多数の雇用形態の仲間を持つときに注意するべきこと




ドラッカーが雇用形態について言及している部分があります。




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5月16日 雇用形態の多様化
●これからは多様な雇用形態の人たちをチームにまとめなければならない。

今日では、フルタイムの正社員、雇用業務代行会社の社員、派遣社員のほかにも働く人たちがいる。たとえば、早期退職後の人たちである。彼らは働きつづける。雇用形態は多様である。フリーランス、パート、派遣社員、アウトソーシング先の社員として働く。知識労働者の間では、このように働きつづける早期退職者が当たり前の存在となりつつある。

今やこれら多様な人たちを惹きつけ留まってもらうことが、最大の課題である。終身雇用ではない。

旧来の意味でのマネジメントをする必要はない。しかし、生産的に働いてもらう必要はある。彼らめ専門知識が最大の貢献を行なってくれる場所に配置する必要がある。そのような人たちの能カ開発、動機づけ、自己実現、生産性向上をはかっていく必要がある。(『ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる』)

●Action Point
従来型の社員ではない人たちを惹きつけ、一体的に働いてもらってください。

P.F.ドラッカー(著) 『ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる
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いま、私の部下には、いわゆる非正規雇用従業員である派遣社員やシニアスタッフ、契約社員などがいます。彼らは単なる労働者ではなく、ドラッカーのいうところの知識労働者であり、彼らの働くモチベーションが結果に大きく影響します。

したがって、彼らが、会社ではなくチームとしての現在の職場に帰属意識を持ってもらうことというのは、自分たちの会社や組織としても重要な問題です。

おそらくすべての知的生産業務に対応可能な具体的答えはないでしょうが、やはりドラッカーのいうところの、本来のマネジメントが必要なところなのでしょうね。




■雇用形態が違う仲間


それが正解なのかどうかわかりませんが、雇用形態が違う人でも

 仲間として扱う

のがもっとも大切だと思っています。

雇用元が違えば、給料が変わってくるのは仕方ないので、たとえ社員並みに働いてくれている人でも、社員よりは給料が低くなる人もいます。逆に給料が高い人も出てきます(現時点はいませんが)。

つまり、給料や福利厚生などの待遇を等しくすることは現時点は不可能です。

そうなった時にどうするかというと、

 帰属意識に訴える

ことが、正社員以外の人をモチベートする方法だと考えています。

つまり、何かのミーティングの時に「派遣社員だから」という理由で呼ばないようにしたり、期首・期末の MBO 面談を社員同等にする(評価結果が何らかの影響があるわけではありませんが)などのように、管理職が正社員と非正社員に扱いを変えないことです。

一般社員同士でも、そういう区別するような発言をする人には厳しく注意します。
そうしていると、雰囲気的に一般社員同士でも、区別なく扱うようになります。

たとえば、業務の方針や作戦を決めるときに、同僚として、あるいは専門家のひとりとして意見を聞くようになります。

 「方針に口出しさせてもらったのは、ここが初めてです」

そんな風に言われるようになったら、おそらく社員同等の帰属意識を持って組織に所属してくれると思います。

ただし、こういう状態を作るのはやっぱり管理職の仕事なので、管理職がその意識がないとなかなかうまく行きません。
それでも、少なくとも自分だけは仲間として扱うようにしていけば、周囲も変わってくるかもしれません。




■参考図書 『ドラッカー365の金言





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ドラッカーのすごさは、簡潔な文章をもって複雑な世界をずばりと切り裂き、真理を明らかにするところにある。禅師のごとく普通の真理を数言をもって示す。読むたびにこちらの理解が深まっていく。本書『ドラッカー365の金言』は、それら至言のいわば宝石箱である。読者は一万ページを読むことなく真髄を得ることができる。





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ドラッカー365の金言
著者 :上田惇生

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●本書を引用した記事
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 希望の部署に移動する方法
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 定型業務をカイゼンしなさい
 部下力のみがき方3:キーメッセージ
 部下力のみがき方2:要約

●このテーマの関連図書


松下幸之助成功の金言365

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経営の哲学(ドラッカー名言集)

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■参考図書 『ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる




マネジメントの大家、ピーター・ドラッカーによる未来予測。
「日本にとっての最大の問題は(経済ではなく)社会のほうである」とし、来るべき未来を予測し、そこで生じる問題や脅威、機会を明らかにしている。
本書の中でドラッカーは、今日の先進国に共通する問題である少子高齢化のインパクトと、それに応じた雇用・マネジメントの変化について論じている。来るべき未来に対応するために、企業の雇用はどうあればいいのか、さまざまな雇用形態が入り乱れるなかで、マネジメントはどのようになされるべきなのか、個人はどのようにキャリアを磨いていけばよいのか、興味深い議論が展開されている。
本書はまた、トップマネジメントやビジネスパーソンへの啓蒙という意味でも価値がある。トップを含む知識労働者の資質や教育、雇用、評価の方法など、知識社会で働くすべての人に欠かせない視点が提供される。






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著者 :P.F.ドラッカー
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●本書を引用した記事
 自分をブランディングする方法
 ドラッカーが教えてくれるサラリーマンの生産性向上
 明日を支配するもの:資産の保全こそマネジメントの責務である
 明日を支配するもの:知識労働者には自律性と責任がともなう
 明日を支配するもの:まだ行っていなかったとして今これを始めるかを問わなければならない
 自分が得意な仕事の仕方を知る方法2:仕事のやり方の特徴チェックリスト
 自分が得意な仕事の仕方を知る方法1:自分が得意な仕事の仕方を知る方法
 生産性を高める
 継続的学習の重要性
 多数の雇用形態の仲間を持つときに注意するべきこと

●このテーマの関連図書


明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命

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