会議にパワーポイントをむやみに使うな




最近、会議でも議長やリーダーがパワーポイントの資料を使って会議を進める形式が増えてきたように感じています。

偶然、『45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本』にそのことが触れられていたので、ちょっとご紹介。




★――――――――――――――――――――――――――

人間というのは勝手なもので、「いいミーティングだった」と思うのは、その人がミーティングの 7 、 8 割しやべった場合だそうだ。他人の話をじっと聞いているのはストレスがたまるから、自分の方が長くしやべったときに満足度が上がるのはよく理解できる。

あなたも、自分がどういうミーティングで「良かった」と感じたかを思い起こしてほしい。
そうすれば、この盲葉の意味がよくわかるだろう。

だから「聞き上手になれ」と言われるのだ。

相手の言うことをよく聞くことができれば、相手は満足し、あなたのことを好きになり、あなたの言うことを聞いてもらえるようになる
 :
 :
パワーポイントは、本来はプレゼンの道具で、プレゼンテーターが話す内容の重要なポイントを示したり、言葉では説明しきれないグラフをわかりやすく示したりするために開発されたものだ。つまり、あくまでもプレゼンテーターの話す言葉がメインで、パワーポイントはそれをサポートする道具にすぎなかった。

植田統(著) 『45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本
――――――――――――――――――――――――――★


心理学的にも、人は多くを話したほうが満足する傾向があるのは、いろんな本に書いてあることですね。




■パワーポイントを使うと話す側と聞く側に分かれてしまう


私の主観として、最近のパワーポイントで議事を進めることに違和感があったりします。

それは、

 パワーポイントを使うと話す側と聞く側に分かれてしまう

ということ。つまり、事前に話すストーリーが出来上がってきているため、話している途中にどの様な異議を言われたとしても、その場は「検討します」とかいう発言になって、最後は用意したスライドの最終ページ、すなわち事前に決まっていた結論を表示してしまいます。

そうすると、異議を言った人は、「なんだ、オレの話を受け入れてないじゃん」と感じてしまいます。

つまり、パワーポイントで話の流れを事前に作ってしまうと、それにどうしても固執してしまって、柔軟な対応ができないのです。

もともと、そのストーリーと結論を押し付けるつもりなのであれば、会議ではなく説明会とするべきですし、反論も受け付けないことを明示するべきです。

それを、「議論しますよ。でも結論は変わりませんから」というスタンスになってしまうと、参加者の参加した実感もありませんし、多数の知見を集約していい結論を出すという会議の本来の機能がなくなってしまっているように感じます。

■議論したかったら、書き込みのできる議事録を用意する


もし、きちんと議論をして、全員の納得感のある結論を出したいと思うなら、一番いいのは、説明しながら板書することです。その次にいいのは、テキストファイルを開いて、そこに議事を書きながら議論を進めることです。
※最近、プロジェクタも安くなったので、1つの会議スペースには2つプロジェクタを用意し、一方をプレゼン資料、他方を議事録の表示に使えるようにした場所もあります。我が社では徐々に増加中。

こうすることで、参加者の参加できるスペースが出来、そこにいろいろな人の意見が追加されていきます。

ご紹介した本書の冒頭にある通り、人は「自分が多く発言したこと」に満足を感じる傾向にあります。したがって、結論に納得感も出やすいのですよ。

ちなみに、引用した部分の副題は

 相手に8割しゃべらせよう

というものでした。

それを目指したいですね。





■参考図書 『45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本





立ち読みできます立ち読み可
E5%AE%89%E3%82%92%E6%84%9F%E3%81%98%E3%81%9F%E3%82%89%E8%AA%AD%E3%82%80%E6%9C%AC%E3%80%8F%E6%A4%8D/" target="_blank">ビジネスブックマラソン



45歳はキャリアのターニング・ポイントだ。45歳になると、それまでの20数年におよぶキャリアの答えが出てくる。

よくがんばり結果を出してきた人、部下の使い方がうまい人、人望のある人には、取締役や執行役員になり、腕をふるうチャンスが訪れる。

そうでなかった人はポストを外され、転身を迫られる。
 
あなたの45歳からのキャリアは、それまでにあなたがどういう準備をし、どのような経験をし、どういう人脈を作り、どういうスキルを身につけてきたかで変わる。

だから、45歳までに周到な準備が必要になる。

本書は、45歳になって途方に暮れないために、今のうちに読者の皆様が心がけておくべきこと、取り組んでおくべきことを、30のポイントに分けて解説する。





◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本
著者 :植田統

45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本
検索 :最安値検索

45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 成功の秘訣
 成功者のストーリ
 45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本
 ヘッドハンターを信用してはいけない
 過去と相手は変えられない
 1年未満の転職はキャリア上マイナスになる
 選択肢を多くしておく
 ちょっと前向きになれるアドラーの指針
 会議にパワーポイントをむやみに使うな
 部長ならできます

