もりにない出費を実行できるということです。
これをやったほうがいいか、やらないほうがいいかを判断します。事前の見積もりどおりにやるだけだったら、管理の必要はありません。
事前の見積もりにはないけれども、これはぜひやろうという判断ができるのが管理職です。
そこには 2 つの意味があります。
ひとつは、そうしたほうが、その企画自体がよりいいものになる。
もうひとつは、見積もりにはない途中からのアイデアを部下がどんどん出していく空気が生まれるということです。
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もちろんこれは、すべての臨時の予算を出費しなければならないというつことではありません。
やる必要はないと考えたらやらなくていい。でも、やる必要があると考えたときには、「よし、やろう」という判断をしなくてはいけない。
何か出費が出た時に、それもやろう、あれもやろう、なんでもやると決めるだけなら、それもまた管理ではなくなります。
それは要らないと考えた時には、はっきり「要らない」と言わなくてはいけません。
予算の管理は、要は、必要なところにお金をかけて、不必要なところにはお金をかけないということです。
予算をきりつめるのは、全体の見積もりを小さくするためではありません。お金をかけたい時にかけられるような予算の配分をするためです。
中谷彰宏(著) 『管理職がしなければならない50のこと』
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本書では、「管理職として何を判断しなければいけないのか」という点において、「その企画がより良くなること」「部下のアイディアを出そうという空気」という観点で、予算ではなく、「必要なのかどうか」で判断しなさい、と書かれています。
本日は、「予算を管理する」ことは、「予算外の出費をどう判断するか」について、『管理職がしなければならない50のこと』の一部をご紹介しました。次回は、その出費をどう確保するかについてご紹介します。
■参考図書 『管理職がしなければならない50のこと』
管理職がしなければならない50のこと決断できないものに決断を 下すのが、管理職の仕事。マニュアルから外れたところからが、 管理職の仕事。厳しいことでも明るく叱る。 すべての業種で通用する管理職のノウハウを、50の項目で学ぶ。 |
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管理職がしなければならない50のこと 著者 :中谷彰宏 | 管理職がしなければならない50のこと 検索 :最安値検索 | DMMでは見つかりませんでした |
●本書を引用した記事
セラピストを学ぶ
「だいたい君はいつも」は禁句
部下は育てるのではなく育つ
予算管理のコツ1:予定外の予算が出せることが管理
予算管理のコツ2:予定外の予算がの確保の仕方
答えは相手に言わせると前向きになってくれる
混沌を作り出す
明るく叱る
管理職がしなければならない50のこと
●このテーマの関連図書
その一言に、品格が現れる一流の人が言わない50のこと
なぜあの人は仕事ができるのか
30代でしなければならない50のこと