よくテキパキ、バリバリ仕事をこなして、サラリーマンではなくビジネスマンという人がドラマなどに登場します。羨ましいですね。
私などはドン臭いので、あっちで失敗し、こっちで怒られ、部下には突き上げられて…
じゃぁ、いろんなトレーニングをすれば、ドラマに出てくるようなかっこいいビジネスマンになれるのかというと、長年仕事をして来た結論として、無理です。
■スイマーズボディ幻想
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プ口の水泳選手の肉体が完壁な形をしているのは、とことんトレーニングを積んだからではなく、もともと体格がいいから泳ぎが、つまくなったのである。逆だったのだ!
生まれつきの体形のよさが水泳というスポーツを選ぶきっかけとなったのであり、水泳をしたから美しい姿になったのではない。
化粧品のコマーシャルに登場する女性モデルもしかりだ。
消費者の多くは、その化粧品を使えば自分もきれいになれると幻想を抱く。だが、その商品を使ったからといってモデルになれるわけではない。モデルになる人はたまたま美しく生まれたから、そ化粧品のコマーシャルに起用されているだけなのだ。
スイマーと同じように、この場合も、生まれつきの美しさがモデルという職業の選択基準になっただけで、化粧品を使ったからモデルになれたわけではない。
このように、わたしたちは何かを選択するときに、いつでも「スイマーズボディ幻想」にだまされ、欲しい結果やなりたい状態だけを理由に選択してしまう
ロルフ・ドベリ(著) 『なぜ間違えたのか』
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バリバリ仕事が出来る人が、最初からバリバリできたかというとそうではありません。
これは事実でしょう。相応の努力をしてきた結果です。
でも、だれでもバリバリ仕事ができるようになるかというと、さにあらず。
できない人には、永久にできるようにはなりません。
ミもフタもありませんが。
■できるビジネスマンのマネをしてもできない
できるビジネスマンが、「能率手帳を使っている」といって、私が能率手帳を使ったからといって、そのできるビジネスマンみたいに、仕事ができるようになるわけではありません。
料理の鉄人が使っている包丁を使ったからといって、料理がうまくなるわけはありません。
弘法が使っていた筆を使っても、弘法のような字が書けるわけではありません。
できる人が努力と工夫をしたからできるようになっただけです。
■身の丈にあった目標を立てる
確かに理想とする人がいたほうが、成長できる場合がありますが、理想とする人と同じになろうとしても、その人を理想とする限りその人と同等以上になることはありません。
いいところ「劣化コピー」です。
自分の今の能力を冷静に見て、優秀な人を目指すのではなく、自分の能力プラスアルファを目指すのが、「身の丈」というものかもしれません。
ただし、たとえ少しづつでも能力が伸びていけば、目指す人ではなくとも、他の人から抜きん出た人にはなれる可能性はあります。たとえ1年で 5% でも良くなれば、15年あれば2倍になりますよ。
極論すれば、いまのことを 5% づつ改善し続ければ、15年後には半分の時間でできるようになる、ということです。その時に、15年後の後輩から、「僕もそんな風に仕事ができるようになりたいです」などと言われてみたい、というのがちょっとした夢だったりします。
「真似」をするのではなく、「自分にあったやり方の参考」にしましょう。
■参考図書 『なぜ間違えたのか』
わたしたちはよく、誤った判断を下してしまう――。自分を過小評価するよりも、過大評価することのほうがはるかに多い。
何かを手に入れるときよりも、失う危険があるときのほうが、はるかに素早く反応する。
このような傾向を知っていると、自分の行動がどんな間違いにつながるかを予測できるようになる。
本書ではそんな、誰もが陥ってしまう「思考の落とし穴」を52項目、ユーモアあふれるイラストとともに、切れ味鋭く解説する。
世界各国で話題となっているドイツ発のベストセラー、待望の邦訳!
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●本書を引用した記事
確証のワナ
自己管理能力を上げる方法
成功者をマネても失敗する
一枚岩チームに所属しない
最初からうまかったからプロになる
見えているけど見えない反証を見なさい
サンクコストの誤判断を避ける方法
なぜ、間違えたのか?
●このテーマの関連図書
HELP!―最強知的“お助け”本
畑村式「わかる」技術(講談社現代新書)
哲学で自分をつくる19人の哲学者の方法
戦略にこそ「戦略」が必要だ―正しいアプローチを選び、実行する
(文庫)本質を見抜く考え方(サンマーク文庫)
水平思考の世界