チームを率いる上司(リーダー)になった時に、重要な心得があります。
失敗を経験させる
ことです。
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組織が停滞する原因はいくつかありますが、リーダーがチームを細かく管理しすぎると、チームはうまく回りません。
これはリーダーとメンバー双方に原因があるのですが、いずれにしても何でもリーダーが手出し口出しすると、メンバーは成長する機会を持てません。悪くすると、何でも頼るようになってしまいます。また、リーダーの時間的・能力的限界が組織のパフオーマンスのボトルネックになってしまいます。
これは、特に「優秀なメンバー」として若い頃を過ごした人が、初めてリーダーになったときに気をつけなければならない落とし穴です。リーダーとしては「見てはいられない」「自分がやったほうが早い」と感じる部分があるかもしれません。
しかし、メンバーに仕事を依頼したら、ぎりぎりまで任せきる勇気を持ちましよう。どんな人も自分が成長してきたときには、ハラハラしながらも手を出さずに見守ってくれていた人がいたはずです。
河野英太郎(著) 『たった1%の仕事のコツ』
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いろんな職種でそうだと思いますが、上司になる人はそれなりに仕事ができる優秀な人(その部署でトップというわけではありませんが)が多いです。こういう人が係長や課長になると、部下のやっている仕事の面倒を見ることになるのですが、部下のやっていることが危なっかしくて仕方がない事に気が付きます。
「あ〜。そんなことやっちゃダメだよ」
「そうじゃない。こうやるんだよ」
つい、自分の経験でうまくいかないパターンに当てはめていろいろ口を出したくなります。
先日上司(役員)と飲んでいた時にも同じ話がでました。
昔(自分たちが若いころ)は、上司の反対を押し切ってでも色々なことをやったね〜。
とにかくあちこちに怒られながらさ。
でも今の若い子たちは、そういうことを経験してないよね。
DRとか称して先輩たちが先に悪そうなところを徹底的に潰しておくので、大失敗しない。
それで今の若い子たちにとっては、線が細くなっちゃうんだよね〜
ある意味そのとおりだと思います。でも、この後の
だからDRなんかセずに、失敗させればいいんだよ
はちょっと賛成しかねて、「いやそうじゃないでしょ」とちょっと議論になってしまいました。
本書『たった1%の仕事のコツ』でも同様に「任せた仕事は任せきりなさい」と書かれていますが、やっぱり失敗する可能性のある部分は潰しておきたい、それで自分のチームのパフォーマンスを落とす(失敗の回復のために)ようなことはしたくないんですね。
私が主張したのは、こんな話でした。
自分たちの頃はプログラムといえば、アセンブラでした。OSやマルチタスクシステムなんてなくて、自分たちでそれを作って、その上で動く組込プログラムをしていたわけです。
でも今は、組込プログラムも、OSは市販があり、優秀なライブラリもあるから、CやC++でもっと高度なことができるようになってきています。
つまり先人(自分たち)の失敗の上により高度な仕事ができるようになっているわけです。
それを、同じ失敗をさせていては、より高度な仕事ができませんし、組織の知識も高度化していなかいです。
だから同じ失敗を経験させるのではなく、より高度な失敗を経験させるために、自分たちの轍を踏まない工夫が必要なんです。
と。
当然、自分の仕事のやり方を細々と指示しては、部下は自分の劣化コピーを作るだけです。
だから、本書の諫めるところはその「劣化コピー」にしないという点であって、可能性のあるミスを潰すことを否定しているわけではないと思ったりします。
組織の長として、部下をどう育てていくのかはもっとも重要なミッションです。
その部下の成長のプロセスを、基点が自分の基点と同じでは、より大きな成果は出せるようにはならないでしょう。
■参考図書 『たった1%の仕事のコツ』
立ち読み可 | こんなことがありませんか? とにかく仕事がたまる/上司によく無視される/命がけでつくった書類を見てもらえない/「言ってることがわからない」と言われる/会議で反対ばかりされる/自分にだけ、メールの返信がこない(遅い)/いつもあら探しされる/いつもあとまわしにされる/いい仕事は全部他人にもっていかれる/やり直しばかりさせられる/まじめにやっているのになぜか報われない…… そんな人は、その「やり方」を見直す必要があるかもしれません。まじめさとパフォーマンスは決して正比例ではありません。悪い意味で「まじめ」すぎると、パフォーマンスは逆に下がるのです。 デキる人とは、このまじめの「力のかけかた」を知っています。 そこにはちょっとしたコツがあります。このコツを知っているか知らないかは、あなたのパフォーマンスをとても大きく左右します。 実は99%の人がしていない、ちょっとした、でも効果絶大な仕事のコツを、本書では紹介していきます。 |
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