出来ないって言うな!





   不為也。非不能也。
   読み下し文:なさざるなり、あたわざるにあらざるなり

この言葉は『孟子』梁恵王上にある言葉です。

これは私の座右の銘としている言葉でもあるのですが、現代文で書くと

 できないんじゃぁない。やらないんだ。




という意味ですかね。

これは会社に入ったときの上司に徹底的に言われました。

私が「できない」とか、「ムリです」などと言うと

 「できないって言うな!オレはそんなことを聞いているんじゃぁない。どうやったらできるかを聞いてるんだ!

と叱られました。で、結局「やります」というまで徹底的にお説教を喰らいました(殆どカミナリに近かったですが)。

※▼余談★
※この「「不為也。非不能也。」を思い出すとついでにいつも思い出すのが『風の谷のナウシカ』で、風の谷を制圧したトルメキアのクシャナ殿下が言ったセリフ。
※ クシャナ:「明日の朝出発する」
※ ミト(?):「そんなのムリじゃ! 支度に1日はかかる」
※ クシャナ:「私は頼んでいるのではない命じているのだ」
※記憶なので間違いがあるかも

※私の上司と同じことを言っているのかもしれません。
※これもいつかは私も言ってみたいセリフのひとつ(思っているだけ)
※▲余談おわり▲





■仕事を断ってはいけない


たとえば、誰かから仕事の依頼をされたとすると、「ちょっと今、忙しくてできません」と答えたりしますよね。わたしはこの答えを絶対に言わないように注意してます。

1日は誰にとっても24時間です。忙しいというのは、ほかの仕事をやっている時間はあるということです。
つまり、「その仕事は私の優先順位が低いですし、やれるような工夫もしません」と言っているのと同じです。

仕事とは別の部署(人)からのインプットがあって、それをまた別の部署(人)に対するアウトプットに変換する過程ですので、インプットを断ってしまえば、アウトプットもできません。アウトプットしない人は仕事をしていません。そのうちに窓際に追いやられて、いつかはリストラ候補?

■システムエンジニアの顧客対応


だからといって、1日を30時間にすることもできないし、寝る時間くらいは確保したい。

どうするかというと、システムエンジニアを例にとって説明してみます。

システムエンジニアとかになるとわかるのですが、顧客などの仕事の発注側は、「○○○がほしい」といいますが、実際には「○○○」がほしいわけではなく、「○○○を使って△△△ができるようにしたい」わけです。ところがその「△△△」が直接的に言えない(理由はいろいろでしょうけど)ので、「○○○」と表現しているわけです。だから、その「△△△」を汲みとって、「もしかして△△■(わざと1文字間違えてます)があればいいですか?」と聞くわけです。

そうすると仕事の発注側は「そんな感じ…」とか答えるので、それに近いものを設計図にして見せたり、プロトタイプを見せたりして、「■」が「△」であったことを最終的に突き止めて、それを作成する。

つまり、相手がほしいものは、相手が表現したものではなく、相手が「それを使って業務成果になること」だということが理解できていて、その「業務成果」を出すための方法論が(相手の表現力によらずに)いろいろ出せる。これがシステムエンジニアのキーになる技術のひとつです。こういう思考法を「ファンクショナル・アプローチ」といいます。

これって、仕事を依頼する側と、される側に一般化しても、言えることではないでしょうか。

■できます。ただし…


だから、わたしは

 「今すぐはできないけど、××までだったらできます」
 「こういう条件でよければ××までにやります」
 「すでにある○○なら△△でも同じことができますが、これで機能しません?」

などと答えるようにします。

つまり、相手の要望に応えるために工夫をするということです。
相手が望んでいる言外(真の)目標は何なのか、どうやったらできるのか、それにはどのくらいの時間が必要で、その時間をどうやったら捻出できるのか、これを常に頭において考えないと、相手からの信頼は得られません。

