謝るなら限定的謝罪をしなさい

■すみません


欧米では "I'm sorry" という言葉はあまり使わないと言われます。
その理由が「問題の責任が自分にあると認めることになるから」というのが本当かどうかはわかりませんが、確かに私の少ない経験の中でも Sorry という発言やメールは多くありません。
※全面的に自分が悪い時には、やっぱり Sorry を使うみたいです。

ただ、私達日本人は「謝る」ということは美徳みたいに言われる時があります。
よくつかう「すみません」って、外国人から見ると、何にでも使える魔法の言葉に聞こえるみたいです。「謝罪します」の意味でも「ありがとう」でもつかいますよね。時には話しかけるときの「もしもし」の意味でも使います。外国文化の人から見ると、「この『すみません』はどの意味だろうか…?」と考えてしまうのだそうです。

■組織としての謝罪


最強の主張突破力が身につく会議インバスケット』という本に、こんなことが書いてありました。

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会議では、部署の代表としての役割、もしくは会社の役割で会議に出席しているとい5つ認識を持たなければなりません。

特に交渉の場で不用意に「謝る」という行為は控えるべきです。

なぜなら、あなたは相手に配慮する意味で儀礼的に謝ったとしても、相手はあなたの部署が間違いを認めたと捉えることがあるためです。会議の場は、いわば外交のようなものと認識しなければなりません。
ただし、謝ることにはリスクがある一方で、部署の代表として謝ることが必要なときもありま
す。
1 つには明らかに自部署がミスをした場合、2 つめは相手の期待や支援に応えられなかった場合、3 つ目は部署として機能を果たせていない場合です。

『最強の主張突破力が身につく会議インバスケット』
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本書にあるように、「申し訳ありませんでした」というというのは、個人対個人であれば、潤滑油のような意味がありますが、組織対組織になるとそうは行きません。ある程度建前が必要です。

さらに、一般社員であっても、自部門以外の人とミーティングすることになると、組織の代表としての発言と取られます。ここで、「私が悪うございました」といえば、

 組織としてその問題の責任を取ります

という意味に取られてしまいます。下手をすれば、いつまでもそれをネタにいらぬ要求をされかねません。

ですので、もし謝罪の言葉を発する事になりそうなら、部門長や上司に「×××は自分たちの責任だと思います。この次の会議で謝罪発言します」と報告しておかないと、あとで面倒なことになります。

■謝ってはいけない


一般職の人はこういうところの意識が低い場合があって、時々その後の火消しに振り回されることがあります。
最終的には、一度罪を認めてしまえば、もうその後は何を言ってもアウトだし、前言撤回をすれば、その後の発言の信憑性を疑われます。

このため、一度してしまった発言は取り返しがつかないことが多くて困るのですよ。意外と。

ですので、あらゆる場面で、「簡単に罪を認めてはいけない」ということです。

ただし、本書『会議インバスケットにあるように

 1.明らかに自部門がミスをした
 2.相手の機体や支援に答えられなかった
 3.部署として機能を果たせていなかった

については謝罪が必要です。

ただし、1.の場合は「全面降伏」ですが、2,3の場合は、自部門の責任範囲を明確に発言しないといけません。

 「今回の問題に付きまして、○○部として問題の早期発見ができませんでした点につきましては、お詫びします」

というように限定的謝罪をしないといけません。

 ・決して責任を回避するものではない
 ・ただし、根本的な原因は自部門にはない

これを明確にしておかないと、あとで余計な活動を強いられることになりますので。



■参考図書 『最強の主張突破力が身につく会議インバスケット


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書名 :最強の主張突破力が身につく会議インバスケット
著者 :鳥原隆志

●関連図書
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●関連 Web
 株式会社インバスケット研究所公式ホームページ
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posted by 管理人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 組織マネジメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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