発想法:シネクティクスとアナロジー発想法







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「異なる何か」とのコラボレーションで大切な考え方に「アナ口ジー」というものがあります。

アナロジーというのは、「類推」「類比」のことで、簡単に言うと、あるモノと別のモノの類似点に着目して、連想する工程です。

このアナロジーを使った発想技法として、ウイリアム・J ・ゴードンの「シネクティクス」があります。シネクティクスとは「異質なものを結びつけ統合する」という意味のギリシャ語で、あるテーマにアナロジーを加えて、問題解決やアイデアを得るものです。


シネクティクスにおける重要なアナロジーの手法は次の4 つです。

 ・ダイレクト・アナ□ ジー(直接類推法)
 ・パーソナル・アナ□ ジー(主観類推法)
 ・シンボリック・アナ□ジー(象微類推法)
 ・フアンタジー・アナ□ ジー(空想類推法)

ダイレクト・アナ口ジーは、直接、似たものを見つけて、そこからヒントを得るものです。
たとえば、蓋ナシで開閉する技術を貝に見出したり、潜水艦の技術を深海魚に見出したりするようなバイオニクス的なアナロジーです。
自然界には多くのダイレクト・アナロジーのヒントがあります。ボーイング社は飛び立つ時の鳥の羽からフラップを工夫した高揚力翼を開発しました。

パーソナル・アナ口ジーは、自分が対象の要素そのものになりきって、その視点から発想する方法です。
前述の老婆になりきった若い女性マーケッターもその好例ですが、「なりきる」のは人間だけではありません。たとえば、自分が機械の一部になってみるというのもパーソナル・アナロジーのひとつです。
実際、「機械になった自分が状況に合わせてムリなく動力を伝えるためには?」という視点から変速ギアが誕生したと言われていますし、いつも「対象」としてしか見ていなかったものに、「自分」を注入してみると、意外なニーズを発見できるかもしれません。

シンボリック・アナ口ジーは、問題を抽象化してシンボリックな視点から幅広く発想するということなのですが、もう少し具体的に言うと物語、小説、メルへンの世界から発想するということです。問題の状況が物語や小説のある場面に似ていて、その物語の教訓から問題解決の糸日を得ることがあります。

フアンタジー・アナロジーは、まったく自由にアイデアをふくらませていく連想方法です。ゴードンは、「閉じる」→「向かい合った虫の握手」→ 「クモの巣の獲物を捕まえて放さない状態」と連想を飛躍させています。
ポイントは、今見えている形、色、構造、流れ、要素の関係性を、何に見立てるかということです。アナロジーをうまく使いこなすためには、「これと似たものはないか?」という間いかけに答えることです。

永田豊志(著) 『発想フレームワーク55
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私はこのアナロジー技法をよく使います。
というか、これが一番ラクです。

特に「シンボリック・アナロジー」は、殆どの人が馴染みが深いでしょう。
そう、「物語」からある教訓を引き出すような方法です。

以前の記事ももたろう理論で「ももたろう」からマネジメントの教訓を引き出すという書籍をご紹介しましたが、これによるまでもなく、他の人のやったことなどから「他山の石」みたいな教訓が引き出されます。

同じ発想法を、「いま眼の前にある問題の解決方法」の発想法として使えばいいわけです。
つまり、子供の頃から訓練されているやり方なんですよ。

問題と別の何かを結びつけるには、ちょっとした訓練が必要ですが、発想法自体は殆どの人は場馴れしているので、わりとあっさりできるようになります。大した努力はいりません。

本書『発想フレームワーク55』のように理屈を言われると難しそうですが、「ああ、あれのことね」と理解してしまえば、べつに「○○アナロジー法」などと小難しい言葉を使わなくても、当たり前に使っている方法なんです。




■謎かけゲームにする


この発想法を私がよく使う理由として、前回の発想法の時にも説明しました「謎かけ」ゲームにしやすい、という点があります。
つまり、何か「似たもの」や「共通点」「特徴の凝縮」をしてやればいいので、こっちも個人的には得意な方だったりします。おそらく、日本人なら「謎かけ」は割と身近なお遊びでしょう。

お遊び感覚の発想法というのは、机の前に座ってウンウン唸るのが嫌いな私にはピッタリの方法。

気軽に取り組んでみてはいかがでしょうか。




■参考図書 『発想フレームワーク55





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本書は、ビジネスパーソンにとって、これからの時代のもっとも重要な知的ウェポンとなるクリエイティビティを磨くための発想力、アイデアを生み出すためのフレームークを提供するものである。
ロジカルシンキングや地頭力はもちろん重要だ。しかしそうした「左脳型発想術」だけでは、改善はできても大きな成果は望めない。八方ふさがり状態であってもブレイクスルーを起こし、大成功を引き寄せるには、前例や従来の固定観念をくつがえす「右脳型発想術=第六感発想術」が必要だ。
従来のアイデア生成の本は広告関連など元々クリエイティブな仕事をしている人向けが多数だった。そのため、アイデアづくりが日常業務となる専門職以外の読者にとっては、もっと短時間で実務に使えるアイデア発想方法が切望されてきた。
本書は、一般のビジネスマンやOL、経営者や勉強に熱心な読者に対して、フレームワークを駆使した「短時間」で「最大の成果」を生むためのアイデア作成方法を解説する。






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著者 :永田豊志

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