「きみならどうしたいと思う?」
「きみは、次にどうする?」
最近良く聞くようになったセリフですね。
管理職になったり、管理職直前の人に対して、人事教育の一環として
コーチング研修
をする会社が増えましたし、ビジネス書などにもよく出てきます。
でも過信は禁物です。というか、これを万能のツールかのように考えるのは危険です。
■コーチングは使ってはいけない
前回の記事で、コーチングではダメな人の対応方法について、答えを選択肢にして示すという方法を書きましたが、それでもダメな人がいます。
概論的な選択肢を見せられても、「行動」が具体的に想像できないタイプの人です。
そういう人に対しては、「行動を明示して、そのとおりにやらせる」という方法がもっとも効果的です。私は「行動を命令する」と呼んでます。
■行動を命令する
選択肢を示しても正解が出せない人や、次の行動が明確にならない人は問題の解決に必要な能力がないです。リーダーであるあなたの担当者の選択ミスです。
ただ、その担当になったメンバーの育成も必要なので、ここで諦めずに、教育という方法を取ります。
教育なので、考える余地は必要ありません。解決の道筋を経験してもらうことに集中します。
「選択肢2でやりなさい」と明確に指示します。
その上で、「これをこうして、こうなったら…」みたいに相当具体的に言わないといけません(考え方や方針ではなく行動を言う)。
1.○○さんと△△さんとのミーティングを設定する
2.ミーティングの前に「今の問題」「あるべき姿」という資料を作っておく
3.その資料をミーティングの前に見せに来なさい(○月○日中)
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とまぁ、こと細かく指示するわけです。
このタイプの人は、大抵こういう話は「ふん、ふん」と聞いてます。
でトドメに何も書いてない紙を渡して「今僕が言ったことを、ここに書き出して」と指示します。
……おそらく、書けません。
このタイプの人に限らないですが、メモをしない人というのは、相手の発言を自分のイメージでしか捉えてません。具体的に何を言われたのかではなく、どんな感じのことを相手が言って、自分がどうとらえたのか、しか記憶に残してないです。
ここで「今しがた言ったばかりだろう!」と怒ってはいけない。おさえておさえて…
もう一度、やるべき行動を言いながら、今度はすぐに書き取らせます。
正確に。省略しないように。省略して書いたら「きちんと書け!」と指示して、書くまで待ちます。
最後に、最初にとるべき行動に、赤丸をつけて、「これをやったら報告に来なさい」と指示します。
※「自分がやったほうが早いな」と思うことも多々ありますが、そこは我慢して…
※もしかしたら、大器晩成型の部下かもしれませんので…。1万年後くらいには…。
■あなたが部下なら
もしあなたが報告した時に、上司が次の行動を細かく指示した時には、あなたは上司からこういう目で「使えないないヤツ」と思われてるかもしれませんよ。
そういう時には、先回りして「こういう問題がありまして、こうしたいと思いますがいかがでしょうか?」と自分の答えを先に言うようにしないと評価が上がりません。
次回は、このやり方の理論編、「人の成長」について考えてみたいと思います。