ドラッカーは成功について著書『プロフェッショナルの条件』の「人生をマネジメントする」という章でで以下のように述べています。
長文ですが引用します。
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●第二の人生をどうするか
しかし、知識労働者には、いつになっても終わりがない。文句は言ってもいつまでも働きたい。
とはいえ、30 のときには心躍った仕事も、50 ともなれば退属する。したがって、第二の人生を設計することが必要になる。
●第二の人生を設計する方法
この問題の解決には、三の方法はつの方法が助けとなる。
第一の方法は、マックス・フランクのように、文字どおり第二の人生をもつことである。単に組織を変わることであってもよい。
仕事がうまくいっているにもかかわらず、第二の人生を始める人が増えている。地死の病院の経理部長になった事業部の経理部長のように、能力は十分にある、仕事の仕方も心得ている、子供は独立した。地元のコミュニティで仕事がしたい。何が歯科の収入はほしい。何よりも新しいことに挑戦したい。
第二の方法は、パラレル・キャリア(第二の仕事)、すなわち、本業にありながらもう一つの別の世界ををもつことである。
20年、25年続け、つまくいっている仕事はそのまま続ける。週に 40 時間、50時間を割く。
あるいは、あえてパートタイムとなったり、コンサルタント的な契約社員になる。
しかし、もうひとつの世界をパラレル・キャリアとして持つ。多くの場合、NPOで働く。週10時間といったところである。
第三の方法は、ソーシャル・アントレプレナー(篤志家)になることである。
これは企業人、医師、コンサルタント、大学教授として成功した人に多い。
仕事は好きだが、もはや心躍るほどのものではない。そこで、仕事は続けるが、それに割く時間は減らしていく。そして新しい仕事、特に非営利の仕事を始める。
もちろん、誰もが第二の人生をもてるわけではない。
まだ、今日していることをそのまま続けている人たち、あるいは似たことを繰り返しつつ、退屈しきって定年の日を待っ入のほうが多い。
しかし、労働可能年限すなわち労働寿命の伸長を、自らと、社会にとっての機会として捉えることによって、これからの時代においてモデルとなるべきは、数の少ないほうの人たちである。彼らこそ、成功物語として位置づけるべきである。
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知識労働者にとって、第二の人生をもつことが重要であることには、もうっ理由がある。
誰でも、仕事や人生において挫折することがありうるからである。
昇進しそこねた 42 歳の有能なエンジニアがいる。大きな大学へ移ることが絶望的になった 42 歳の立派な大学教授がいる。離婚や、子供に死なれるなどの不幸もある。
逆境のとき、単なる趣味を越えた第二の人生、第二の仕事が大きな意味をもつ。
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知識社会では、成功が当然のこととされる。だが、全員が成功することはありえない。
失敗しないことがせいぜいである。
成功する人がいれば、失敗する人がいる。
そこで、一人ひとりの人間及びその家族にとっては、何かに貢献し、意味あることを行い、ひとかどになることが、決定的に重要な意味をもつ。
第二の人生、パラレル・キャリア、篤志家としての仕事をもつことは、社会においてリーダー的な役割を果たし、敬意を払われ、成功の機会をもつということである。
P.F.ドラッカー(著) 『プロフェッショナルの条件』
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多くの会社では、従業員の副業を禁止しています。
ですので、ドラッカーの言うパラレル・キャリア(第二の収入源)をつくろうと思うと、ちょっとした税金関係の工夫が必要になります。
あるいは、NPOでボランティアとして働くかです。
東日本大震災以降、ボランティアというものがいろいろ活用可能だということが社会的に認知されつつあります。
こうした後片付けみたいな肉体労働ではなく、その人の持っている知識や経験を活かしたボランティア活動というのは、ドラッカーのいう第二の人生にどうつながるのかはわかりませんが、有用だと考えるようになりました。
個人的経験ですが、NPOで働くというのは、会社ではない組織で、会社で培った能力を発揮する機会が得られます。これは貴重な経験になりますし、人脈という意味でも有用なものが出来る場合がありますので、一度くらいは経験してみることをオススメします。
繰り返しですが、これがドラッカーの言うパラレル・キャリアになるのかどうかはわかりません。たんなる道草になるかもしれませんが、これも人生の種まきかもしれないと思えれば、チャンスを作ってやってみるといいと思います。
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●本書を引用した記事
少しだけの成功を積み重ねる
業界の専門家に見えるようにする
新しいシステムには一番協力してほしい人の名前を入れる
人を動かす:相手の話を聞くときには手を止めなさい
海外出張に行くときは、その国の言葉で挨拶をしなさい
人を理解するなら修飾語に注目する
ButはBad
同じ土俵で勝負する
昇進面接質問のブレークダウン
貢献をしない
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