報告書に必須の4要素:3.「テーマ」を文章にする




仕事で上司から「×××の報告書を作りなさい」と指示されたり、メールでちょっと長文のメールを書くことがありますよね(以下、まとめて「報告書」といいます)。
この時に、わかりやすい報告書とそうでない報告書を見比べてみると、わかりやすい報告書にはいくつかの特徴があります。

 ・設問者が期待した答えがある
 ・だれに何をして欲しいのかが分かる

というポイントが押さえられています。

一気に書くと長文になってしまうので、「報告書に必須の4要素」シリーズとしてご紹介します。

最初に登場人物をご紹介しておきます。

 報告書: 報告書・メール・プレゼン資料などの文書
      場合により、口頭での報告なども含む
 報告者: 報告書などの文書を書く人(多くは部下)
 書き手: 報告者と同じ。文書を作ることを意識して使い分ける事があります。
 設問者: 報告者に文章を書くように指示した人
      (多くは上司・メールの発信者)
 設問 : 設問者が報告者に発した内容そのもの
 読み手: 報告書を読む人。設問者も含まれるが、報告書は多数の人が読む場合もある。

前回の記事で、報告書は最初に「問い」がある、と書きました。

本日は、その「問い」を「テーマ」として報告書にどのように展開していくのかについて、整理してみたいと思います。

■テーマ

時々、報告時に見かけるのが、テーマ選択自体が間違っている報告です。

前回の第1の要素「問い」に使った例題からもう一度考えてみることにします。

★――――――――――――――――――――――――――
 部長:製品Xの市場シェア向上策について報告してくれ
――――――――――――――――――――――――――★


ここでの「問い」が前回のように

★――――――――――――――――――――――――――
 ・製品Xの現在の市場シェアはどのような状況か?
 ・製品Xの現在の市場シェア低下の原因はなにか?
 ・製品Xの現在の市場シェア低下を食い止め、向上させるための施策はなにか?
 ・自分の部門でどのようなことがやれるのか?
 ・それは誰が、いつ、何をするべきなのか?
――――――――――――――――――――――――――★


だったとした時に、テーマは単純に「製品Xの市場シェア向上策」ではありません。

以前の記事でも書きましたが、「アクションを体言止めしてはいけない」んですよ。
「体言(名詞)止め」というのは便利なのですが、その意図するところがぼんやりしてしまいます。

同じことが「テーマ」についても言えます。

報告書やメール、果ては口頭での報告でも、「向上策」と言ってしまうと「策をどうするのか」という動詞の部分、すなわちアクションがごまかされてしまいます。
※すごく一般的な言い方をしてしまえば、なにかの「アクション」とは行動であって、行動というのは「動詞」でないと表せません。

だから、「問い」として、「向上策として誰が何をするべきなのか?」という「問い」がはっきりしたら、

 「製品Xの市場シェア向上策の次の活動を開始を促す」

とするのか、

 「製品Xの市場シェア向上策の効果推定をする」
 「シェア向上策をいつ始めるべきなのか」

のかを明確に表さないといけないというわけです。

「テーマ」とは、日本語にすれば「話の主題」。主題が明確にならなければ、首尾一貫した報告書にはなりません。

設問者が部長なら、おそらく

 その部門のリソースをいつ、どのように、どのくらい使えば、シェアの向上にどの程度貢献できるのか

が主たる設問のテーマでしょう(まあ、それぞれのシチュエーションに依存しますが)。現在のシェアがどうなのかはその前菜に過ぎません。

つまり、テーマは設問者の背景に当たる部分からくる、本来要求したかったことです。


◆このテーマのおすすめ図書



逆境からの仕事学

マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかったいい努力

仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方

家事も、家計も、子育ても・・・みんなのアイデアが満載!家しごとがもっと楽しくなるノート術

「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣

大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法



■関連する記事

お世辞も言わねばサラリーマンは務まらない

お世辞やゴマすりが人間組織の歴史からなくならないのは、それが効果があるからです。「お世辞で上司に取り入る」というとなんだか聞こえが悪いですが、上司にうまく取り入っていかないとサラリーマンとしては仕事が続けにくいです。上司に嫌われて、仕事がうまく行かなくなったという例は、枚挙にいとまがないですが、上司に好かれて仕事がしにくくなる、というのはたぶんそうそうありません(よほど持っているスキルとかけ離れた仕事を割り当てられない限り)。..

部下力のみがき方2:要約

結構久しぶりですが、ビジネス書をご紹介します。図書名称:上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方著者:新名史典いかにもサラリーマンに向けの本なので、読んだことがある方も見えるかも。私のブログでも時々引用させて頂いています。とくにポイントだと思うのは上司が仕事のボトルネックという点。仕事の効率を挙げるためには、上司をうまく巻き込んで行くことが重要。その点を「上司を上手に使う」と著者は表現しています。..

なぜなぜ分析2:原因は一直線ではない

「なぜなぜ分析」という言葉を知らない人はあまりいないのではないかと思います。では、そのやり方は?というと結構心もとない人も見えるのではないでしょうか。やっぱり、ある手法というのは、基本的なやり方があって、そのやり方をきちんとトレーニングを受けていないとうまく使えないものです。これは、なぜなぜ分析に関する本を読むだけではな足らなくて、実際に講習などで受講してみないとうまく使えるようにはなりません。もちろん、講習を受けたからといってそうなるとか限らないですが、本で詳細を..

