採用面接で、大きな配点を持っているスキルにリーダーシップというものがあります。
面接官は直接的には言いませんが、この「リーダーシップ」があるかどうかを、聞き出そうとしていろいろな質問をします。
ところが、あまり満足行く回答をもらったことは多くありません。
回答から推察するに「リーダーという役割」と「リーダーシップの発揮」というものが混同されているように感じます。
そこで、『採用基準』という本にあった「リーダーがなすべき4つのタスク」という章から、リーダーシップについて考えてみたいと思います。
■リーダーをしてました
一般的な就職の面接対策サイトを見ていると、リーダーシップをアピールするために、
「××部の部長をやりました」
「××プロジェクトのリーダーをしてました」
とかいう答えが多いみたいです。
しかし、それでリーダーシップが証明されるわけではありません。
リーダーという役職をこなすこと、イコール、リーダーシップがある、ではないからですが、これが同じ名前(「リーダー」)が使われているために、混同されているような気がしてます。
もちろん、面接官自身が混同している場合も少なくないので、こういう回答方法が推奨されてしまうのでしょうから、まんざらバツというわけでもありませんが、もし面接官がきちんと「リーダーシップ」を認識していれば、その答えでは満足できません。
■リーダーシップとは
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日本では十分に理解されていません。
日本でリーダーシップのある人というと「野球部のキャブテンをやっていた」とか、「ブロジェクトのリーダーを任されている○○さん」など、役職がその代件慨念としてよく挙げられます。
生徒会長やクラブの部長を務めていた人をリーダーと見なすのも、同じ考え方です。
しかしこれらはすべて役職名であり、リーダーシッブの有無を直接的に表すものではありません。もちろん、そういった役職に就けば、否応なくリーダーシップを発揮すべき状況におかれることが多いので、問接的には役職経歴がリーダーシップ体験の多寡を表す場合もあります。
しかしそれらは同じ意味ではないのです。
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年功序列型組織や、組織のまとめ役を持ち回りし、その場の雰囲気で団体の理事や会長を選ぶことも多い日本においては、肩書とリーダーシップにはさらに関係がありません。
伊賀泰代(著) 『採用基準』
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本書の言うように、リーダーシップの有無(多寡)は、役職が表しているわけではないのです。
では、リーダーシップとはどのようなものなのかというと、本書『採用基準』では以下のように定義されています。
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●リーダーがなすべき4つのタスク
リーダーとは、成果を達成する人だと書いてきましたが、では成果を出すためには具体的に何をする必要があるのでしょう。実はリーダーがなすべきことは極めてシンプルで、突き詰めれば次の4つの行為に収束します。
1.目標を掲げる
2.先頭を走る
3.決める
4.伝える
伊賀泰代(著) 『採用基準』
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ワタシ的に言うと「やりたいことを人を巻き込んでやり遂げる」ということかと思いますが、これではあまりにも簡単すぎるので、本書『採用基準』の内容を次回以降、ご紹介したいと思います。
■参考図書 『採用基準』
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書名 :採用基準
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