英語を知らない人に、英語で商談をしてこいと行っても無理ですよね。
キャリアを積む上で、知識やノウハウは絶対に必要です。
でもこれだけでは、仕事ができるようにはなりません。
たとえば、英語を知らない人が、1年英語圏で生活をしてみれば英語は喋れるようになりますが、商談ができるようにはなりません。
私は中国語を全く知らない状態で、半年間中国にいたことがあります。終わりの頃には、それなりに現地の人と簡単な会話ならできるようになりました。同じように半年近く中国にいた人でも、全く喋れないままの人もいました。何が違うのかというと、現地の通訳さんをどう活用したかです。
中国語がダメだった人は、「××を通訳して」と言い、私は「××は中国語でどう話すの?」といったことの違いだと思っています。私は「自分で中国人に説明すること」を目標にしてました。だから、どう言うかを教えてもらって、そのように中国のスタッフに
自分で説明していたのです。もちろん、たくさんフォローはしてもらいましたが。
これは、言ってしまえば「マインドセット」の問題です。
マインドセットは、日本語にしてしまうと、気合や根性、誠意といった「精神論」になりがちですが、実は考え方を少しだけ変えるだけで、大きく効果が上がります。なので私はこのマインドセットという単語に「意思」という言葉を当てはめています。
何かに「チャレンジしたい」「こうなりたい」という思いを持ったとき、
「現実には無理だろうな」
「自分にとっては高望みだ」
と、あきらめてしまうことはありませんか?
幕末の志士、坂本龍馬が
「日本を今一度せんたくいたし候」
なんて、たかが無名な脱藩藩士がほざいたってだれがまともに取り合ってくれるでしょう?
私は高校時代の先生にひとつ教えられたことがあります。
「志望大学に行くための条件をおしえてやろう。簡単だ。『行きたいと思うこと』だ。」
行きたいと思っても行けるかどうかはわかりませんが、行きたいと思わない人は絶対に行けない、と。
自分がこれ以上できないと考えたら、その道はもうそれ以上前には勧めません。
自ら「ダメ出し」さえしなければ「チャレンジ目標」は簡単に決まります。
目標が決まれば、それを叶えるための計画と努力がはじまります。そして、失敗や挫折を繰り返しながら、人は工夫・成長し、目標へと近づけるのです。知識やノウハウはそのためのツールに過ぎません。
何かをやろうとして、できなかったことはありませんか?
もしかしたら、それはあなたの能力の限界なのではなく、意思の限界だったのかもしれません。
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