プライミング効果ってご存知でしょうか?
正確な説明は、おそらくこちら。
★――――――――――――――――――――――――――
●プライミング効果
プライミング効果とは、先行する刺激(プライマー)の処理が後の刺激(ターゲット)の処理を促進または抑制する効果のことを指す。 プライミング効果は潜在的(無意識的)な処理によって行われるのが特徴であり、知覚レベル(知覚的プライミング効果)や意味レベル(意味的プライミング効果)で起こる。 前者の処理は刺激の知覚様式(モダリティ)の違いによって、それぞれのモダリティに特異的な大脳皮質によって媒介される一方、後者の処理は側頭連合野などの意味処理に関連する大脳皮質によって媒介される。
プライミング効果―脳科学辞典
――――――――――――――――――――――――――★
さっぱりわかりませんね。
★――――――――――――――――――――――――――
●プライミング効果
あらかじめある事柄を見聞きしておくことにより、別の事柄が覚えやすくなったり、思い出しやすくなることをいう。ここで先に見聞きする事柄をプライムと呼ぶ(影響を受ける別の事柄はターゲットと呼ぶ)。たとえば、連想ゲームをする前に、あらかじめ果物の話をしておくと、赤という言葉から「りんご」や「いちご」が連想されやすくなる。また車の話をしておけば、同じ赤という言葉から「信号」や「スポーツカー」が連想されやすくなる。こうした効果が生じるのは、単語や概念が互いにネットワークを形成しているためだと考えられる。 指導場面では、先に手本を示したり、覚えさせたい事柄について雑談してから教えることで、プライミング効果による学習効率の上昇が期待できる。
プライミング効果―コトバンク
――――――――――――――――――――――――――★
おお、なんとなく分かる。
以前、プライミング効果:サラヒン〜サラリーマンの仕事のヒントでもご照会しましたので、ご参照ください。
本日は、これを読書に活かす方法。
■プライミング効果があると読書が早くなる
★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
この例に限らず、私たちも普段の生活で、ちょっとした(勘違い」というものがあると思いますが、そのほとんどがプライミング記憶の結果なのです。こう書くと、まるでプライミング記憶は悪玉のような気がしてきますが、もちろん、そんなことはありません。プライミング記憶を使えば「ほ・う・れ・ん・そ・う」とわざわざ一文字一文字を認識しながら読む必要がなくなるので、すんなりと「ほうれんそう」と読むことができるのです。
プライミング記憶は、見えているものの解釈や、自分のおかれている状況の判断などを迅速にするために重要な役割をしているのです。
池谷裕二(著) 『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』
――――――――――――――――――――――――――――★
つまり、初めて見る言葉は、人は1文字1文字確かめながら読みますが、2回目以降は、「以前読んだものとほぼ同じ」と判断して、感覚で判断します。以下の文を読んでみてください。
★――――――――――――――――――――――――――
●「ほうれんそう」はビジネスマンの基本習慣
報連相(「ほうれんそう」)は、「報告」「連絡」「相談」を分かりやすくホウレン草と掛けた略語です。
「ほうれんそう」をすることで、上司と部下の意思疎通がスムーズになり、お互いのコミュニケーション向上に役立ちます。この「ほうれそんう」の順序はプロジェクトにとっては、相談がさきにあるべきで、この「ほうれんそう」の順番では手遅れになります。
――――――――――――――――――――――――――★
ちょっと本書『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』にしたがって例文を作ってみました。
気が付きましたか?
文中、ひとつだけ「ほうれそんう」と「そ」と「ん」がひっくり返ってました。
同じことが、いろいろな概念についても言えます。
「コミュニケーション」「3P」などについて、一定の概念があれば、本を見ていて、「3P」と出てきた時にも、すんなり読めるんですね。
本の中で、「3Pとは、○○○○○○であり、〜〜〜〜〜」みたいな文章に出会ったら、最初の○○○の部分は、視覚情報としては取り込んでいますが、思考は自分の知っている3Pの概念と照らしあわせて異なる部分だけに着目していて、同じ(にみえる)部分は無視します。
それによって、本を読むスピードや理解度(ほんとうに必要なところを理解する)が格段に上がるんですね。
ただし、これが出来るのは、記憶がリフレッシュされている時。
■同じジャンルの本を一気にたくさん読むと詳しくなれる
つまり、同じジャンルやテーマの本は一気に読まないと効果が無いんです。
一気に読むことによって、ゲシュタルトが形成され、プライミング効果で判断能力が上がり、さらに同じジャンルであるので繰り返し出てくる部分は記憶に定着するというメリットがあります。
だから、なにか新しいジャンルやテーマに挑戦するときには、複数の本を多数、なるべく短期間に読むのが、そのジャンルやテーマに詳しくなるコツです。
同じ本を繰り返し読んでも、同様のことはできますが、本が違うといい方が異なるので、差分があり、脳が刺激されます。さらにいろいろな視点で説明がされているので、多面的にテーマを見ることができますので、やっぱり、異なる本を読むことがベストだと考えます。
■参考図書 『記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』
◆アマゾンで見る◆ | ◆楽天で見る◆ | ◆DMMで見る◆ |
![]() 記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 著者 :池谷裕二 | 楽天では見つかりませんでした | ![]() 記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 検索 :商品検索する |
●関連 Web
記憶力を強くする ブルーバックスB-1315―何も考えないこと(読書メモ)
記憶力を強くする(pdf)-Biglobe
空間的記憶や情動的記憶をつかさどる 海馬を中心とした神経ネットワークの解明(pdf)―東北大学研究発表資料
記憶力を強くする-池谷裕二のホームページ・Web 記憶力を強くする-Google Books
●本書を引用した記事
プライミング効果
社会人の勉強方法は、学生とは異なる
プライミング効果で読書する
諦めないで続けるとある日突然爆発する
記憶力を強くする
●このテーマの関連図書
海馬―脳は疲れない(新潮文庫)
進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線(ブルーバックス)
受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法(新潮文庫)
だれでも天才になれる脳の仕組みと科学的勉強法
単純な脳、複雑な「私」(ブルーバックス)
脳が冴える15の習慣記憶・集中・思考力を高める(生活人新書)