立て板に水





■なぜ決済がおりないのか?


今まで、自分の同僚が上司にしてきた、或いは大きな会議でしてきたプレゼンを思い出してください。
あるいは、トラブルの報告を上司にしている場面に出くわしたことでもいいです。

ほとんど大した質問も出なくて、ツッコミもなくすんなり受け入れられる場合と、突っ込まれまくりで最終的に突き返されて、その人の評価を下げただけの場合があったかと思います。

もちろん、報告内容やプレゼン資料の作りにも関係しますし、どこまで根回しをしたかにもよりますが、説明の仕方が旨い人と下手な人が傍目から見ていてもわかったのではないでしょうか。




上司になって経験を積むと、人からプレゼンや報告を受ける機会がどんどん多くなります。
その技術や状況に詳しいのは担当者であって、上司が詳しいわけではないので、内容を正確に理解できない場合も少なくありません。そういう時に上司がどういう所を見ているかというと、説明者の説明の仕方です。

ごまかすかのようにモゴモゴ言うとか、詰まり詰まり説明するとかされると、「ここが突っ込みどころ」とか「なにか誤魔化そうとしているのか」とか感じます。要は、説明者の自信のなさを印象づけてしまいます。

その印象や「こいつ大丈夫か?」という不安が、重箱の隅をつつくような質問になり、話の趣旨とは無関係な「あら探し」につながります。

「あら」のない説明はありません。つまり、上司(や決済者)が拒否しようと思えば、どんな場合でも簡単にできるんですよ。
で、その拒否権を発動するかどうかは、最終的に決済者が説明者を信頼するかどうかです。




■流れるような説明をする


別の記事自信満々に話すでも書いたように、相手に信頼感を与えるためには、いい方向のプライミング効果を出す必要があります。
このためには、自信満々に話すのように悪いプライミング効果のある言葉を使わないことと、「立て板に水」のごとく話すというコツをがあります。

・大きな声ではっきりしゃべる
・わかりやすい流れを作る
・事前に練習をしておく

ことです。

「大きな声で〜」はまぁそのままなので、説明は省略。

■わかりやすい流れを作る


これは以前、何かの研修で講師から教えてもらったルールですが、

 森木枝の説明

というルールです。

何かを説明するときには、森→木→枝の順番に説明をするというものです。

 ◆森:話の全体像
 ◆木:話のキーポイント
 ◆枝:詳細な説明や補足

あなたが話したいことや興味のあるのは、「枝」だと思います。実際の担当者にとって見れば、「森」や「木」は知っていて当然だし、「枝」の部分が集まって木になっているのですから。でも上司にとっては、これがわかりません。そうすると、「枝」の説明はただ面倒くさいだけで興味が無いんですよ。
そこを間違えて、「枝」の説明をしていると、「こいつは一体何を言おうとしているんだ?」となってしまってイライラします。
いわゆる枝葉末節というやつですね。

なので、まず全体像と話の趣旨・目的をはっきり、短い言葉で言い表さないといけないんです。

あたりまえだと思ったでしょう?
でも、これみんな意外と出来てないんですよ。

■事前に練習しておく


ちょっと大きなプレゼンだと事前に時間を測りながら練習をしますが、ちょっと上司に報告に行くだけだと、練習なんてしませんよね。
でも、騙されたと思って練習してから報告に行ってみてください。短時間で了承がもらえるようになりますから。

特に練習の時には、言わなければいけないことをリストアップして、それをどののような接続詞でつなぐか、しゃべる一言一言まで練習してください。
「しかし」を使うのか、「具体的に言うと」を使うのかに注意をしてください。

どのようにすれば、話がスムーズに出来るのかを注意深く考えておいてください。

そうすると、「練習したんだ」というのが自信になって話し方にも現れますし、スラスラしゃべることが出来るようになります。いわゆる立て板に水というやつですね。
そうすると話の中身自体もいいものかのように聞こえるんです。

練習を積んでおくと、ちょっとした報告なら1分で終われるようになりますし、上司のウケも良くなります。
「こいつは信用できる」と思ってもらえれば、それ以後の仕事は格段にやりやすくなります。




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posted by 管理人 at 05:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 交渉術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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