陳腐化のリスク



ドラッカーは自分を磨き続けることについて、以下のように述べています。

★P315〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
企業家社会は継続学習を必然のものとする。
  (中略)
企業家社会では、成人後も新しいことを一度ならず勉強することが常識となる。10歳までに学んだことは 5 年から 10 年で陳腐化し、新たな理論、技術、知識と代えるか、少なくとも磨かなければならなくなる。そのため、一人ひとりの人間が、自らの継続学習、自己啓発、キャリアについて責任をもたなければならなくなる。

P.F.ドラッカー(著)  『イノベーションと起業家精神
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これを本『実践するドラッカー:行動編』では以下のように解説しています。

★P157〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

時間管理、意思決定、強み、貢献、集中といった、社会に出てから身につけた能力は、強化されることはあっても、基本的に低下することはありません。

しかし知識の陳腐化のスピードが速い現代では、大学時代に学んだ知識は瞬く間に陳腐化します。
陳腐化に対抗するには、知識を更新するシステムを用意しなければなりません。

その一つの方法が、定期的に学校に戻ることです。

社会に出てからの除うが体系や課題が鮮明になっており、学校で学ぶ効果が出やすいことが多々あります。

また、学校に通わなくとも、特定の分野を集中して 2〜3 年学べば、専門性を得ることは難しくありません。

大切なのは、計画的な継続学習の習慣です。
陳腐化リスクに備えつつ、知識の装備率をあげるために時間を投資するのです。

佐藤等(著) 『実践するドラッカー:行動編
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ご説はごもっともなのですが、平均的なサラリーマンで、定期的に学校に行っているような人はどのくらいいるのでしょうか?
少なくとも、私の周りでは(知っている範囲)、現時点は一人もいません。過去に一人だけいましたが。

朝 9 時に出社して、夜 8 時とかまで残業して、その上で夜の時間や休日に学校に行こうとした時に、続くでしょうか?
私にはムリ。

時々電車の吊革広告で「駅前留学」とか「夜間MBA」とかの広告を見るので、相応の需要はあるんだろうな、とは思いますが、直接的にそれが評価(給料に反映される)されるような環境(会社方針)でもない限り、お金も時間も体力も続かない、と思ってしまいます(私だけかもしれませんが)

学校やこうしたトレーニング会社は、おそらくある程度先端的な事柄を教えてくれるのでしょうが、実際の会社でやることと言ったら、他の先進的な会社が10年も20年も前にやったことを、泥臭くやるくらいがいいところでしょう。そんなところに先端技術を持ち込もうとしても無駄です。理解してもらうだけで大変です。

■学習のプロセス


別の記事でも書きましたが、学習のプロセスは、簡単に言ってしまえば

 学ぶ→やってみる→欠点を見つける

ということの繰り返しです。つまり、自分が専門とする領域や、仕事上必要な領域の本を読んで、そこに書いてあることを実際にやってみて、そこから何らかの気づきを得て、その気づきを活かしてもう一度やってみる、という繰り返しでいいのではないでしょうか。

当然、「気付き→やってみる」という単純な経路ではなく、気付き→外界からの学び→やってみるという外界からの影響がないと進歩速度は遅くなりますので、そういう意味で、ちょっとした空き時間を使っての、個人学習みたいなものが必要だとは思っています。

ちなみに、Web を使った教育(いわゆる e-Learning)というのも受けたことがありますが、これが実際の業務に生かされたことが、私はありません。
多分、PCの前に座っていないといけない、レベル測定のためのテスト、みたいなものが気になってしまって、実際に使ってやろうという意識が薄くなるからかもしれません。
※過去の実績なのですが、最後までやり切れたもの2回。途中で挫折したもの4回、という実績です。社内の Web による教育は除いて。



■参考図書 『実践するドラッカー:行動編


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書名 :実践するドラッカー:行動編
著者 :佐藤等

●関連図書
 『 <<実践するドラッカー:思考編』
 『 <<実践するドラッカー:チーム編』
 『 <<実践するドラッカー:事業編』

●関連 Web
 佐藤等 著作図書
 上田惇生 著作図書
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posted by 管理人 at 05:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 巨人たちの言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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