●このテーマの関連図書


45歳から5億円を稼ぐ勉強法

人生に悔いを残さない45歳からの仕事術

ミドル世代の危機を乗り越える!45歳からやり直す最高の人生(祥伝社黄金文庫)

40歳からは「この資格」を取りなさい-「求められる人材」にな…

成熟力「45歳から」を悔いなく生きるリスタート!

「思秋期」の生き方45歳を過ぎたら「がまん」しないほうがいい





■同じテーマの記事

あれ、これ、それで会話する

コミュニケーションの目標「ウチの会社(部門でも可)はコミュニケーションが悪いので改善しよう」よく管理職になると必ずこういう話が、何年かに一度は出てきます。部下からいわれたときには「はあ?コミュニケーション?なにそれ?」みたいに返しちゃうのですが、上司から言われた時には(揉み手をしながら)「そうですね〜。やっぱりコミュニケーションが大事ですよね〜。」なんて答えます。サラリーマンですので。ちなみに私からは「コミュニケーションが悪い」という発言はし..

EXCELの小技-土日のない連続日付、見るだけ合計、アイコンセット、スパークライン

土日を飛ばした連続日付の入力Excelでスケジュールや作業進捗の管理をされることも多いと思います。日付データを入力してオートフィル(十)すると、連続日付が入力され便利です。この時、休日は邪魔になりませんか?ちょっと操作を変えると、休日を飛ばして稼働日だけを入力できます。セルに開始日となる日付を入力してアクティブにし、セル右下のフィルハンドルをポイントして十字になったら、"右ドラッグ"します。※マウスの右ボタンでドラッグ!! 任意の場所で手を放すとメニューが表示され..

図解のコツ2:単語を抜き出す

前回の記事で、「図解のはカタマリを作ること」と書きました。図解の最初のステップはカタマリを作ること図解とは、「位置/配置」に情報を盛り込むこと例えば、有名な情報整理術に、「KJ 法」というものがあります。考案者である文化人類学者・川喜田二郎氏のイニシャルをとってこう呼ばれています。ここでは詳しくは説明しませんが、キーワードを書いたカード、新聞や雑誌の切り抜きといった..

パワポで同じような図形を並べるときは、「配置」で揃える

プレゼン資料のパワーポイントを見たり、作ったりする機会が結構あるのですが(少なくとも1日に数回はパワーポイントを使ったり見たりしている)、時々気になるのが、横に並んだ図形や表の大きさや位置が揃っていないこと。実際、揃っていない事自体には大して問題があるわけではないのですが、どうもきれいに端が揃っていない資料は居心地が悪い。もしかしたら、私だけなのかもしれませんが、こういう資料を見せられたときに、意識が「図の配置」に行..

知ってる?知らない?Excel+マウスの便利技

Excel上でマウスを使った簡単な便利ワザをご紹介します。連番を簡単に入力する(オートフィル)セルに数字を書いて、そのセルの右下でマウスカーソルが "+" になったところで下へドラッグすると、ドラッグした範囲にその数字がコピーされますね。これを使うと、あとでその数字を連番に変更する事もできるのですが、CTRL キーを押しながらドラッグすると、連番になります。CTRL キーを押すのが面倒なときは、縦方向の 2 つのセルに順番に1、2と書いて、..

図解のコツ1:カタマリを作る

ホワイトボードに説明を書いてもらったときや、パワーポイントなどにまとめたときなどに「説明が上手いなあ」と思う人と、なにを書いているのかさっぱりわからない人がいます。文章を書くにしても図解をするにしても、こういうのがうまくできるようなコツがあります。過去記事でも何度か触れてますので、ちょっとご参考までに。過去に紹介した図解のコツ3つの習慣part1A4で議論する>コミュニケーションより..




posted by 管理人 at 05:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 知的生産術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック