■オレの仕事の生産性は?
私が、このブログやサラヒン〜サラリーマン仕事のヒントでいろいろな仕事術に興味をもったのは、大元は
オレの生産性って、どうなんだろう?
という疑問が出発点でした。
もっと単純に言うと、長時間の残業が当たり前になって、「もっとスマートに仕事がしたいなぁ」「ゆったりと仕事をしているようで、バリバリの成果を出したいなぁ」という「憧れ」みたいなものがあったんだと思います。
肉体労働者であれば、一定時間内に積んだレンガの数とか、一定時間内に締められるネジの数、みたいなもので単純に測れるのですが、知識労働者は成果物自体が測定できるものではないので、その要因となる生産性というのは、正確に言えば測定不可能なんですね。
今では、仕事の生産性向上のネタを集めるのが趣味みたいになってますが。
■ドラッカーの教える生産性
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5月21日 サービス労働の生産性
●サービス労働の生産性向上はマネジメントにとって最優先の社会的責任である。
あらゆる先進国において、サービス労働の生産性向上が社会的な課題である。これを実現しないかぎり、先進国は社会的な緊張に直面する。新たな階級闘争に直面するかもしれない。生産性の向上がないかぎり、増加するサービス労働者の経済的社会的地位は確実に下がる。
実質賃金が長期にわたって生産性の伸びを上回ることはない。もちろんサービス労働者は、その経済貢献度から正当化できる以上の高い賃金を数の力で得ようとするかもしれない。しかし、それはあらゆる者の実質賃金を引き下げ、失業を増大させることによって、社会全体を貧困化させる。
あるいは、知識労働者の所得が上がるなかで、サービス労働者のそれが下がる一方となり、格差が増大して分極化が加速することになるかもしれない。
いずれにせよサービス労働者は疎外され、虐げられさ追いやられた階層として自らを見るようになる。われわれはサービス労働の生産性向上の方法を知っている。
それらは生産的労働である。したがって、われわれが 100 年間生産性向上について学んできたことをほとんどぞのまま適用できる。なすべきことは明らかであり、実行は可能である。緊急度は高い。これこそ、マネジメントにとって最優先の社会的責任である。(『すでに起こった未来』)
●Action Point
サービス労働の生産性向上について目標を設定してください。
目標の達成に対してはインセンティブを用意してください。
上田惇生(著) 『ドラッカー365の金言』
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たしかに、第3次産業はブラック企業化する場合が少なくないみたいですね。もちろん、第1次産業であれ第2次産業であれ、仕事上の「サービス労働」がブラック化しているものがあるのでしょうが。
これらはドラッカーの指摘する通り、「経済的社会的地位の低下」を招きやすいという特徴があるのでしょう。
しかし、そこには、第3次産業従事者(本書でいうところの「サービス労働」)の生産性という非常に難しい問題があります。生産性を具体的に測定する手段が見つかっていないのですね。
リッツ・カールトンにしても、ディズニーランドにしても、それがどのように素晴らしいサービスなのかは伝説的に語られるものや、伝説にならないまでも、顧客から高く評価されるものは少なくありませんが、じゃぁそれが、数値化されるようなシロモノではないのですね。
※最近はディズニーランドのアルバイトスタッフ(「キャスト」というらしい)の苦情もよく見かけるようになりましたので、単純にこういった伝説的働き方をしていたスタッフが大切にされていたわけでもなさそうです。マスコミのプロパガンダだけだったのかも。
学術的にはいろいろな測定方法が提案されているみたいですが、結局全てに通用するような測定方法や、雇用者(経営者)と労働者(サラリーマン)双方が納得できる形にもなっていないのが最大の問題かと。
それは一般の知識労働者についても言えることで、こちらのほうが MBO が導入されるなど若干進んではいますね。ほんとに若干ですが。
■生産性を定義する
まぁ、学術的なことはさておき(学者さんに任せておきましょう)、我々サラリーマンとしては、それでも自分の生産性を上司にアピールしたいところ。
そこで、自分で決めた生産性を勝手に定義してしまっています。
たとえば、
・年間プロジェクト立案件数
・議事録事前作成件数 ÷ 全主催会議数
・キー入力速度
・文書作成量
・メール依頼、返信完了時間
・納期遵守率(実際に作業した時間 ÷ 作業予定期間, 納期n日前納入率)
・生産コスト削減率(昨年度比)
・生産問題件数
などなど。
で、これらを測定して、「こんなに改善してます」とか「●●●円の効果」と期末面談の時に報告してます。
どうせ定義がないものなら、自分が適当に都合よく決めても問題ありませんよ。
■参考図書 『ドラッカー365の金言』
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