ある方針に対して、「全員賛成」という状況が起きたら要注意です。
経験的には、なにかマズイことが起きていると考えたほうがよいと考えてます。
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●全員一致の幻想
幻想の1 つは、自分たちを不死身であると思い込むことだ。
「我々の指導者(ここではケネディ) とグループのメンバー(側近)が、この計画はうまくいくと確信しているのだから、この決断は正しい」
という考え方だ。次に抱くのが、満場一致の幻想である。
「みんなが賛成している以上自分の意見だけが間違っているのだろう」と考えたり、本当は異論があるのにそれを表に出さなかったりしたことで、全員賛成と見なされてしまうという錯覚である。
さらに、自分だけが結束を乱す壊し屋にはなりたくないという思いにもとらわれる。
結局、自分の意見に忠実になるより、そのグループの一員でいたいという思いが勝るのである。反対すれば、グループから追放されてしまいつかもしれないのだから。
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●結論
結束の固いグループの中で意見が一致しているときには、必ず自分の意見を言おう。
たとえ歓迎されない内容であったとしても。
話し合われないテーマの裏に隠されていることを探ってみよう。いざとなったら、ぬるま湯のような仲良しグループから追放されることも覚悟しよう。
あなたがグループをまとめる立場にいるならば、悪魔の代弁者(異論を唱える人)を決めておこう。
その人は、伸間の中で人気者にこそならないだろかうが、もっとも重要な人物にはなるかもしれない。
ロルフ・ドベリ(著) 『なぜ間違えたのか』
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経験的にもここで提示されている問題は現実問題としてありますし、おそらくみなさんも経験したことがあるのではないでしょうか。
本書『なぜ間違えたのか』にもあるように、自分が「この案はダメじゃないか」と思っている案が、自分以外の全員が賛成したようなばあい、あえて反対意見を言うのはすごく勇気が必要です。
それが一度や二度のことならまだしも、何回もあるということは、組織の腐臭がプンプン状態。
■全員一致の組織からは逃げる
もし、あなたの所属する組織がこの状態になっていたら、その組織から逃げ出す算段をしたほうが良さそうです。
私は基本、過去記事でも転職にたいしてはあまり積極的におすすめすることはありませんが、こういう場合は別。すぐにでも転職を考えた方がいい。もし、社内に別の組織があるなら、部署異動を願い出たほうがいいです。
多くの場合、
・リーダーがワンマンで異論を言わせない
・メンバーが迎合的で思考停止している
のいずれかで、早晩その組織は大失敗を犯します。その時にその組織に所属していれば、所属していたことの罪がメンバーにも降りかかってきます。
自分の乗っている船が、曲がりなりにも航海を続けられるのか、泥船なのかを見極めるのは、サラリーマンの必須能力かもしれません。
少なくとも全員一致を繰り返す組織は、泥船だと考えてます。
どんな視点から見ても、「いい」「大丈夫だ」とおもえるような方針なんて、ありえんでしょう。反対や心配はあって当然なんです。
良いリーダーに巡りあえて、いい組織に所属できて、満足なサラリーマン生活を送ることができれば、それに越したことはありませんが、少なくとも沈没予定の船長の船員にはなりたくないのが、サラリーマンの数少ない保身術かと。
■参考図書 『なぜ間違えたのか』
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なぜ間違えたのか 著者 :ロルフ・ドベリ | なぜ間違えたのか 検索 :最安値検索 | なぜ間違えたのか 検索 :商品検索する |
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