過去記事で、何度か論理的に見えるコツというのを書いてます。
・論理的資料作成術:見出しをつけると整理されて見える
・論理的資料作成術:ナンバリングするすると論理的にみえる
・論理的資料作成術:2つの観点で書くと説得力がでる
こういう「資料」すなわち紙に書いた文章やPCに打ち込んだ文章というのは、推敲という作業ができるため、論理的にするのは相対的にハードルが低いのですが、話し言葉となるとそうは行きません。
頭に浮かんだ単語をどんどん文章化してつなげていくと、同じことを何度も言ったり、論理構成が全くできなかったりします。
実際、私は研修で、「論理的に説明する」というトレーニングをした時に、自分のスピーチを録音して聞かされました。
ま、色んな意味で、自分の話は聞くに堪えない…
■論理力はトレーニング
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これに対して、日本の教育現場は論理的思考を鍛えるような環境ではないので、社会人になってから「どうすればロジカルに話せるのか」「そもそも自分は論理的思考が苦手なのではないか」と悩む人が少なくないようです。 ディベーティングやプレゼンなどでは、考えを整理して論理的に話すことができないと、相手に簡単に突っ込まれますし、その場でうまく対処することもできません。
岩瀬大輔(著) 『入社10年目の羅針盤』
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本書の通り、私は社会人になってから、こういうトレーニング(講習)に参加して初めて、自分の至らなさを自覚しました(「させられた」というべきかも)。
もちろん、ある程度上達した時に、さらに高みを目指せるかどうかというのは、個人の資質によるのでしょうが、百点満点中、10点を取る程度なら割と簡単なトレーニングで出来るようになります。
その講習で習ったコツというのは、
書きなさい
ということ。
たったこれだけで、ウン万円を支払ったのですが、本書『入社10年目の羅針盤』にズバリそのものが書いてありました。
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自分の考えをうまく言葉に変換できないという人は、自分の考えていることをまず紙に書き出してみましょう。断片的な考えでも、紙の上に並べてみると整理しやすくなります。自分の言いたいことは何なのか、そのメッセージを浮かび上がらせることができたら、次にそれを文章化してみます。重要なプレゼンなどが控えているのであれば、それを誰かに見てもらうのがよいでしょう。
岩瀬大輔(著) 『入社10年目の羅針盤』
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そんなプレゼンの時には、プレゼン資料があるので、個人的にはあまり支離滅裂になることはないと思っていますが(自覚がないだけかもしれません)、やっぱり普段の発言は、何の準備もなく、話に突入すると、ろくなことはありません。簡単に論破されてしまいます。
だから、私は普段の発言こそ、こういう事前準備をするべきかと考えています。
■1分間だけ紙に書いてから発言する
何か気になったことがあって発言するときには、発言する前に1分間だけ使って紙に書く。
たったこれだけでいいです。
もし、1分間のタイムラグで発言の機会を逃す程度のことなら、きっと発言してもしなくても結果は変わりませんよ。
■整理できれば論理的に見える
単純な話、紙に書いた文章を読むだけでも、論理構成がしっかりしているように見えます。
たとえ、その文章が論理的ではないとしても、
・同じことの重複して言わない
・文章が論理的な接続詞で繋がれている
このくらいはだれでも出来るでしょう。それだけで相手からは「論理的」と見られやすくなります。つまり、説得力が出ます。
ところが、思いついた単語をどんどん話していくと、思考はぐるぐる回っているので、話も同じくぐるぐる廻ります。結果、論理的に聞こえないという現象がでます。
これをあるベクトルをもたせようとすると、紙にかけばいいんです。そうすれば、言わなければならない単語を全部見ながら話せるので、十分論理的に聞こえます。
また紙に書き出せば、「どこがもっとも言いたいことか」というのをはっきり意識するため、論理展開にブレが少なくなります。
キーワードを紙に書き出すだけ
で十分論理的な話ができるようになります。
■参考図書 『入社10年目の羅針盤』
右肩上がりの時代なら、一流企業に就職し、順調に出世して、経済的にもゆとりのある暮らしを築くことが、共通した幸せの概念だったかもしれない。しかし人々の間で物質的な豊かさよりも精神的な豊かさが求められている昨今、若い人たちも、上を目指すだけでは自分の幸せにたどり着くことができないことに気づき始めている。よく「最近の若者は出世欲がない」などと言われるが、出世の先に自分の目的とする場所があるわけではないということを、感覚として分かっているからではないだろうか。入社10年目というと、30歳前後の若手ビジネスパーソンにあたる。経験を重ね、スキルも身についている頃だが、責任も与えられ、部下を束ねている人もいる。私生活でも結婚や出産を意識するなど、考えることの多い年代だ。若い頃はただがむしゃらに進めばよかったかもしれないが、30代以降はしっかりと方向を定めて進んでいかなくては目的地にたどり着けない。
うまくいかない時、つまらない仕事をしなければならない時もあるだろう。しかし自分の目標が定まっているのであれば、それを平然と乗り越えていく術も必要だ。
失意泰然(しついたいぜん)、得意淡然(とくいたんぜん)。
うまくいっていない時こそどっしりと構えよ、うまくいっている時こそ謙虚であれ、といった意味合いの言葉だ。この本でも紹介している。
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入社10年目の羅針盤 著者 :岩瀬大輔 | 入社10年目の羅針盤 検索 :最安値検索 | 入社10年目の羅針盤 検索 :商品検索する |
●本書を引用した記事
オフラインモードで内面刺激を受ける
イライラしたら飴におさめてもらう
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楽しい仕事はない。楽しめる仕事はある
政治的見解は述べてはいけない
入社10年目の羅針盤:転職するなら地方にいけ
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決断力をつけるのは睡眠とリラックス
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論理的に話すコツは、話す前に紙に書くこと
英語や中国語は度胸で話せる
相談の作法
入社10年目の羅針盤
●このテーマの関連図書
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東大×ハーバードの岩瀬式!加速勉強法
社会人のための勉強力の基本(だいわ文庫)
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金融資本主義を超えて―僕のハーバードMBA留学記(文春文庫)