『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』という本に、すごくいい喩え話が書いてありましたので、ちょっと共有。
■あふれるコップの水を拭いても無駄
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「もっと頑張らなければならない」そのような気持ちで仕事をしている人も多いでしょう。
しかし、それは間違っています。逆に頑張ろうとするから、仕事に追われる結果になっているのです。私はインバスケット研修で、コップにあふれるくらいの水を注ぐ絵をたとえに、時間管理の説明をします。
多くの人は、蛇口をひねって水を止めようとしますよね。
しかし、この絵をあなたの現状に置き換えると、どうでしょうか。入ってくる水を仕事、コップをあなたの時間と置き換えるのです。仕事に追われているあなたは、コップからすでに水があふれてそのとき、あなたはどのような行動をとっているでしょうか。おそらく、コップからあふれた水を拭いている状態でしょう。
「もっと頑張らなければならない」と言って、こぼれた水を拭いいる状態です。ていても、一向に埒あきません。つまり、対応する方法が間違っているのです。
鳥原隆志(著) 『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』
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この引用部分は、本書のキーポイントではありませんが、時間管理がうまくいかないパターンの典型的な状態を言い表しているように感じました。
以前の記事にも書きましたが、私も仕事がオーバーフローして、精神的に参ってしまい会社をおやすみするハメになったことがありました。思い返してみると、全くこれと同じことをしていたような気がします。
問題が発生すると、とにかく対策しないと困るので、とりあえずの対策を打つ。そうしているうちに別の問題が発生する。これまた、「とりあえず対策」を打つ。さらに別の問題に対してとりあえず対策を打つ。
そうしているうちに、最初の問題に対して実施しないといけない真因究明や恒久対策については忘れる。そうすると、ちょっと形を変えて最初の問題が別の問題を引き起こす。慌てて何とかしようとしていると、別の問題が対策不十分で火を吹き出す………
その上、新規プロジェクトのマイルストーンが近づいてきて、その仕事をしてなかったことが発覚して、プロジェクトリーダーから「どうなってるんだ!」と怒りの電話がかかってきて、「すぐやります!!」。
もう、すべてが緊急事態状態で、優先順位どころではありません。
まぁ、そんな状態が2年近くつづいて、ついにダウンしました。
今考えれば、こぼれた水を拭くのをやめて、蛇口を閉めればよかったんでしょうけどね。
それからこぼれた水を拭き取れば綺麗になったはず。
■「申し訳ありません。ちょっと待ってください」
だからと言って、火を噴き出している火事現場に呼び出されて、「すぐに消火しろ」と言われているのに「落ち着いて火元を探せ」と思ったとしても、それどころではないことも少なくありません。
あの修羅場状態のときに、いまの私がタイムスリップしたとしても、ちゃんと対処できるかどうかは、全く自信がありません。
ただ、修羅場になる前の時なら、ちょっと違う対応があったのではないかと思っています。
つまり、上記のような負のスパイラルが周り初めの頃は、まだ余裕があるので、
「申し訳ありません。ちょっと待ってください」
と考える時間はあったのではないかと思っています。
考える余裕が無いほどの状態になってから「考えろよ」というのは本人には酷な話です。
こうなってしまったら、上司の出番ですね。本人は他の人に相談する余裕すらなくしていますので、問題に気がついて、振り分けをちゃんとするには、上司の目配りが重要になります。
ただし、そうなる初期状態の時には本人が「ちょっとだけ立ち止まって、問題の本質を探す」ことが出来るでしょうし、そのためのスキルを磨いておかないといけないわけですね。
■問題の本質に迫る思考力
本書『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』では、それをする方法として、いくつかの考え方のガイドラインを示してくれています。
簡単に紹介しておくと
・優先順位をつける力 ― 本当にそれからするべきか」を考える
・問題発見力 ― 本当にそれで解決するのか」を考える
・思いやりの力 ― 「相手がどう思うか」を考える
・自己分析力 ― 「なぜ叱られたか」を考える
・確認する力 ― 「本当にそれで大丈夫か」を考える
・想像力 ― 本当にそれが番効率的か」を考える
・洞察力 ― 「次にどうなるか」を考える
・当事者意識をもつ力 ― 「相手が何を求めているか」を考える
・対策立案力 ― 「ほかに手はないか」を考える
・組織活用力 ― 「誰に聞けばよいか」を考える
・段取り計画カ ― 「仕事は進んでいるか」を考える
・課題形成力 ― 「本当の原因は何か」を考える
・目標設定力 ― 「ゴール」を考える
・リセットカ ― 「白紙に戻そう」と考える
・逆算力 ― 「逆算したらどうなるか」と考える
を身につけていくように推奨してます。
本書だけでなく、鳥原隆志氏の紹介している「インバスケット」というツールは様々な形で有用な考え方を示してくれるので、ここ数年お気に入りで、時々ブログでも紹介してます。
本書も近いうちに、本の全体の内容やポイントをご紹介しますので、お楽しみに。
過去に紹介した鳥原隆志氏の著書
●<<インバスケット思考>>
●<<仕事のプロセス」の教科書>>
●<<本番5分前!絶体絶命な彼らの華麗なる決断>>
●<<インバスケット集中講義>>
●会議インバスケット
●<<インバスケット思考2>>
鳥原隆志氏の著書を引用した記事
・次のステップを勉強しなさい
・あなたの問題を解決しましょう
・真逆を考える
・つまらない会議から抜け出す方法
・インバスケットを学ぶ
・インバスケット思考
・会議室の椅子を交換する
など。
ご参考までにどうぞ。
■参考図書 『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』
立ち読み可 | 「考えて仕事をする」とはどういうことなのか? 「もっと考えて仕事をしなさい! 」 「そんなこと、少し考えればわかるだろう! 」 上司や先輩から、このように叱られることはありませんか? 叱られている本人だって、それなりに考えて仕事をしています。それなのに、うまくいかない。 その本当の原因は、「考えていない」ことではなく、「考え方が間違っている」ことにあります。 仕事のさまざまな場面で、何を考えれば的確な行動ができるのか。できる人が必ず押さえている「15の視点」を本書で解説します。 行動を起こす前の「たった5秒」。そこで何を考えるかが勝負です。 |
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●本書を引用した記事
5秒の予知能力を身につける
遊び時間を作る
考える仕事は早めに終わる
指差し確認、もう一度確認
なぜそれがルールなのかを考える
あふれるコップの水を拭いても無駄
頑張ろうと思わない
「あとで…」という言葉には利子がつく
親しみのある「たとえ」を使う
心理的にプレッシャーを与えると交渉が楽になる
●このテーマの関連図書
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