仕事の上で信頼してほしいのであれば、何か頼まれたら、「できません」ではなく、

 「はい!できます。ただし〜

です。




■参考図書 『孟子




小林勝人(訳)  『孟子(上)』
戦国時代の中国、百家争鳴の乱世に生き、孔子の教えを軸にしつつも独自の思想を展開した孟子(前372‐前289)の言行録。孟子は、人が天から与えられた本性は善であるという信念に立って、天から万人に等しく与えられたこの本性を全面的に開花させるための実践倫理を示そうとした。原文を短く区切って掲げ、訓読文・現代語訳・校注を付す。






◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

孟子
著者 :小林勝人

孟子
検索 :最安値検索

孟子
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 議論には「身、事の外に在りて」で対応する
 一歩前に踏み出す金言
 ベスト時間術2012
 出来ないって言うな!
 出来ないって言うな!
 孟子

●このテーマの関連図書


孟子〈下〉(岩波文庫)

大学・中庸(岩波文庫)

荀子上(岩波文庫青208-1)

論語(岩波文庫青202-1)

荀子下(岩波文庫青208-2)

荘子第2冊外篇(岩波文庫青206-2)





■同じテーマの記事

ベスト仕事術2012

今週は2012年のまとめをお送りします。今日は、2012年に紹介した仕事術に関するヒントで、最もアクセスの多かったもの+管理人のオススメを紹介していきます。整理しない検索するファイルはフォルダに細かく分けておいておくとほぼ間違いなく、必要な時に見つかりません。ファイル名やフォルダ名に使うキーワードはその時の感覚であって、将来必要になった時のキーワードとは別物で..

点を打つ

よくビジネス書や自己啓発セミナーなどで、10年後の目標に向かって、今年やることを決め、今年やることを分解して、今月→今週→今日とタスクを作って行きましょう、と言われることがあります。もちろん、その本を書いた人やセミナーを主催されるような方は、本当にそうして、本の著者になれたり、独立起業された方ですので、当たり前のことかもしれません。そこまで…振り返って、平凡な会社にすがりつくようなサラリーマンである私には、できる時とできない時があります。「10年後に資産..

ベスト時間術2012

今週は2012年のまとめをお送りします。今日は、2012年に紹介した時間術に関するヒントで、最もアクセスの多かったもの+管理人のオススメを紹介していきます。Pomodoroテクニックポモドーロ(Pomodoro)テクニックとは、ひとつのタスクを25分に分けて、5分のインターバルを挟んで繰り返すタスクの実行方法。トマト(イタリア語でPomodoro)形のキッチン..

ベストビジネスマインド2012

今週は2012年のまとめをお送りします。今日は、2012年に紹介したビジネスマインドに関するヒントで、最もアクセスの多かったもの+管理人のオススメを紹介していきます。出来ないって言うな!不為也。非不能也。なさざるなり、あたわざるにあらざるなり仕事は別の部署(人)からのインプットがあって、それをまた別の部署(人)に対するアウトプットに変換する過程ですので、インプ..

ベストPCアプリ2012

今週は2012年のまとめをお送りします。今日は、2012年に紹介したPCアプリに関するヒントで、最もアクセスの多かったもの+管理人のオススメを紹介していきます。ファイラーNexusFileなんと、GoogleのNexus7が発表されてから、この記事が赤丸急上昇で、記事中ナンバーワンになってしまった。(*_*)間違えて来ている人が多いんだろうか??日本ではあまり..

名言コレクション

「今日は、なんか気が乗らないな〜」なんて日はどうしてもありますよね。朝、家族と喧嘩をしてしまったとか、通勤電車で鬱陶しいヤツがいたとか、特に理由はなくても気合が乗らない日というのは勤めていれば、そこそこあります。そんな時の管理人の回復法をちょっと紹介。名言集私は、中国の過去の名言が好きで、結構収集してます。メールのフッタに月替りで名言を入れてるくらい。※余談ですが、これ中国の人にメールを出すときに、案外受けるんです..




posted by 管理人 at 08:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自己マネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。