小説などで、本にマークする人は少ないと思いますが、ビジネス書や学術書、参考書などには書き込みをする人は結構いるのではないかと思います。
この書き込み作業って、あとでどんな役に立っているでしょうか?
この書き込みを本書『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』では「マーキング・インボックス法」と読んでいるそうです。
格好いい名前なので、ご紹介します。
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●マーキングインボックスを実践する
読了後の行動のために必要なこと
「読んで終わり」の状態から脱却するには、何かしらの「行動」が必要です。自分の手を動かして、知識や情報を頭に人れる作業を行うわけです。一般的には「読書ノート」作りと呼ばれるような行動がそれです。こうした作業は効率性の面からいって、読書中に行うのは避けた方がよいでしよう。
それには 2 つ理由があります。第一に、読書のスピードが著しく落ちること。本を読む、ノートを開き、書き出す。再び本を取り上げ読書に戻る、という切り替えには時間がかかります。また、意識の切り替えによる集中力の低下も起こりやすくなります。 1 冊の本を研究的に分析するのならばともかく、知識を得るための読書にそこまで手を掛ける必要はないでしょう。
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●マーキングインボックス法
こうした事態を避けるために、「マーキングインボックス法」を使います。大げさな名前を付けましたが、やることは難しくありません。
「マーキングインボックス法」は、読書中、重要と思える部分に線を引き、読了後にそれらをまとめるという方法です。ちなみにインボックスは「受信箱」という意味です。読書中に印を付けることで、仮想的な受信箱にその情報を放り込むようなイメージを持ってもらうとわかりやすいかもしれません。その情報の受け取り手は、本を読み終えた後の自分です。
読了後の自分は、過去の自分から送られきた情報の中から、本当に必要だと思うものを読書ノートにまとめるだけで済みます。
読書中の自分はとにかくそのときに重要だと思う部分に線を引いていき、少し先の未来の自分(そのときは一通り内容を読み終えている)がそれらの情報をふるいにかけ、読了後の行動に繋げていくという一人2役の流れです。
●線を入れながら読む
では、実際にどのようにマーキングしていけばよいのでしようか?最も簡単なものは、「この部分は重要だ」と思った部分に線を引くことです。
重要度に差があるならば、二重線や波線を使うこともできます。ただ、読書中に感じる重要度は、読了後とは違っていることが多いので、あまり細かくこだわる必要はないでしよう。
重要と思える部分の文章が長い場合は、大きくくるマーキングでも充分です。要は、後から見返したときに、自分が重要だと思った箇所がわかればよいわけです。
また、「この単語は覚えたい」や「この部分が理解できない」という部分にもマーキングを入れておくとよいでしょう。
これも読了後の行動に役立ちます。このマーキングは、重要な部分の線とは分けておきましょう。単語ならば直接、丸で囲んだり、理解できない部分は頭にクエツションマークや星印を付けたりする方法があります。読了後にはこの目印を頼りにして、さまざまな行動を取っていくことになります。
その具体的な方法については CHAPTER.4 で詳しく紹介することにして、知識を仕入れるための読書について別の視点からも考えてみましょう。
倉下忠憲(著) 『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』
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私は初期の頃は、本に書き込みをしてました。赤のボールペンで。
ところが、あることに気がついたのですよ。
それは、書き込みを見なおすことがないこと。
もちろん、マークを付けること自体に意味が無いわけではなく、やらないよりやった方がいいです。
それ自体が、再読の機会にもなりますし、該当の部分は印象にも残るので、記憶する可能性もあります。
ただ、問題があるのですよね。
1.本を開いたままペンが取り出せない
2.立ったままでは(あとで読めるレベルに)字がかけない
3.書き込みを読み返せない
4.借りてきた本には書き込めない
1.本を開いたままペンが取り出せない
2.立ったままでは(あとで読めるレベルに)字がかけない
3.書き込みを読み返せない
4.借りてきた本には書き込めない
の3つ。
じゃあ、どうするのか?
このそれぞれの問題点について、次回、考えてみたいと思います。
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