上司や先輩として、部下や後輩を指導するとき、一番腐心するのは、
どうやったら相手が前向きに取り組んでくれるか
ということです。
過去記事で、自分は「やる気ゼロでもやれる仕組みを作る」と書いてましたが、やる気がマイナスではやっぱりやれません。
強制されたと感じさせずに、自分がやってほしいことを相手にやってもらうところが上司や先輩から仕事を指示するときの大切なコツのひとつ。「やる気」までいかなくても、少なくとも「前向きに取り組んで欲しい」と。
■自分で「やります」といったことには責任を感じる
単純に言ってしまえば、本人(部下や後輩)が
「これはオレの責任だ」
と感じてくれれば、相応に前向きになってくれるのではないかと考えています。
人間は「強制された」と感じると、工夫をしなくなるものらしいです。逆を言えば、受け身形ではなく能動系で発言を促せば、「自分で”やる”と言った」と感じてくれます。
私がよくやるのは
「で、宿題は何だったっけ?」
と聞くこと。とにかく相手に発言をさせなければ、”やる”という言葉は引き出せないので。
質問はオープンクエスチョンで。「はい」「いいえ」で答えられてしまっては相手に理解してもらったかどうかすら怪しいですしね。
宿題は何だった?
いつまでにやろうと思っている?
どうやってやろうと思っている?
とにかく、相手になるべく長くしゃべらせる質問を繰り返します。
※ちょっとしつこいくらいがいいかも。
■選択肢を与える
『管理職がしなければならない50のこと』という本に面白いことが書いてありました。
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●選択肢を与えると、ヤル気を出す。
部下にヤル気を出させるには、ひとつのことだけを命令するのではなくて、選択肢を与えることも大切です。
上司から命令されてやる時に比べれば、部下は自分で選んだということで、はるかにヤル気が出てくるのです。
たとえば A と B という 2 つの仕事のうち、どちらをやるかと聞かれた時に、「じゃ、僕は A をやりたいと思います」と言うような場面です。
これはソムリエに聞いた話ですが、お客さんがワインを選ぶ時に、最終的にはソムリエ自身が選ばせたいワインを選ばせるそうです。お客さんには、選ばされたという意識はまったくありません。
当然、自分が選んだと思っています。
ソムリエが勧めるワインをムリやり飲まされたと思ったら、お金を払っているのはお客さんですから、うれしいとは思いません。
でも、手品師と同じように、自分のカードをうまく引かせているのです。
手品にかけられるお客さんは、あくまで自分の意思で引いたつもりでいても、やはりそこには手品師の心理的なトリックがあって、引かされているわけです。
たとえば A という仕事を部下にさせたいと思っている。
この時、 A というカードを引かせるための選択肢を、いかに上手に並べるかが上司の仕事です。
さらに言えば、これからの時代は、部下が選ぶ選択肢は A でも B でもどちらでもよくなるのです。
部下にとっては、自分で選んだ仕事なら一番ヤル気が出ます。
選択肢をどれだけたくさんつくって自由に選ばせることができるかが、上司の力量になってくるのです。
人間は、同じ仕事であったとしても、「これをやれ」と命令されるものよりは、自分で巡んだ仕事のほうがやりがいを感じるものです。
中谷彰宏(著) 『管理職がしなければならない50のこと』
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これは、結構高等テクニックが必要そうですね。
心理学というかトリックの知識も必要そうですし。
まあ、最初は、「とりあえず、いつまでに何をすればいいと思う?」と聞いてみることから初めてはいかがでしょう?
■参考図書 『管理職がしなければならない50のこと』
管理職がしなければならない50のこと決断できないものに決断を 下すのが、管理職の仕事。マニュアルから外れたところからが、 管理職の仕事。厳しいことでも明るく叱る。 すべての業種で通用する管理職のノウハウを、50の項目で学ぶ。 |
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●本書を引用した記事
セラピストを学ぶ
「だいたい君はいつも」は禁句
部下は育てるのではなく育つ
予算管理のコツ1:予定外の予算が出せることが管理
予算管理のコツ2:予定外の予算がの確保の仕方
答えは相手に言わせると前向きになってくれる
混沌を作り出す
明るく叱る
管理職がしなければならない50のこと
●このテーマの関連図書
一流のストレス――ストレスをパワーに変える65の具体例
なぜあの人はいつも若いのか。
チャンスをつかむ超会話術
一流の人が言わない50のこと
「イライラしてるな」と思ったとき読む本