交渉のコツとして、「譲歩してみせる」というテクニックがあります。
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北アリゾナ大学経営管理学利の C・L・ドノホ教授は、 CD ブレーヤーをお客にすすめるとき、最初に 499 ドルの高価なものを勧めたほうが、199 ドルの低価格のものを勧めるときよりも、結果として、 299 ドルや、 399 ドルなどの、高い CD プレーヤーを買ってもらうのに成功することを突き止めている。吹っかければ、高いものを買ってもらえるのである。
「ダメでもともとでも、日本人に足りないのは、一応は吹っかけてみるずうずうしさ」
まさにこの能力なのである。
おそらく、多くの日木人には生理的に嫌がられる作戦かもしれないが、交渉をうまくやるためには、どうしても必要なスキルであることを認識し、ぜひともその力を磨いておこう。
これはウソつき力なのではなく、交渉力なのだ、と自分に信じ込ませよう。
「よくもまあ、俺の口は、ぬけぬけとこんな条件を可えるものだ」
と自分でもあきれてしまうようになったとき、あなたは交渉人として一皮むけたような成長を体感できるはずである。
なお、吹っかけるときには、余割なことは頭の中からすべてとっばらっておいたほうがいい。現実味がどうとか、そういうことを考えていると小さな吹っかけしかできなくなるからである。
根拠などどうでもいいから、とにかく思いきり吹っかけることがボイントなのであって、それ以外のポイントなどはないのである。「最適な条件で、吹っかけるには」などと計算を働かせようとすると、かえって出てくる言葉がウソくさくなるので、やめたほうがいい。 2 倍でも、 5 倍でも、 10 倍でも、100倍でも、とにかく自分の好きなだけ吹っかければよい。
内藤誼人(著) 『他人に軽く扱われない技法』
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日本だと、あまり価格交渉をすることはないので、大概はお店の言い値で購入します。
しかし、中国とかに行くと、言い値で買うことはまずありません。
ある中国の知人は、「10分の1からスタートする」といってましたが、私にそこまでの度胸はないので、たいていはその知人より高い買い物をしてます。まあ、本人がそれで満足しているのなら問題ありませんが。
相手も値引き交渉を当然のことにしているので、もともと本来の値段より高く設定しているわけですが、ここが文化的に違うところで、「5割増しでふっかける」などということは全く無くて、本来のコストの10倍、20倍でスタートします。
その結果、値引きして、値引きに満足して買ってくれれば、お互いに満足になるわけですね。
■交渉時には、譲歩量を大きく見せる
で、この海外の経験から学んだのは、譲歩の幅です。広告で時々見かける「50%引き!」とか「利用料が年間5万円のオトク!」とかいうやつ。
日本だとそこまであくどくはないですが、もともと1万円のものを10万円の値をつけて、1万円で売れば9割引き超お買い得になります。
海外だとこういったものが案外あります。
ある知人は「値段交渉は10分の1からスタート」とか言ってました。
いずれにしても、「いくら必要」ではなく、「このくらい譲歩しました」という言い方をすれば、相手の心理的効果は大きい場合があります。
たとえば、部門費として「経費として1000万が必要」と報告しておいて、「ただ、いきなりこれだけは無理でしょうから、そのうちの半分はウチがかぶりますよ」といえば、相手は「そこまで譲歩してくれるなら…」となります。言葉を変えると「500万くれ」といっているのですが、そこにはなるべく気が付かせないようにするのがコツ。
スマホの通信料も「自宅の回線を一緒に契約すると1年間で○万円もオトク」といってますが、実際には、毎月1万円以上とられるんですよ。
メールと時々Webを見るだけに1万円?
と考えると、ごまかされているのがわかりますよね。
本書『他人に軽く扱われない技法』にあるように、とりあえずふっかけておいて、相手が不満を示したら徐々に譲歩していくと、相手の満足する線が発見できます。
それが、自分の期待割れをしていなければ、そこで交渉が妥結できます。お互いに満足して。
■参考図書 『他人に軽く扱われない技法』
「お客さんにナメられて、とんでもない値下げの条件ばかり飲まされるんです…」「同僚のなかでも、僕だけが、上司に集中的に怒鳴られているんです…」「いつまでたっても新人扱いで、大切な仕事をまかせてもらえないんです…」本書を読めば、もうあなたをだれも軽んじたりしない!究極の自己防衛術。◆アマゾンで見る◆ | ◆楽天で見る◆ | ◆DMMで見る◆ |
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●本書を引用した記事
体を動かすと影響力が増す
ダルカチと60人のモンゴル人
目を細めて人を見ると凄みが出る
ゼロ秒思考2
他人に軽く扱われない技法
ゆっくりしゃべる
弱音を吐くな
一流のお店にいく
会議の時に座る位置を意識する
援助はうけない
反論させない技術
遠慮は交渉を失敗させる
予算は2倍にする
いつもと違うところに感動がある
戦略的不機嫌さ
影響力をもつと仕事ができるようになる
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失敗談を酒の席で聞きなさい
●このテーマの関連図書
人に甘く見られない38のルール
軽く扱われない話し方(だいわ文庫)
人たらしのブラック心理術(だいわ文庫)
人は暗示で9割動く!(だいわ文庫)
軽く扱われない話し方
パワーマインド自分を高め交渉に勝つ悪魔の心理術(ソフトバンク文庫)