制約を歓迎する






ビジネスには制約がつきものです。
予算であったり、工数、人員であったり、時間であったり。
サラリーマンの事情、大人の事情なんてのもありそうな…。

いろいろな制約にぶつかると「自由に発想ができたらなぁ」と思わないでもありません。でも、とある研修で

 「なにか、あなたのアイディアを出してください。制限や条件は一切ありません」




と言われた事があるのですが、実際何も思いつかないんですよ。
何を考えていいか、全く手がかりがないので。

それを、「冷蔵庫の改善アイディアを出してください」と言われると、数個であれば簡単にでます。

 ・ペルチェ冷蔵庫(ガスを使わない)
 ・円筒形冷蔵庫(中が回転して、奥に押し込んでも回転させれば前
  面に出てくる)
 ・真空冷蔵庫(真空パックを冷蔵庫自体がしてくれる)
 ・加熱機能付き冷蔵庫(取り出したいものが、チンされて出てくる)
 ・ホルダ付き冷蔵庫のドア(小物のビンなどが倒れない)
 ・小物フック付き冷蔵室(買い物袋がそのまま入れられる)
 ・冷凍室ラック(冷凍室がラックになっていて、詰め込んでも冷却
  効果が落ちない)

まぁいろいろ。

日経にこんな記事が載ってました。

 トヨタ、「工場凍結解除」の勝算元町工場で見た「新規投資4割減」の現場
 

トヨタは、2013年から新規の設備投資を4割削減した状態で、世界No.1の生産台数を実現してきたそうです。

もちろん、我々とトヨタでは比べるべくもありませんが、それにしてもすごいですね。

この記事には、大物のアイディア、鉄板の加熱プレスや樹脂成形、溶着などが載っていましたが、それ以外でもきっと多くの小さなカイゼンがされた結果なのでしょう。

まぁ、トヨタの人たちが、「ったく!上はなに無茶言ってんだ!」なんて全く言わなかったかというと、そうではないような気がしますが、結果だけ見ると、

 制約を受けることで、成果を出したんだろうな

と思えたりします。

先日読んだ脳科学の本に、「人間の脳は、もっとも楽をする方向に思考を導くようにできている」と書かれていました。脳は人間の持つエネルギーの30%を消費する巨大消費器官なので、あまりエネルギーを使うと人間の生活そのものに支障が出るので、こういう仕組みになっているんだそうです。

なるべく楽をして暮らしたいというのは、本能というか生存機能の一部なのかもしれませんが、原始時代のように生死に関わるようなことはなさそうだし、制約を受けることが、アイディアを生み、それをトライ・アンド・エラーをしながら経験を積むことで成長ができるし、力もついてくる、と考えたいものです。








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