具体的に妄想すると考えられる




■読書は妄想しなさい

本を読んでいて、パラパラとページをめくっているときがあり、突然何分も特定のページで停止している時があります。

本のある文章を読んで、突然思考が本から離れてしまって、今の自分の置かれた状況に当てはめてみたり、ある単語について考え始めてしまうときがあるからです。そうなると、視線は本の上に注がれてますが、目に写っているものは、本ではなくて妄想の世界の出来事になってしまいます。

前者の「今の自分の置かれた状況」に飛んでいる時が、以下に紹介されてました。

★P133〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●具体的に例証してみる
「××は○○である」というような著者の主張を見かけたら、何かの実際例をイメージして、それが普遍的に適応できるのかを判断してみましょう。その主張が抽象的であれば、より一層効果的です。

 「メモは、アナログの紙が一番である

という主張があり、その説明の補強として「携帯電話よりメモ用紙にペンで書いた方が早いから」という説明があったとしましょう。

この部分だけを見ると、「うんそうだな」とうなずきたくなります。しかし、これは一般的な真理として認められるでしようか。

街中を歩いていると、驚くほどのスピードでメールを打っ若い女性を見かけます。そういう人は携帯の方が早いかもしれません。そう考えると、あまり一般的とはいえないような気がしてきます。

書き手は、何かの主張の後に具体的な説明を持ってきて、それを補強します。その部分だけを見れば、説明には破綻がありません。しかし、当たり前ですが、著者は自分の説明が成立するよ、つに具体例を選んでいるはずです。ある意味で成立するのは当たり前といってよいでしょう。問題は、それがごく特殊な話かもしれない、という点です。リンゴとキイチゴと桃を並べて、「果物はすべて赤い」と主張しているよ加つなものです。そこにバナナを持ってきて、「他の色もありますよね」と反論を返すことも対話型読書では必要です。

倉下忠憲(著) 『ソーシャル時代のハイブリッド読書術
――――――――――――――――――――――――――――★


本の内容に反応して、ほんの内容ではなく別の内容に富んだときは、だいたい本書『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』にあるような状態になってます。

■自分の状況に置き換えてこそ読書の意義がある

結局、本の著者は著者独自の経験に基づいて、それを極力多くの人に経験が伝わるように書いています。

つまり、本にはあなたの問題やその解決方法は書いてないんですね。その問題の発見や解決方法のヒントになることだけが書いてあります。
それを自分のおかれた状況に当てはめないと、問題も発見できないし、解決もできないんですね。

私は、本書のように「メモはアナログの紙が一番」と言われたら、

 そうか、紙が一番なら、もし自分が紙のメモだけになったら効率化するだろうか?

と考えこんでしまいます。それで、具体的に昨日PCにメモしていたシーンを思い出して、「あの時にPCではなく、紙に書いていたらどうなっていただろうか?」と非常に具体的に場面を考えます。

そうすると時間が巻き戻されて、PCにメモしていたシーンになって、ペンを取り出しながら、下手くそな字で殴り書きをしている状態を想像します。
そうすると、

 書いた字が読めるのか…?
 お、こっちは文章を単語だけにしたぞ
 あの人が言ったことは、前の2つの発言の関係性を示したものだから、線だけでもかけるな

とかいうことを妄想して、その結果、「これあとで読めるかな?」にたどり着きます。

そうすると結論として、「あとで再利用するには紙だと難しいのでは?」という疑問がわきます。その疑問に対して、著者がどのように答えているのかをまたページをあちこち見返して探すことになります。
もし、そういう疑問がわかず、著者の言うように、「すらすらメモしている姿」しか思い浮かばなければ、実際に著者の進める通り、紙のメモに移行してみれば、現実問題がわかります。

著者の経験としては「紙のメモがいい」けど、自分の経験では「紙のメモ」がよくない、という答えもアリです。
しかし、単に、「ふ〜ん。紙のメモがいいのか」で終わってしまえば、何も行動が変わらないので、単なる「理屈屋」になるだけで読書のメリットはありません。
※理論理屈も、ある一面においては重要ですが

■具体的に妄想する

誰かの主張は、自分の状況に合わせて具体化しないと効果はありません。

この主張は自分の状況で言えば、どういうこと?が見えないものは、著者の書き方が悪いか、自分の妄想力が足らないのかのどちらかですね。




■参考図書 『ソーシャル時代のハイブリッド読書術

ハイブリッド読書術とは、"デジタル"と"アナログ"、"リアル書店"と"ネット書店"、"速読"と"熟読"、"ひとり"と"みんな"など、性質の異なる手法を組み合わせて1つの目的を達成する読書法のことです。「本を選ぶ」「本を読む」「読了後の行動」の3つの領域で、ハイブリッドな手法を紹介しています。本書の目的は、そのハイブリッド読書術を使って、現代の情報環境にあった「情報を扱う力」(これを本書では「自軸」と呼ぶ)を身に付けることです。また、ブログに書評記事を書くコツや読書ノートをEvernoteにまとめる方法などについても解説しています。




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●関連 Web
 R-Style「ソーシャル時代のハイブリッド読書術」
 新刊告知 「ソーシャル時代のハイブリッド読書術」 | シゴタノ!

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 ソーシャル時代のハイブリッド読書術
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 具体的に妄想すると考えられる
 ソーシャル時代のハイブリッド読書術

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