部下を持つ人の4つの「ない」

この4月で昇進された方も見えるのではないでしょうか。遅くなりましたがおめでとうございます!!管理職になられた方も見えると思います。いままで管理される側だったのが、管理する側になると世界が変わって見えますよね。私もそうでした。初めて部下を持った時、いままで同僚として、後輩として一緒にやってきたのに、今日からは、部下として彼の成長に責任を持たないといけないし、その人の「できる」具合を評価しないといけない。下手をすればその人の一生を決めてしまう判断をしないといけない。..

上司から歩み寄らないと本当の情報は入ってこない

このブログは主に一般職に向けて書いていますが、今年管理職に昇進された方も見て見えるかもしれませんので、本日は管理職向けのヒントをイッパツ。本当の情報管理職になると、だんだんナマの情報に触れることが少なくなります。現場情報は部下を通じて取得することになります。また、部下の個人的な情報についても同じです。彼氏・彼女ができた。引っ越ししたみたいな情報も、実際入りにくくなります。私は、..

報告書に必須の4要素:6.文字にして4要素を吟味する

仕事で上司から「×××の報告書を作りなさい」と指示されたり、メールでちょっと長文のメールを書くことがありますよね(以下、まとめて「報告書」といいます)。この時に、わかりやすい報告書とそうでない報告書を見比べてみると、わかりやすい報告書にはいくつかの特徴があります。・設問者が期待した答えがある・だれに何をして欲しいのかが分かるというポイントが押さえられています。一気に書くと長文になってしまうので、「報告書に必須の4要素」シリー..

報告書に必須の4要素:5.「反応」を引き出す

仕事で上司から「×××の報告書を作りなさい」と指示されたり、メールでちょっと長文のメールを書くことがありますよね(以下、まとめて「報告書」といいます)。この時に、わかりやすい報告書とそうでない報告書を見比べてみると、わかりやすい報告書にはいくつかの特徴があります。・設問者が期待した答えがある・だれに何をして欲しいのかが分かるというポイントが押さえられています。一気に書くと長文になってしまうので、「報告書に必須の4要素」シリー..

報告書に必須の4要素:4.「答え」を論理的に推敲する

仕事で上司から「×××の報告書を作りなさい」と指示されたり、メールでちょっと長文のメールを書くことがありますよね(以下、まとめて「報告書」といいます)。この時に、わかりやすい報告書とそうでない報告書を見比べてみると、わかりやすい報告書にはいくつかの特徴があります。・設問者が期待した答えがある・だれに何をして欲しいのかが分かるというポイントが押さえられています。一気に書くと長文になってしまうので、「報告書に必須の4要素」シリーズとしてご紹介します。最初に登場人物をご..

報告書に必須の4要素:3.「テーマ」を文章にする

仕事で上司から「×××の報告書を作りなさい」と指示されたり、メールでちょっと長文のメールを書くことがありますよね(以下、まとめて「報告書」といいます)。この時に、わかりやすい報告書とそうでない報告書を見比べてみると、わかりやすい報告書にはいくつかの特徴があります。・設問者が期待した答えがある・だれに何をして欲しいのかが分かるというポイントが押さえられています。一気に書くと長文になってしまうので、「報告書に必須の4要素」シリーズとしてご紹介します。最初に登場人物をご..

報告書に必須の4要素:2.正しく「問い」を認識する

仕事で上司から「×××の報告書を作りなさい」と指示されたり、メールでちょっと長文のメールを書くことがありますよね(以下、まとめて「報告書」といいます)。この時に、わかりやすい報告書とそうでない報告書を見比べてみると、わかりやすい報告書にはいくつかの特徴があります。・設問者が期待した答えがある・だれに何をして欲しいのかが分かるというポイントが押さえられています。一気に書くと長文になってしまうので、「報告書に必須の4要素」シリーズとしてご紹介します。最初に登場人物をご..

報告書に必須の4要素:1.概説

仕事で上司から「×××の報告書を作りなさい」と指示されたり、メールでちょっと長文のメールを書くことがありますよね(以下、まとめて「報告書」といいます)。この時に、わかりやすい報告書とそうでない報告書を見比べてみると、わかりやすい報告書にはいくつかの特徴があります。・設問者が期待した答えがある・だれに何をして欲しいのかが分かるというポイントが押さえられています。一気に書くと長文になってしまうので、「報告書に必須の4要素」シリーズとして..



■同じテーマの記事

「あなたがた」ではなく「私たちは」と言いなさい

調べてみると、「論理を鍛える」ようなセミナーは非常にたくさんあります。多くの人が「自分の課題だ」と思っている(=需要がある)ということなのでしょうね。他人に対する「説得力」の違いがでるのは、もちろん論理的に話すことも重要ですが、人は論理だけでは動きません。気をつけていたい言葉に「私たち」という言葉があります。その事例としてすごくわかりやすい説明が載っている本の一節をご紹介します。..



posted by 管理人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 知的生産術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。