勉強の方法として、集中と細々の2つの方法があります。
●集中
ようするに、ある期間、とにかく「そのこと」について集中して勉強する方法。
たとえば、金融について知りたければ、図書館などで金融関係の本をとにかく借りてきて読んでみる。現在の金融関係の雑誌などを読みあさるなど、すべての時間を「そのこと」に投資してしまうやり方です。
●細々(ほそぼそ)
私が割と得意なのが、こちらの方法。
つまり、色んなことをつまみ食いしながら、何年もちょっとづつ勉強していくやり方です。
■ドラッカーの進める勉強法
ドラッカーは著書『プロフェッショナルの条件』で下記のように述べています。
★P101〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
やがて私は、一時に一つのことに集中して勉強するという自分なりの方法を身につけた。今でもこの方法を守っている。
次々に新しいテーマを決める。統計学であったり、中世史であったり、日本画であったり、経済学であったりする。
もちろんそれらのテーマを完全に自分のものにすることはできない。しかし、理解することはできるようになる。
すでに 60 年以上にわたって、一時にひとつのテーマを勉強するという方法を続けてきた。
この方法でいろいろな知識を仕入れただけではない。新しい体系やアプローチ、あるいは手法を受け入れることができるようになった。勉強したテーマのそれぞれに、それぞれ別の前提や仮定があり、別の方法論があった。
P.F.ドラッカー(著) 『プロフェッショナルの条件』
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ドラッカーが日本画を勉強したことがあるとは知りませんでしたが、とにかく、ある時期は「そのこと」に集中して勉強するという方法をとっていたと述べています。
私のように、少しづついろんなことをつまみ食いしていると、やっぱりその道のオーソリティにはなれないのでしょうね。
ただ、「そのこと」についてはある程度知っているので、あらゆることについて、「ちょっとだけ知っている」という状態になります。
学者ならいざしらず、サラリーマンとしてある程度の職位(経営者ではない程度)を目指すのであれば、その専門は「マネジメント」にあると考えています。
つまり、それ以外の分野においては、自分の仕事としてきた分野は専門として持つべきでしょうが、それ以外のところは、
ちょっとだけ知っている = 専門家(部下・コンサル)の発言についていける
程度でも十分だと考えています。
自分が何かを作り出すのではなく、実際に行動するのは部下なわけです。
部下に対して、アドバイスできる程度の広い知識があれば、仕事は成り立ちます。
これが学者にはない組織の利点ですね。
■全く知らない分野は集中が必要
ただし、いままで全く知らなかったとこについては、ほそぼそとやると、全体像がつかめません。
したがって、この時には「集中勉強」が必要です。私は管理職になって役員との話ができるように金融や経営について勉強した時には、半年くらいはそれ以外のことは放り出して、その関連の書籍やセミナーを受講しまくりました。
でもある程度知識が付けば、あとはやっぱり時事の変化についていくための情報収集と、時々関連する書籍を読んだりする程度で、またほそぼそと続けるようになりました。
ドラッカーを否定するものではありません。
取っ掛かりは集中、あとはほそぼそ
がいいのではないかと思います。いわゆる「竜頭蛇尾」というやつですかね?
■参考図書 『プロフェッショナルの条件』
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どうすれば一流の仕事ができるか。ドラッカーの教える知的生産性向上と自己実現の秘けつ
本書は,ドラッカーの膨大な著作の中から,我々一人ひとりがどう成果をあげ,貢献し,自己実現を図っていくかについて述べた部分を抜き出して1冊の本にまとめたものである。
本書には「はじめて読むドラッカー」という副題もついている。そのとおりこれからドラッカーを読み始めたいという読者にはうってつけの本である。本書は11の著作・論文から選りすぐった論集であるだけに,企業・社会に対するドラッカー一流の深い洞察が随所に顔を出しており,ドラッカー理論のエッセンスに触れることができる。巻末には出典著作の解説が出ているので,興味を引かれた本から読み始めることをお勧めしたい。
本書の最も優れているところは,ドラッカー自身がどう学び,どう成長してきたかを語る「私の人生を変えた七つの経験」である。現代の巨人が自ら語る成功の秘けつは,まさに「プロフェッショナルの条件」そのものといってよい
原書名は『THE ESSENTIAL DRUCKER ON INDIVIDUALS: TO PERFORM, TO CONTRIBUTE AND TO ACHIEVE』。現代マネジメント思想の巨人、ドラッカーを初めて読む人のために、これまでの著作10点、論文1点からエッセンスを抜き出し、ドラッカー自身が加筆・削除・修正した必携本である
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