「考える」という行為って、机に向かって腕組みをして、目はやや半眼で難しい顔をして、「ん〜」って唸っているような感じでしょうか?
私が一番「生産性が高い考えている時」というのは、ノートやコピー用紙に向かっている時です。
以前は、私も「天井と相談する」とか言っていたように、じ〜っとしてひたすら考えを巡らせている時が少なくありませんでした。
当時は主にプログラミングが仕事だったので、2〜3時間じ〜っと考える、その後一気にコーディングをする、というパターンが多かったです。考えている時間というのは、プログラムのアルゴリズムやサブルーチン(今で言うところのオブジェクト?)の構造を頭のなかでゴリゴリいじっている時間でした。
アルゴリズムがだいたい決まっているので、コーディング作業に入ってからはかなり早かったです。同期の中でも着手は一番最後、仕上がりは一番最初くらいでした。動き出すまでひたすら頭のなかで具体化してたので、作り始めると、「いやこうじゃないな…」みたいなことがほとんどなくて一直線に完成に向かってコーディングするので、効率が良かったです。
■処理能力の限界
ところが、ある頃からそれがどんどん効率が落ちてきました。
プログラムの扱う変数や外部入力のパターンや組み合わせが増えてくると、頭のなかだけでは処理しきれなくなった、というわけです。
そうすると、代替のアルゴリズムを決めてコーディングするのですが、そのアルゴリズムだと、あるパターンではうまく処理ができないとかいう問題が出て、作っては修正し、修正しては矛盾を発見するという行きつ戻りつがたくさん発生して、効率はめちゃめちゃ悪くなるわけです。
■メモの持ち味
私が当初の頭のなかだけでアルゴリズムやプログラムを決めて、いきなり成果物であるプログラムを作らなくなったのは、この本が結構影響しています。
★P38〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●メモの持ち味は「ぼんやり」を「はっきり」させること
わたしの場合、原稿は必ず自分で書く。書いているうちに、考えがまとまってくるのだ。
年間 20 冊もコンスタントに量産していると、テープに吹き込んだり、編集プロダクションに任せ、自分では書いていないのではないか、と勘ぐられることが多いが、わたしに限って、そんなことはしない。というよりも、できないのだ。
なぜなら、書ーことで曖昧だったことが鮮明になり、ァイデアが湧いてくるタイプだからである。
一方、テープに吹き込むと話があっちこっちで脱線したり、転覆したりしてものにならない、という理由もある。
ところで、単行本を執筆する時、まず最初にすることは、
1.「テーマ」に沿ってどんなことを書くかをすべて
2.リストアップすることだ。
これらはまったく整理整頓されていないから、脈絡など全然ない。脈絡のない文章を読まされるのでは読者が可哀想だから、なんとかわかりやすいように全体の構成を考える。
そして、具体的な作業に入る。すなわち、
4.基幹ターミナルとなる駅(章立て)を作り、
5.駅と駅との間に線路(小見出し)を敷設する
のだ。ここまで来れば、わたしの中では仕事はほとんど終わったも同然。
なぜなら、本書でもおわかりのように、章立てと小見出しまでできているということは、味見はできないものの、ショーウインドウで具体的に料理のメニュー(本文内容)を見ているに等しい。
「ああ、こんな形のこんな色の料理か。美味しそうだな」とわかる。あとは実際に料理を始めればいい。すなわち、
6.小見出しに沿った内容をきちんと文章にする
こういうブロセスになっている。
ご推察の通り、 1.の段階ではまったく内容はぼんやりしている。この段階では、メモといってもひと言だけしかない(タイトルだけという状況)。こんなぼんやりとしたものが、「3.リストアップ」を始める工程から徐々に形になっていく。
まだジグソーバズルがバラバラで得体も知れないけれども、フレームワーク(タイトル)だけははっきりしているから五里霧中というレべルではない。これが、「4.章立て」を作ると全体のイメージが浮かんでくるし(全体像がわかる)、「5.小見出し」を付ければ、もうディテールまでが鮮明になっている。 「6.文章」までできれば、もう誰が見ても間違いようがないものになる(明確になる)。
メモというのはこのプロセス、すなわち、
1.ぽんやり
2.おぼろげ
3.見通しが効く
4.鮮明
5.明確
という工程を辿るにはうってつけの道具なのである。もし、いままでまったくやったことのない仕事を依頼されたり、挑戦することになったら、ぜひ、このメモの特長を活かすといいだろう。
中島孝志(著) 『すごい!メモ術 「ビジネス力」をアップさせる達人たちの手の内を盗め!』
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