上司やリーダーの判断を仰ぐために、資料を作って相談に行くと、「こんな資料じゃぁよくわからん。作りなおせ!」と言われることが過去少なくありませんでした。
で、何が足らないのかわからないので、そのことを正直に聞くと「もっと幅広く検討しろ」「他の方法もあるだろう」みたいに抽象的な指示しか返ってこなくて、困り果てる。その結果何を考えていいかわからずに時間だけ経過してしまって、上司から「あの件はどうなってるんだ。はやくしろ!」と請求される、こんな経験ありませんでしょうか。
自分が上司という立場になってみると、こう言いたくなる理由がよくわかりました。
何が足らないのかわからないけど、何かが足らない
部下の持ってきた方向性が、自分の}野生のカン}と異なる
このいずれかです。
そりゃぁまあ、具体的な指示もしようがないわな。
■上司はわかっているが、わかっていない
ちょうど、この本『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』にその理由が書いてあり、「そうだよね〜」と感心してしまいました。
★P61〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
上司が判断する際の晴報提供、すなわちアシストをすることで決済が早くなることをお話ししましたが、 上司自身も何の晴報が不足しているのか、ということは案外わかっていません。
ただ、何となく不足していることは感覚でわかります。そのため、その足りない部分を考える時間をかせぐために、「やり直し」「出直 L 」を命じることはあります。明確に不足している情報を指摘できないため、「検討が甘い」とか「別の案ももう少し検討せよ」などという抽象的な言葉で濁して指示をします。
何が望まれているかがわからないため、部ドは推測したり、周りの入にアドバイスを求めながら進めていきます。そして、ある程度まとまった段階で、もう一度に相談に行くのですが、ここで成功する確率は決して高くはありません。なぜなら、求めたほう(上司)も不明確で、対応したほう(部下)も不明確な状態で突き合わせるのですから、再提出した情報や資羽が的を射ている確率が高いわけがありません。ということで、ここでも結論を得ることができず、再度迷路に人り込むことになります。この時問が、非常にもったいないわけです。
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また上司自身も、自分が何を欲しているのかがよくわからないけれど、持ってきてもりった資料が的を射でないことはわかる。しかし、それを明確に指摘できないため、資料の精度の低さやわかりにくさということに、問題をすり替にてしまっているのです。
新名史典(著) 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
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うん。そうそう。
最近も、あるプロジェクトを任せていたら、いろいろな技術課題があって、うまく進んでないので、「今後の対応策を検討して報告するように」と指示しました。
もってきた対応案は、プロジェクトの本来の目標に対してマイナスの要因をもたらすようなものばかり。
で、「アカン!」と突き返すのですが、「じゃぁ自分だったらどうするか」という答えがあるわけでもありません(当然ながら、その技術課題をクリアするのは相当難しいのは理解してます)。
こうして堂々巡りが始まるんだなぁ…、と考えてしまった次第です。
■設問に答えるのではなく、設問を相談する
それでベストの答えが出るわけではありませんが、今回の問題の場合、上司として部下には本書にあるような行動を期待してました。
★P63〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
やり直しのない、あるいは最低限のやり直しですむようにするにはどうすればいいのか。そのためには、精度の低い段階で、あえで上司に「ヒアリング」に行くのです。
ただし、これはあくまでも「ヒアリング」です。「判断」を求めようとすると、「こんなまとまりのない資料ではわからない。きちんと整理してもう一度持ゥてさてくれ」と言われてしまいます。
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そして、一緒に問題を考える姿勢になるため、何が不足しているのか、どんな情報が求められているのか、をじっくりと考える態勢ができます。
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すると、一緒に考えたことだし、明確な指示を出したという自覚が上司白身にもあるため、当然「判断」も早くなります。
部下からすれば、「判断」を仰ぎに行くときも、「ご意見やアドバイス」を求めに行くときも、それほど違いはないように思たるかもしれません。
しかし、この両者のニュアンスは、大きく異なります。早い段階、粗い段階で、あ凡て意見やアドバイスをもらうという形を作り、方向性を見定めてから精度の高い情報や資料を作成することで、上司白身の意見も明確になり、判断も早くなるのです。
そして、何よりもありがたいのが、部下にとっては準備や対応の時間に無駄がなくなり、やり直しがなくなるといフことです。この、「やり直しなしの一発 OK」が実現できるように、ぜひ意見やアドバイスを上手に求めるようにしてください。
新名史典(著) 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
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つまるところ、その他のメンバーとの技術課題の検討の場に、その上司を呼んでしまって、一緒に検討をすればいいわけです。
ただし、上司としては、「あまりメンバーの検討すべき技術のところに口を出すのはよくない」と思っていたり、検討会に参加する時間がない場合もあるので、個別に相談した上で、メンバーと検討し、その結果をまた上司と相談する、というようなやり方をした方がいい場合もあります。
いずれの方法にせよ、本書のように「検討レベルで上司が入っている」ということになれば、もう上司はその経緯やら判断条件やらの必要なモノは揃っていることになるので、「最終的にこうしたいと思います」と一言言えば、「そうか、分かった」と言わざるをえない状況になっているわけです。
さらにそうなれば、上司の上司からなにか言われたとしても、上司自身が検討しているので、その場で対応してくれます。
もし上司が検討に参加していなければ、「部長から××の問題があると指摘されたので、もう一度検討しろ」とちゃぶ台返しをされることも少なくなります(なくなるとは言いませんが)。
■参考図書 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
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●本書を引用した記事
優先順位を正確に意識する
部下力のみがき方4:キーメッセージ2
バカな上司の下でも成長できる仕事術2
論理が飛躍すると理解不能になる
部下力のみがき方1:部下力のみがき方
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上司にお願いする作業は分解してから渡す
人を動かす:相手の話を聞くときには手を止めなさい
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●このテーマの関連図書
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