多くの仕事の中で、自分の能力をフルに使わないといけない仕事は、自分の持っている専門知識を使って「ものごと」を分析して、その分析結果に基づいて次の行動につなげていくという作業なのではないでしょうか。
「××について検討しなさい」
「○○について調査しなさい」
「○○の課題はどのように対応しようと考えるか?」
こんな課題が与えられた時に、上司をうならせる分析手法があります。
私はこれを
ものの見方の定番と呼んでます。
このシリーズ(最近多いなぁ)はこれらを一気に紹介します。
本日はその第 6 回目。運動 をご紹介します。
「運動」というのは時間の概念のところでちょっと説明しましたが、物理的な概念で言うと物体が時間変化にともなって場所を移すことですね。
つまり、先の「時間と空間」で書いたように、過去・現在・未来という3つの部分に分けるのではなく、過去から現在を通じて未来に向かう連続的な変化(=運動)として考えるということです。
■「QC七つ道具」
「QC七つ道具」をご存知でしょうか?
もしご存じなければ、以下のWikipediaを御覧ください。
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管理を行うにあたり、現象を数値的・定量的に分析するための技法。いずれも可視化によって、誰にでもすぐに問題点がわかったり説明を容易にすることを狙っている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%93%81%E8%B3%AA%E7%AE%A1%E7%90%86#QC.E6.89.8B.E6.B3.95
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この中で「管理図」というものがあります。
ある特性を表すものを数値化し、それを時間軸上に折れ線グラフとして表したもので、代表的なものに Xbar-R 図などがあります。
これはある特性の時間という軸における運動を表したものです。
高校の数学で、「微分」を習った記憶があれば、あれを思い出してもらえるといいのですが、ある物事の変化を捉えるのに、時間で微分すると変化が分かりやすくなりますね。
こういうものが、ものの見方にも適用できるわけです。
たとえば、株価などで MACD というテクニカル指標があります。
あれは2つの移動平均の差を同じ時間軸上にプロットしたものなのですが、大きくなるとトレンドの変化が大きくなっていることを表すのにすごくわかりやすいチャートです。
■測定する
これを表すためには、「測定」が必要です。
グラフ化したいのに数字がなければグラフにはできませんから。
たとえば、「1日にメールを見ている時間」をグラフ化し、それを時間軸上でプロットしてトレンドを見ることによって、自分の業務の効率性の変化が理解できるようになるわけですね。
企業の業績も、「収益」単体で見るのではなく、「収益の変化」という時間軸上の運動として捉えることで、その企業の未来が予測できるようになるわけです(完璧ではないですが)。
このためにも、何かのものごとを分析するときには、
特徴を数値化できないだろうか どういった軸上なら変化が捉えられるだろうかということに着目して考えてみるという視点が必要ですね。
運動とは言葉を変えれば、
変化を見るということです。
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