上司の悩みのひとつとして、
問題点が爆発(寸前)するまで報告がない
というものがあります。
どうしてこんなことになるんでしょうか?
■問題を抱え込む
端的に言ってしまえば、
部下は問題を報告しない
からなんですが、この理由が『プロジェクトを変える12の知恵』に分析してありました。
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問題を抱え込むのは、「それが自然な心の動きだからだ」と前段で述べました。でもそれでは、どのように解決すればよいかが見えてきません。なので、問題や遅れを抱え込む原因を別の切り口で考えてみましょう。問題や進捗遅れを抱え込む原因を次の四つに分解します。
・問題・進捗遅れを自覚できていない
・自覚はあるが、影響の大きさを理解していない
・自覚はあるが、自分で何とかすべきと思っている
・自覚はあり相談もしたいが、周りに遠慮して言い出せない
影山明(著) 『プロジェクトを変える12の知恵』
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ん〜。全くその通りかな。
■問題・進捗遅れを自覚できていない
これが最悪ですね。
ウチの部下にもそういうベテランがいます。
問題が起きているのに、別に問題だとは思ってない。納期がどんどん近づいてきているのに、全く捗っていない。進捗ミーティングで「どうなってるの?」と聞くと「やってます」。
この部下に特徴的なのか、これが一般的なのかわかりませんが、ある程度技術力がある人に多いように感じます。
土壇場で何とか形にできちゃうので、途中もたもたしていても、完全崩壊にはならないし、怒られた経験がないので緊迫感もない。
いままでそうやって切り抜けてきたから、スケジュールやマイルストーンを作れと言っても、全く作らない。スケジュールがないので、進んでいるのか遅れているのかがわからない。わからないから進捗がなくても問題無いと思っている。
という無限ループを回ってます。
こういうタイプは、若いころなら矯正が効きますが、ベテランになるともう難しいです。
そうなったら、徐々に重要な仕事や人を指導する仕事を減らしていくようにせざるを得ません。
納期が多少ルーズでも問題ないような仕事を振るような対応が必要になってきます。
■自覚はあるが、影響の大きさを理解していない
これは若手技術者におおいです。
プロジェクトの状況がわかってなくて、自分のことしか見えてないので、「自分が解決すればいい」とおもっている。進捗が遅れても自分の担当分が完了すれば自分の責任は終わりだと思っている場合です。
このために、それが遅れることで次の業務の開始が遅れて、結果プロジェクトに致命的な影響をだすような場合でも、自分の責任は全うできたと感じているのが特徴。
こういうタイプは、若手なら仕事の流れをしつこく教えていくことになるので、指導者(上司や先輩)の腕の見せどころになるのですが、もし若手でなければ、やっぱり昇進・昇格の対象からは外します。残念ながら。
■自覚はあるが、自分で何とかすべきと思っている
このタイプは責任感が強い人が多いのですが、話せばわかってもらえます。
ただ、問題を表面に出させることが難しいです。
現在の問題を的確に表現することができない人が多いみたいです。
そのため、ミーティングでつつくと、「大丈夫。何とかします」と言ってしまって議論が進みません。
リーダーの力量が問われるポイントです。
こういう人をうまくさばけるようになると、リーダーとして一皮むけたといえるポイントです。
ちなみに私はというと、まだまだたくさんの分厚い皮をかぶってるかも。
もしかしたら「皮」ではなくて「革」かも。こっちのほうが分厚そうでしょ。
■自覚はあり相談もしたいが、周りに遠慮して言い出せない
やっぱり自分の感覚としては日本人に多いです。
ただ、中華系の人だと問題を指摘した時に「他責的な問題にすり替える」人がたまにいるので、全員の前でいきなり発言させると問題が起きますし、日本系列(?)の人は大勢の前ではまず言いません。
私はなるべく個別に話を聞いて、必要に応じてそれを通訳しながら関係者に伝える(言い方に気をつける)みたいなことをしてます。
「遠慮」に対しては、なるべくフランクに話をする場を設けるしかありませんので、
個別お茶会
みたいなことを時々やってます。
「ちょっとコーヒーでも飲みにいこうか」みたいな、2人だけでちょっと職場を離れて話をするだけですが。
確かに部下がたくさんいると面倒くさいのですが、これも給料の内なので。
※ウチの会社には会社ないにカフェテリアがあったりして、仕事中にでもちょっと休憩に行けます。
※この「個別お茶会」も機会があればまた詳しく書きたいネタのひとつですが、いざ書くときに思い出さなくて…。
■それぞれのタイプに応じて対応をする
リーダーをしていると、どうしても全体の進捗がつかめない時が一番苦しくなります。
放っておいて完了するものならいいですが、土壇場になってタスクが「問題があってできない」という状態になるのは、悪夢でしかありません。
これを回避するためには、言ってしまえば日頃のコミュニケーションが重要という単純な答えになってしまうのですが、相手の性格やものごとの見方というのを把握していると、多少は問題に気が付きやすくなります。
あなたがもしプロジェクトを複数のメンバーを使って推進する仕事があるのであれば、メンバーがこの4つのタイプのどれに分類されるかをチェックしておくだけでも、問題を全体に波及させずに済む可能性が高くなります。
■参考図書 『プロジェクトを変える12の知恵』
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●本書を引用した記事
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「振り返り」をするポイント
どうして問題を抱え込むのか
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