逆算の発想でスケジュールを作る


時々聞く話なのですが、家を買うとき「通勤30分」などという売り文句に釣られて「30分なら圏内か…」と判断すると、電車の本数が少なくて、結局1時間コースになったとか…。


ちなみに私も電車を乗り継いで通勤してますので、その感覚はわかります。

■時間計画には遊び時間が必要


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●「遊びの時間」を考慮して逆算する
到達点から逆算する方法にも、落とし穴があります。それは、「突発的なスケジュールが発生したとき」と、「逆算の過程が抜けていたとき」です。

突発的なスケジュールとは、急な来客や電話、事故などです。的外れな仕事をしている人は、突発的なスケジュールを頭に入れていません。

たとえば、逆算して考えた結果、取引先の駅に 5 分前に着けば間に合うとわかっても、電車が遅れることもありますし、なんらかの理由で会社を出るのが遅れるかもしれません。ですから、必ず「遊びの時間」(余裕時間)を考えて、逆算する必要があります。

もうひとつの「逆算の過程が抜けている」というのは、たとえば、取引先との打ち合わせ時間が 17 時からだとすると、その 17 時を最寄駅への到着時間に設定してしまうことを言います。つまり、駅から会社までの歩く距離を考えていないと、せっかく逆算しても、取引先との打ち合わせ時間に遅れてしまいます。

余談になりますが、スーパーやコンビニでは、「プライべートブランド」と言われる開発商品が売られています。この商品を開発する際、価格は逆算方式で決められていることが多いのです。たとえば、一流の飲料メーカーに対抗するプライべートブランドをつくろうと思えば、まず価格を決定し、「どうすれば、その価格を実現できるか」という発想で各工程を見直していくのです。一方、原料が 34 円、輸送コスト 10 円、パッケージ 23 円、デザイン 5 円、梱包代 … … というように積み上げていくと、価格は高くなりがちです。だから、初めに価格を設定し、「どの工程で、いくら削減できるか」を考えるのでず。

鳥原隆志(著) 『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく
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メーカーに努めているとわかりますが、本書『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』で紹介されている、「価格は逆算方式で決定する」のは当たり前です。
「いくらで売れるか」が最初に決まって、「いくらで作らないといけないか」が自動的に決定されます(もちろん、限界利益率などは加味されますが)。開発者に決定権があるのは、それをどのように部品に分配するかは決められますが、全部でいくらになるのかは決定権がありません。

個人的には、「これが普通じゃないんだ…」とちょっと驚きの事実。
※〓〓〓〓閑話休題〓〓〓〓




■自分の見積能力を測定する


以前の記事

 遊び時間を作る

でご紹介しましたが、「これだけの工数をかければできるだろう」とかんがえると、人によりばらつきはありますが、大体2倍弱程度の時間が実際にかかります。
これは何を意味しているかというと、「やるべき作業」の他に「その作業に付随する別の作業」が存在するからで、それは実際やるときになって初めて気がつくシロモノがおおいからです。

賞味時間でいえば、「電車に載っている時間は30分」なのですが、現実には電車に乗るまでの移動時間や電車の待ち合わせ時間が必要なわけです。
こういったものを考慮するためには、

 ・突発事態に対応する時間
 ・見積になかった時間

というのを測定しておくことが必要です。

これらは、作業時間にもまして、自分の見積能力によって左右される時間だからです。
自分の能力を把握しない計画は、すでに計画ではなく単なる絵に描いた餅ですね。

■引き算の発想法


ただし、仕事なので当然期限があります。

その期限に対して、自分の見積能力を加味して、どのようなやり方でやれば間に合うのかを検討するのは、担当者の仕事であり、責任でもあります。
もし、間に合わないリスクがあるなら、そのリスクをどのように軽減するのかを検討しなければなりません。

先ほどの電車の例で言えば、別料金を払って特急電車に乗れば15分でつくようにするわけです。

不確実性の高い「電車の待ち合わせ時間」を削減しようとすると、大抵は失敗します。不確実性が高いので、10分くらいは必要だったものを「5分」と言ってしまっても、大した根拠(短縮可能である手法)がないからです。
確実に読める時間を具体的な方法で短縮した結果、間に合うように計画をたてないと、計画を守れる方法にはなりません。

そのためには、極力不確実な時間の確実性を上げること(つまりは自分の能力を把握すること)と、確実な時間を短縮するための業務の効率化の方法をいくつも持っていることです。

そして、ゴールから逆算による時間配分にわりあててみて、工数配分に変換することが必要ですね。




■参考図書 『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく





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「考えて仕事をする」とはどういうことなのか?

「もっと考えて仕事をしなさい! 」
「そんなこと、少し考えればわかるだろう! 」

上司や先輩から、このように叱られることはありませんか?
叱られている本人だって、それなりに考えて仕事をしています。それなのに、うまくいかない。
その本当の原因は、「考えていない」ことではなく、「考え方が間違っている」ことにあります。

仕事のさまざまな場面で、何を考えれば的確な行動ができるのか。できる人が必ず押さえている「15の視点」を本書で解説します。
行動を起こす前の「たった5秒」。そこで何を考えるかが勝負です。





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著者 :鳥原隆志

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●本書を引用した記事
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 指差し確認、もう一度確認
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 遊び時間を作る
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 逆算の発想でスケジュールを作る

●このテーマの関連図書


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