ものの見方の10パターン09:因果関係・システム思考



多くの仕事の中で、自分の能力をフルに使わないといけない仕事は、自分の持っている専門知識を使って「ものごと」を分析して、その分析結果に基づいて次の行動につなげていくという作業なのではないでしょうか。



 「××について検討しなさい」
 「○○について調査しなさい」
 「○○の課題はどのように対応しようと考えるか?」

こんな課題が与えられた時に、上司をうならせる分析手法があります。
私はこれを

 ものの見方の定番

と呼んでます。

このシリーズ(最近多いなぁ)はこれらを一気に紹介します。

本日はその第 9 回目。因果関係・システム思考 をご紹介します。





■因果関係


因果関係というのは「原因と結果」ですね。

 ××が起きた
 ○○をした
 結果◎◎になった

というものごとの流れを示すことによって、論理を構成する方法です。

私がよく使う因果関係の書き方は、TOC で紹介されている「現状問題構造ツリー」です。

これは、考え方としては、ある現象は、別の現象の帰結(結果)になっており、その現象がさらに別の現象の原因になっているという概念です。
こうして原因をたどって行くと、根本的な原因にたどり着くことができるという理屈。

この「現状問題構造ツリー」は、その作成技術はわからなくても、原因と結果が1枚の図に表されるので、「これが根本的な原因です」というと納得してもらいやすい資料になります。

ただし、最近は「システム思考」とかも使われるようになり、「原因は結果を生み、結果は原因を生む」といった捉え方も提唱されてきています。

■システム思考


これは「学習する組織」でピーター・センゲが提唱した考え方(だと思う)で、まぁ要するに「因果はまわる」という考え方です。

たとえば、

 食糧難になる
   ↓
 食糧援助を受ける
   ↓
 食料の生産に対するモチベーションが下がる
   ↓
 食料生産が減る
   ↓
 食糧難になる

みたいにいくつかの要素が他の要素の強化をしてしまい、ある状態をどんどん強化するような仕掛けができてしまう状況を表しています。

「現状問題構造ツリー」でも、「ループする」という書き方ができるものの、こちらは基本的にはある「根本的な原因」があって、それを解決すれば多くの好ましくない現象は自然消滅するという理屈になりますが、システム思考では、ループしているので、「根本的な原因」があるわけではなく、相互に影響を及ぼしている状況を表すのに適切なツールです。

いずれの視点で見るかについては問題にもよりますが、多くの場合、突発的問題は因果関係、慢性的な問題や繰り返し発生する問題はシステム思考でみると適合する場合が多いようです。
キーは、「相互作用」の有無です。





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